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来世 ~縄文の恋心~
私「愛されることは嬉しいですし、尽くされることも嬉しいものです。けれど、あんまりに自分のことを蔑ろにするのでは、嬉しさばかりではいられないものですよ。大切に想われて、大切に想わずにいられるほど、冷酷な人も多くはないものです」
男「おらの愛は、間違ぇねぐ愛だ。他のなんだって、おらの愛は負げね」
俺「気持ちはわかります。それほど大切で愛している人が、俺にもいたと思うんです。到底、忘れられないような人が」
私「ええ、いたよ。愛している人、いたはずよ。本当に覚えていない?」
俺「覚えている、はずだ。たぶん、俺も今でも知っている」
私「(そのまま私を抱き締めて、愛してるって言ってくれないものかしらね。愛しているって毎日鬱陶しいくらいに言われていたのに、ひどいな、急になくなるものだから、物足りないよ)」
男「おらは死んだって来世だって来来世だって、何回だって惚れて愛して、愛し続けんだ。尽くすことが、わかりやすぃ愛。おらは、知っでる。伝え尽くさんが愛げ」
私「そういうものでしょうか。愛されるというのは、愛じゃないの? わかりやすく言葉にして、伝えて、全てを掛けて尽くすことだけが愛なの? 本当にそれきりなのでしょうか」
俺「自分の恋人がわからないのに、親友だからといって他人の恋人などわからない。わかりようがない。不思議なことに、親友の恋人が羨ましくて、嫉妬すらしそうだ」
私「そう。嫉妬ならいくらでもしてくれていいよ」
私「(私の恋人は他でもないあなたなんだけどね)」
女「尽くされんは嬉し。嬉しいげんど、そでが幸せなんだって言われたがて気に入りゃにゃ。嫌だべ。愛すっ人、自分が着飾るためだげに死なせんの。一緒に生きれんなら、贅沢なんでいらんに。美しゅうしてにゃあと愛してぐんねってんなら、受け取る、頑張る、けんど死なれんはやっぱ嫌じゃあけ。決まってらぁ。大切な人殺してでんも愛されてぇ自分勝手じゃけっど、愛されてんだったらば、他の贅沢はいらねぇ」
男「んだったのが。おらの愛、邪魔け? 嫌け?」
私「好きな人に愛されるために、女の子はオシャレをするのですよ。見た目なんて関係ないなんて、そんなのは嘘なんですから」
僕「そんなことはありません。そんなことはありません!」
私「嘘。だからいつまでも可愛くあろうとするのです。可愛くないと、愛してくれないから。可愛くないと、守ってもらえないから。だけど本当に見た目なんて関係ないと言うのなら、無理して可愛くあらせようとすることもないんじゃないですか? 素朴でそのままの姿を愛してあげて。それが何よりなんだから」




