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14、15


 春 ~桜の頃へ交わす想い~


私「関係ある話かどうかはわかりませんけど、ちょっとお願いがあるんで言いますね」

僕「急にどうしたんです!」

僕「(あいつの記憶がなくなってから、随分と積極的になった気がする。一方的にあいつに言い寄られて、照れ笑いしている美人だったのが、今では完全に明るく笑顔を振りまくエンジェルだ。本当に完敗、乾杯したくなるほどの完敗だ)」

私「私、桜を見に行きたいと思いまして」

僕「でもどうして僕に言うのです。一緒に行きたい相手は、あいつなのではありませんか?」


俺「そこ! 何を話しているのですかな」

僕「デートの約束をしようというのです。何を勘違いしているのか知らないけれど、君なんかのためだけに存在するこの美男子ではないのでね!」

俺「俺の恋人だろどう考えたって。あとついでに言うけど、思い出したから、お前のことも思い出してやったから。恋に敗れた我が友人や」

僕「(マジかよ。すり替えは効かないってこと? 恋のライバル設定を植え付けておこうと思ったのに、思ったよりも記憶を取り戻すのが早かったな)」

俺「チャンスだと思っていたようだが、もう終わりだ。残念だったな」


私「え、本当?」

俺「ああ、本当だ」

私「じゃあちゃんと私が男だってわかってる?」

俺「それはわからないな」

私「……本当だ。私の知っているあなただね」

僕「いやどういうことだよ」



 愛 ~それは偽りでも~


僕「偽りの愛なんてものが存在するものか。憐れみで注がれた愛など、何が嬉しいものか。いらない、そんなものはいらない、だけど真実なんてものもいらない」

俺「もっと素敵な愛を見付けてくれ。恋人は譲ってやれないが、友人としてそうは思う」

僕「友人面をするな。そうやってまっすぐで優しいところくらい、僕も知っている。僕が見てきた彼の姿はいつだって君越しだったのだし、ずっと前から君のことは知っているからね」

俺「そうか。そうか、すまないな」

僕「謝るんじゃないよ。本当に恨めしい、憎い奴だな」


私「なんの話をしているんですか?」

俺「友の話だ」

僕「失恋話です」

私「偉そうなことを言ってすみません。けどね、愛は捧げた分だけ返ってくる、と、思いますよ」

僕「だといいですね」

俺「本当にすまんな」


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