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23~25


 人生 ~たった一度を楽しもう~


 そう言われてしまうと私としては苦笑いを浮かべるしかなくなってしまうけれど、これでも楽しんでいたつもりではあるのよ?

 楽しかった。楽しんでいた。

 むしろそればかりで、貴重さを理解していなかったというくらい。

 君と一緒にいられる時間を、もっと大切にできていたなら。

 約束だって信じていたけれど、夢の中ならば叶う希望ではあったけれど、それでも現実に勝るものではない。

 だから少しだけ思ってしまうところもあるんだ。

 もし君を悲しませることになっても、一緒に苦しむことになっても、君のことを引き留めることができていたならってね。



 運命 ~避ケラレナイ運命ナドナイ~


 運命に従ってみるのも悪くないと思うのだけれどね。

 それに、それも運命だったと考えてみると、やはり運命を避けるというのは無理な話じゃない? だってだれも本来の運命を知らないのだから。

 もし運命だと思っていたものがあって、どうにかその状況を打破したとしても、そうすることこそが運命だったとしたら、運命に従っただけということになるわけだ。

 運命は避けられない、そうなるでしょ?



 汗 ~努力は影でするものです~


「努力なんて人に見せたもん勝ち。人に見せてこそそれは努力となる。そういうものじゃないの?」

「強がらなくていいよ。本当は影で滅茶苦茶努力しているの知ってるし」

「うるさいわね。見えている努力があるとしたら、それはわざとに決まっているじゃないの。それ以外で、努力を見たことがないのにできていると思える何かがあるとしたら、それは私の才能よ」

「うん、天才肌な人なのも知っているからそう言われると困るな」

「勝手に困って頂戴。私の言葉に嘘はないのだから。嘘吐きの君とは違っているのよ」

「嘘吐きの君って、変な名前を付けないでくれよ。源氏物語なら定着させられちゃうぞ」

「夕顔の君を馬鹿にしてるわけ? 日本文学に憧れて来日したって聞いていたのだけれど、がっかりだわ」

「源氏物語を読んでないのがバレバレなチョイスだな。というか、来日してないから」


「死んでから、随分とジョークが増えたね。まさかアメリカ人の血が入ったんじゃ……」

「アメリカンジョークを言った覚えはないわ。それに、年齢が近付いたから言いやすくなったというのもないではないけれど、前から私はこんな感じだったでしょうよ」

「うん、まあ、前からこんなではあった」

「でも悪くないわね。アメリカンなジョークをちょっと取り入れてみるわ。私の無駄な努力、ちゃんと見てなさいよ」

「はいはい」



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