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 矛盾 ~刹那の永遠~


 一生一緒にいられるのなら、それは幸せなことじゃない。それは十分なことじゃない?

 それが私の愛というもの。いいえ、それはみんなの愛というものじゃないの。

 欲張りにも限度があるというものだわ。

 だって私は愛している。だって私は愛されている。ね、そう思えない?

 まあそれは無理なんだけど、でもということは死ぬまでそう思っていられたら、幸せ以外の何でもないということじゃない。

 なら早く死ねたら早く死んだだけ、愛の割合が大きいってことじゃん。

 そういうことじゃないの? でもだからって、記憶が消えてしまえばとか、死ねたらとか思うけど、何かを実行しようというのはなくって。

 ああ、可哀想な私。可哀想なんて、言わないでね。可哀想なんて、思わないで。



 最期 ~花の微笑み~


 桜とか病気とか、流行ってるの?

 知らないけど、そういう人ばかり見せられても笑うしかないわ。



 記憶喪失 ~一方通行の恋心~


 憧れるわ、記憶喪失。

 憧れるわ。記憶喪失。

 意味はわからない。



 夜空 ~それを飾るもの~


 昼でも夜でもどうでもいいんだけど、綺麗な星を見上げれば、全てが救われることになるのかもしれない。

 月が綺麗ですね、なんてあの人が笑ってくれたら。

 そう言ってあの人が笑ってくれたら。



 虹色 ~濁ってしまった色~


 色を足すたびに色は深みを増して、新しい色を作っていく。

 そうしてだれも知らない色を、自分しか持っていない色を作るのね。

 だけど濁っていくという不思議。どうしても濁ってしまうという不思議。

 私も濁ってしまっているのかな。

 いつの間にか濁ってしまっていたのかな。

 恋の色さえ、白を濁らせているのだということなの?

 幸せの色さえ、そうだっていうのね……そ。



 来世 ~縄文の恋心~


 本気で尽くす姿勢があったら、あの人も私だけのあの人となって、私の愛に応えてくれたのかな。

 偽りの恋心なんて生まれなくて済んで、偽りの愛なんて作られずに済んだのかな。

 たとえそれが偽りだったとしても、そうは思うところもあったけれど、それでもハッと目覚めるときがあって、それが堪らなく苦しいの。

 それが私の愛だから、むしろ嫌なのよ。嫌なのよ。



 恐怖 ~強くなれずに弥生の時を~


 ずっと一人なんて、それはきっと哀しくて寂しいことでしょうね。

 だけど一人の方が楽だと思ってやっているのなら、寂しくないのなら、それはとんでもなく楽じゃないのよ。

 人間関係の拗れとは無関係。人間関係とは無関係。

 人間無関係ね。



 死後 ~受け継いできた古墳~


 ただ愛されたい。それだけじゃないの?

 変なの。



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