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22~25



 病弱軍師 ~桜の花のように美しく散ることを彼が望まないのなら~


 僕が生まれる少し前に、ひどい飢饉や流行病で、身分に関係なく多くの人があの世に連行された。

 人々の環境は悪くなるばかりで、手に入りそうになる自由も贅沢もどこにもなくなり、金を持っていようとも購入できるものはなくなっていた。

 どれほどの金持ちでも豪遊することはできないほどに、物資がどこを探そうとも存在しないのであった。

 奪おうにも持っている人がいないのだ。


 そんな中で家に籠って本を読んで暮らしているだけなんて、とても幸せで虚しいことなのだ。

「本を読む人というのは、本を読まない俺としては立派なものだと思うが、その楽しさというのが俺には理解できないんだよな。物語は楽しいが、人から話を聞いた方が楽しいに決まっていると思うのだが」

 首を傾げられると僕としても困る。


 文字列で読むのも、話を伝え聞くのと変わらないくらいに、面白いことだと思うのだけれど、大人しくしているのが好きでないらしい彼はそうは思わないのだろう。

 その行動力に僕がどうしても憧れてしまうのは、彼が読書する人を立派だと思う心と同じものなのだろう。



 人生 ~たった一度を楽しもう~


 それは素敵だね。



 運命 ~避ケラレナイ運命ナドナイ~


「あたしにゃやっぱむんずいんだけんど、やりたいからやりたいとか、そうした方がいっからそうすっとか、んなもんじゃいげねんがな」

「そうするべきなことを当然にすることは、それこそ難しいことであり、正しいことですよ。これは悪い意味で言っているわけではなく、あなたは馬鹿なのです。それは人が失ってはいけない心というものですから、あなたはただ、それを誇っていれば大丈夫でしょう。安全は僕が保証しますから」

 僕が彼女に浄化されるように、彼女が僕に染められること、どちらも悪い意味にはしたくなかった。



 汗 ~努力は影でするものです~


 努力の証とは、随分なものではないか。

 狂うほど、疲れても狂おしい心のままに踊るのだけれど、ダンスの中でも僕は汗を掻いた覚えがない。

 元より、汗は掻きづらい体なのだろう。

 体を激しく動かすことが少ないというのもあるから、考えることもなかったわけだけれど、考えてみたら僕は汗を知らない。



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