16~21
夜酒 ~君の香りに溺れて酔うも酒の所為か~
いつだって愛を飾って愛を作るあの人とは、違っているのでしょうね。
あの人に悪気がないのだということが、私には堪らなく苦しいのよね。
私にも酒が飲めたなら、もっと楽になるのかしら。
わかんないけど、わからないんだけれど、でも羨ましいな。
守護 ~いつでもあなたの傍で~
あの人を愛しているのは私だけなんだって、私にも断言できるのかな。
信じたら、信じてみたら、できるんでしょうね。
だって私があの人のことを愛として、愛そのものとして認識していたのはそのとおりで、それこそが私にとっての愛だったのだもの。
だからいくらだって私はあの人への愛を信じられる。
あの人が私を愛してくれているような、夢も見られる。
だけど自分で信じられているのならいいかもしれないけれど、夢から醒めた瞬間に、私はどうしていられるのだろうか。
私は、どうしていられるのかしらね。
信じていた愛を失ったときに、二度目の喪失に私は耐えられるかな。
あの人から拒否されてしまったら、私はどうなるのかな……。
永久不滅 ~僕たち二人の愛は止まることを知らない~
見せ付けているつもりなのかしら。そういうつもりなのかしら?
本当は私もあの人とまだ……、なんて、ふわっとしたことばかりで、お互いに愛なんて知らないで、未熟なままに泣いていた。
愛なんて最初から生まれていなかったのかもしれないわね。
そう、最初からね。
変化 ~種はいつの間にか植えてあった~
好きな人がいるって、素敵なことよね。
そして、その好きな人からも好きでいてもらえるって、素敵なことだし、……ありえないことよね。
いつから私はこんなにネガティブになってしまったのかしら。
人のことを羨んでいるばかりなんて駄目ね。
羨ましいとは思うけれど、こんなことばかりでは駄目ね。
後悔 ~自信がもっと付いたなら~
どうしても不安になっちゃう気持ちはわかる。
でも周りに合わせるとかはしないとだし、あの人に嫌われたくないから私なりに頑張ったのだけど、それでも駄目だったよね。
ってそういうことじゃなくて、不安になっちゃうってことだっけ?
でも別に友達相手にそんなことはないわよね。
うん、ないわよね。
言葉 ~不器用なままで~
同じ言葉を使って会話をできないということなら、どこかで間違って好きになってしまうことはないのでしょうね。
吐き違った愛なんて、どこかで何かを感じてしまうことがあるかしら。
ない。そう、ないわよね!
だったらいっそそっちの方が、私はましだったかもしれないね。
ないものねだりで人を羨んで、いつだって私は独りぼっち。
友達はいてもあの人はいない。だれと遊んでもあの人はいない。
あの人と一緒じゃなくっちゃ、何も、何もできないのに。
そんなことばかり言っているのも、だってそれはあの人が。
……これ以上は言いたくないから言わないけれど。




