8.ファンタジー小説などの冒頭、謎からの解説
おそらくこの話は、設定をゴリッゴリに固めてるファンタジー小説、SF小説を書く人向けです。(SFは読まないから正しいことは分からんけど)
大半のなろうユーザーはそもそも、軽い設定の小説が好きです。隙間時間に脳死で読める小説が好きです。タブン。
それでも!!
『複雑な設定だけどどうか読んでほしいの!』
って言いたい人向けです。
世界観がめっちゃくちゃ簡単で、3行か4行で説明が終わるような世界観なら、どんどん冒頭に書いてください。なんの問題もありません。その他、このページを読む必要はほぼほぼありません。
わたしみたいに、【ゴリゴリの世界観だけどなんとか読者に分かりやすいと思わせたい】という人が参考にしてくださいね。
それでは行ってみよー。
[私の意見です!!!!]
[正しくない!!!]
[私を尊敬してる人が読もう!!!]
(うるさくてごめん)
①冒頭に説明はちょっと微妙。オリジナル用語の頻出する冒頭はやめましょう。
②何でこうなってるんだろう?と思わせるストーリーを冒頭に
③いきなり行動を起こす冒頭は楽しい?
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①冒頭に説明はちょっと微妙。オリジナル用語の頻出する冒頭はやめましょう
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ファンタジー小説を書く場合、設定用語や固有名詞を冒頭からバンバン使うのはやめましょう。世界観の説明を最初からやるのもやめましょう。
あ、でも、これも分かってる人はやっていいですからね。分かっててやる分には問題ないのです。ただ嫌いな人が多いんじゃないかなーという話です。
例えば、
500年前から、プルガリア帝国はハイル王国と戦争を続けていた。というのも、プルガリア帝国が葡萄酒の専売をしたいと言い出したのだ。ハイル王国の王様、カイマール四世はそれに激怒し、王国軍を差し向けた。
プルガリア帝国は帝国内の魔女たちに声をかけ、全面戦争が始まった。
魔女たちはプルガリア帝国にも存在していたが、ハウール大陸ならばどこででも見つけることができる。魔女は魔法を使うが、それにはリクシュール学校に通って魔法を学ぶ必要があるのだ。
とか、そんな感じかな。
ちょっと想像力がなさすぎてマジでテキトウに例文書いたんですけど、こういう歴史みたいな話を冒頭に持ってくるのは本当にやめた方がいいです。
あと、固有名詞が多すぎて死にます。
▲いきなり説明は絶対に悪手です▲
(悪手じゃありません。こういう小説でも私楽しんで読んでます)
説明から入るんじゃなくて、ちゃんと【物語】から入りましょう。行動から入りましょう。何か起こってる感じでスタートしましょう。
歴史が好きな人はたしかにいます。日本の歴史や世界の歴史なら興味があるでしょう。
でも見ず知らずの世界の歴史なんて、興味あるの、作者だけです。(そんなこともないです。冒頭から悪魔がいる世界観の説明してくれるなら、私は喜んで読みます。私は悪魔とヴァンパイアが大好きです)
これが中盤に出てくるならいいんです。だってその頃には、読者もその世界が好きになっているから。その世界が好きなら、その世界の歴史を知りたいと思うかもしれません。だからいいです。
でも冒頭は絶対にダメ。(いいよ!)
世界観が分からないと話についていけないよ~なんて甘い発言はしてはいけません。とにかく頑張って、「何も知らない読者」でも読める冒頭を書くのです。
(まぁ本当に、とにかくなんでもいいから読者を呼び込みたいと思ってるなら、やめた方がいいような気はする~? 気はするだけ)
まあこの辺は、冒頭に世界観の説明を入れても流行ってる小説とか、一般的に見て面白いと思われてる小説もあると思います。あと、短ければなんてことありません。
あとは、みんなが気に入るような世界観なら、どんどん自慢すればいいんですよ。読者を厳選したい時とかも有用です!!
例えば悪魔が好きな読者を呼び込みたいなと思ったら、冒頭から「悪魔のいる世界を魔界といって、」とかって始めた方がいいに決まってます。私は読みますからああああ!!!!
むしろ私のために、「悪魔のいる世界を魔界といって」で始めてください。その小説あったら読みに行くんで。ぜひ。最初から世界観の説明バンバンしてください。ヴァンパイア(男)でもOK!!!!
(あ、これでガチで来られたら困るから一応言っておくんですけど、私めちゃくちゃ悪魔とかヴァンパイア好きですか、好きな分こだわりがかなりあるので、ダメな小説はダメです。だから絶対読むとは言えません)
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②何でこうなってるんだろう?と思わせるストーリーを冒頭に
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魔法(複雑じゃない魔法)とか、ドラゴンとか、そういう話なら読者も知ってます。それらを使って、難しい説明は抜きに、まずは物語の中に入り込ませるんです。
「何でこうなってるんだろう?」
と読者に思わせたあとで、説明するのが一番いいやり方だと思います。
例えば、まぁうまく出来ているかは置いといて、私の小説では冒頭から海戦が始まります。
シャーク海賊団っていう海賊たちと戦うんですけど、地の文の途中で、
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シャーク海賊団が強い理由は、それだけじゃない。
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みたいなことを書いてるんですね。
主人公たちの海賊団は、シャーク海賊団に怯えているんですよ。「強すぎる! どうしよう! やばい!」って、慌ててます。
そう書かれると、「なんてシャーク海賊団は強いんだろう?」って思いません?
──あ、思いませんか、そうですか。すみません。
ハイ。
思ったことにしてください。何もないよりは思うと信じてます。ハイ。
とにかく、こうやって最初に『たしかになんで強いんだろう?』『この時何が起こったんだろう?』って思わせるのが大切です。
【疑問を持つから、その続きを読みたくなるのです】
その理由が知りたくなるのです。
理由として、設定を説明するのです。
例えば、物語の冒頭(第1話)が、
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俺はヴァンパイアだ。だから人間の血を吸う。ヴァンパイアの息は~~で、〇〇という特徴がある。だから俺たちはいつも狩りをする時、最初に××をするんだ。
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なんて始まるよりも、
まず主人公が吸血してるシーンを入れた方がずっと面白いと思います。(個人の価値観があります。私なら主人公(男)がヴァンパイアだと分かればなんでも面白いです)(※なんでもとは言ってない)
冒頭がこんな感じに始まるのです。
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俺は目の前の女の肩をガッと掴んだ。女が叫び声を上げる前に、彼女の口を手で塞ぐ。
「すぐ終わるから、さ」
囁く声でそう言って、掌を外した。ふっと息を吹きかける。彼女は俺の腕の中で気を失った。
そして俺は彼女の白い首筋に唇を近づけ────。
血を吸った。
俺はヴァンパイアだ。
ヴァンパイアの息は相手を気絶させることができる。
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わあ、ガチで書いてしまったよ。この主人公かっこよ過ぎないか? イケメンですね、絶対。
ゴホンゴホン。取り乱しました。
ハイ。
とりあえずこっちの方が面白くありません? 面白くないですか、そうですか……。
いやいいんですけど!!! とりあえずでも、ヴァンパイアならすぐにバレちゃいますけど、他の設定のときなんかも、こうやって先に行動を起こすといいですよ。
行動を起こしたあとで、「なんでそうなったのか?」解説をすると、みんな読んでくれます。──と、思います。
まず最初に設定を説明するのではありません。
▲設定を説明せざるを得ない状況を作り出す▲
状況を作り出し、読者に「何が起きてるか知りたいよ! なんでこうなってるのか知りたいよ!」と思わせるのです。
いきなり設定の話なんてされても面白くないです。読者が読みたいのは【設定】ではなく【物語】なんですよ。
ちなみにこれは、物語の途中にも言える話です。基本、【謎の行動、事件】→【解説】のほうが楽しめますよ。
中盤になれば、世界観を気に入ってる人がいるので、普通に解説しても問題ないことも多いと思いますけどね。
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③いきなり行動を起こす冒頭は楽しい?
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そうそう、冒頭と言えば。
いきなり情景描写で入るのも悪手だと思います。(悪手じゃないよ) いきなり情景描写なんてつまんないような気がします。(つまんなくないの読んだことあるよ) 例えばさっきの例ですが、
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街灯が照らす街角。白銀の月が夜空にかかっている。風は冷たく、俺はブルリと肩を震わせた。目の前に歩くのは白いワンピースを着た女。おそらく会社帰りか何かだろう。
女の影が街灯の下で伸びて──、消える。
──ふむ、やるか。
俺は一歩ずつ歩いていく。抜き足、差し足。
そして女の肩をガッと掴んだ。女が叫び声を上げる前に、彼女の口を手で塞ぐ。
「すぐ終わるから、さ」
囁く声でそう言って、掌を外した。ふっと息を吹きかける。彼女は俺の腕の中で気を失った。
そして俺は彼女の白い首筋に唇を近づけ────。
血を吸った。
俺はヴァンパイアだ。
ヴァンパイアの息は相手を気絶させることができる。
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これはまぁまぁつまらないのでは……?
いやでも例が良すぎて(自画自賛)面白そうですね笑。
わたしならこのまま読みますわ笑。いやでもまぁ、これくらいの情景描写ならいいんですけど、とにかくダラダラ地の文を続けるのはよくないと思ったのです……。
でも、うまい人はたくさんいますからね。考え方はそれぞれです。最初に場面の状況がわかっている方が、色々と想像しやすいというのはありますね……。うんうん。
しかも、唐突に物語が始まるのが苦手っていう人もいると思います。そうするとこの話は全然間違ってますね!!!
これは蛇足でした!! でも消すのがもったいないのでこのままにしておきます!!!