10~14
夢 ~遥か遠く飛鳥~
瞳を閉じれば、私もあの人に会えるのかな。
夢の中でなら、私とあの人は同じようにいられるのかな。
わかっているの。これが最後のチャンスだって、痛いくらいわかっているの。
だから私は怖くなって、必死に今頑張っているんじゃない。
怖がってしまっているのね、私。
あの人と私の夢が重なってはいないこと、きっと私は知ってしまっているから。
忠犬 ~奈良の主はだぁれ?~
この人はきっと可哀想な人なのね。
プライドが高くて、きっとひどく……馬鹿なの。
知ってる。私と同じ。
だから私はこの人のことを、この女性のことをどうしたって好きになれそうもなかった。
嫌い。嫌い。嫌い。嫌い。嫌い嫌い嫌い嫌い!
この可哀想なところ、この痛々しいところ、あまりに憐れなこの姿は、どう見たって私にそっくりなんだもの。
私そのものだとすら言えたわ。
だから私は嫌いよ。こんな馬鹿らしいことばかり言っている人。
夢大陸 ~届かない平安を求めて~
いちゃいちゃらぶらぶ気持ち悪い。
どうして愛が報われる人がいて、こんなに幸せになれる人がいて、それでも私の愛は夢物語に吸い込まれてしまうの?
夢の大陸があるのなら、どうか私も連れて行ってよ。
あの人と一緒になれるなら、私はそれだけ幸せになれる。私はそれだけで幸せになれる。
どれだけ私の愛が本物か、わかってくれはしないのかしら。
わかってくれるようなことは、ないのでしょうね。
距離 ~背負う鎌倉の夢の夜に~
ええ、ええ! 人気者は辛いのでしょうね!
そう一緒、あの人と一緒!
だれからも好かれて、だれからも愛されて、思わせぶりな態度で勘違いさせて悲しませて苦しませて、それでも怒れないの。
あんな笑顔を向けられたら、怒るなんて、できるわけがない。
きっとこの兄弟は、兄も弟も同様に、あの人と一緒なんだわ。
あまりにも、愛されることに慣れすぎてしまっている。
そんなのだから、私の気持ちをわかってくれるようなことはないのよ。
私のことを見て、同情なんてされてしまっても腹立たしくなるだけだけれど、そんなことをしてくれるようなこともなくネタにしてしまえるのよ。
なんて冷たいのかしら。
気持ちがわからないにしたって、もう少し何かやりようがあるじゃないの。
嫌。もう嫌。そうね、本当は私ももう嫌になってしまったのね。
だけど私は、それでも思うの。
偽りでもいいから、愛がほしいって、あの人に愛されたいって……思うの。
春 ~桜の頃へ交わす想い~
一周したら私の世界へ帰れたの? 私たちの世界で、私たちを登場人物として、特別な夢を見られたの?
真面目に無理して全部コメントを入れてたのが、馬鹿みたいじゃない。




