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虹色 ~濁ってしまった色~
「赤と青を混ぜたら、何色になると思いますか?」
無垢な彼女は迷わなかった。
「それくらいわかるさ。赤と青なんだから、赤青だろ!」
「じゃあ、赤橙黄緑青藍紫、この色を混ぜたらどうですか」
今度は少しだけ迷ってから、彼女は言った。
「知ってら。虹色っていう、いろんな色でできる色があるって」
笑顔はまっすぐだった。
来世 ~縄文の恋心~
一度は死んだとしても、もし僕と彼女が運命によって結ばれているのなら、来世でも会えることになるかもしれない。
それは夢のある話だ。
神様が幸せな僕を来世でもまた幸せへと導いてくれるように、僕はきっと一生懸命努力して、他人のために尽くさなければいけないのだろう。
自分のために、神様にアピールしようと思って、他人のために尽くすのはいけないことかもしれない。
それでもどうか神様、僕を助けてください。
彼女ほどまっすぐじゃないかもしれないけれど、って、僕には彼女がいるじゃないか!
迷いなく彼女が素敵な人だから、彼女の願いを叶えるという形で、僕の願いも一緒に叶えてくれるのではないだろうか。
だって僕と彼女の願いは同じだから。
「ちなみに、来世でもきちんと巡り合えたのですか?」
「なんのごとだ? 何を言っちゃるがさっぱりじゃけんが、とっかくおめらが幸せそうでよかな。おらたっちゃ幸せしかね」
手を繋いだ二人の姿に、巡り合えたのだと僕は確信した。
僕たちも巡り合えるだろう。
また月の魔法が僕たちを導いてくれる。
勇気を出した僕たちを助けてくれる。
また、また巡り合える。
それなら何も怖くない。僕たちが恐れるものはない!
恐怖 ~強くなれずに弥生の時を~
一人でいるのは楽だ。
彼女と一緒にいるときの方が僕は幸せだが、そんな彼女が傍にいてくれる僕だって、一人でいるときの方が楽なのは確かだ。
逃げているのは、楽だ。
本を読むのは好きだったから、本の世界は魅力的だったから、それほど楽で楽しいことはなかった。
努力しなければならないし大変なことだってあるけれど、そっちの方が間違えなく幸せだって僕は知っている。
僕の努力なんて、大したものではないかもしれないけれど、家から逃げ出したんだ。
扉を叩いた。
「世界は広いですよ。外には、夢があります。月を見たことがありますか? あれは美しいですよ、文字列とは違っていました、美しかったですよ」
反応はないかと思ったのだけれど、扉を叩き返してくれた。
「さすがに月くらい見たことあるよ」
部屋の中から小さな声があった。
驚きである。
「満月ですよ?」
「それくらい見たことがあるって」
本当に驚きである。
それを知ってどうして外に出ないでいられるのだろう。




