3.文章を短くしよう、要素は二個まで
読みやすい文章を書きたいのなら、要素を意識して【短くしましょう】。
小説サイトを携帯で見た時に、一文が三行に渡っていたらもう【長い】です。意識して、文章を切ってください。
例えばそうだなぁ。
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彼女は辺りを見渡して男を発見すると、彼の方まで駆けていき、男の着ているコートを思いっきり引っ張って声を荒らげて言った。
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めっちゃなげーーーー!!
こんな文章初めて書いたああああ!笑
はい。
まぁ、普段からこういう文章を書いてる人は何も違和感を感じないのかもしれませんが、このエッセイ的には【読みづらい】です。
こうしてください。
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彼女は辺りを見渡して男を発見すると、彼の方まで駆けた。男の着ているコートを思いっきり引っ張り、声を荒らげて言った。
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こっちの方がずっと分かりやすくありませんか? あとはそうだな。
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1998年からずっと工事をしている川端祐希が手掛けた最先端の技術を使ったマンションの下で、昨日高校生になったばかりの櫻井弘樹はこの前知り合ったばかりの淡い白色のワンピースを着た少女と手を繋いで立っていた。
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ハアアアア!!やばい!!自分で書いててムズムズする!!笑
はい。
これの何が分かりづらいか。まず「、」が少なすぎる。大体、20~30字で一つは「、」を使ってください。
さっきの文章、「、」を増やしてみましょう。
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1998年からずっと工事をしている、川端祐希が手掛けた、最先端の技術を使ったマンションの下で、昨日高校生になったばかりの櫻井弘樹は、この前知り合ったばかりの淡い白色のワンピースを着た少女と、手を繋いで立っていた。
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まあ、少しはマシになりましたね。でも、分かりづらいことには変わりないかなあ……
この例文は、
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副詞句
(1998年からずっと工事をしている川端祐希が手掛けた最先端の技術を使ったマンションの下で、)
主語
(昨日高校生になったばかりの櫻井弘樹は)
補語
(この前知り合ったばかりの淡い白色のワンピースを着た少女と)
述語
(手を繋いで立っていた。)
──────
こうなってるんですよ。
文章というのは、こんな感じで、どれもこれも品詞に分解できます。実際には「主語」じゃなくて「主部」というんですが、難しい話は置いておきましょう。
とにかく、このそれぞれの品詞が長すぎると分かりづらいんです。一つの単語に装飾しすぎなんです。
本当ならば、これでいいんです。
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副詞句
(あるマンションの下で、)
主語
(櫻井弘樹は)
補語
(少女と)
述語
(手を繋いで立っていた。)
──────
めっちゃ分かりやす~~。
分かりやすさを求めるなら、さっき長々付いていた装飾は、あとで書けばいいです。一つ一つ、分けて書けばいいんです。一気にまとめて書こうとしちゃダメです。
例えば、
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副詞句
(1998年からずっと工事をしている川端祐が手掛けた最先端の技術を使ったマンションの下で、)
──────
『マンション』という単語に対して、
1998年からずっと工事をしている川端祐が手掛けた最先端の技術を使った
っていうのが全て修飾語なんですね。
長すぎます!!
今回は『マンション』に対する情報が、
・1998年からずっと工事をしている
・川端祐希が手掛けた
・最先端の技術を使った
三つもあるんですよ。しかも、主語と述語が入った修飾語。
さらこの例文の何が読みづらいって、こんな感じで全てが長く装飾してあるんですよね。こう直しましょう。
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1998年からずっと工事をしている川端祐希が手掛けた最先端の技術を使ったマンションの下で、昨日高校生になったばかりの櫻井弘樹はこの前知り合ったばかりの淡い白色のワンピースを着た少女と手を繋いで立っていた。
↓
あるマンションの下で、櫻井弘樹は少女と手を繋いで立っていた。このマンションは川端祐希が手掛けたもので、1998年からずっと工事をしている。最先端の技術を使っているらしい。
櫻井弘樹は、ついこのあいだ高校生になったばかりだ。隣の少女は淡い白色のワンピースを着て、静かに微笑んでいる。
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まぁ、おそらくマンションの説明なんてどうでもいいと思うんですけどね……。もしも必要なら、こうやって書こうねっていうお話です。マンションのこと、少女のこと、主人公のこと、バラバラに説明していけばいいんです。
とにかく、【文章は分けましょう】。
一文の中に、二つの要素を書くくらいがちょうどいいです。こういうことです。
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《修正前》
1998年からずっと工事をしている川端祐希が手掛けた最先端の技術を使ったマンションの下で、昨日高校生になったばかりの櫻井弘樹はこの前知り合ったばかりの淡い白色のワンピースを着た少女と手を繋いで立っていた。
→
①1998年からずっと工事をしている
②川端祐希が手掛けた
③最先端の技術を使った
④マンションの下で、
⑤昨日高校生になったばかりの櫻井弘樹は
⑥この前知り合ったばかりの
⑦淡い白色のワンピースを着た少女と
⑧手を繋いで立っていた。
【一文の中に要素は8個!】
《修正後》
あるマンションの下で、櫻井弘樹は少女と手を繋いで立っていた。このマンションは川端祐希が手掛けたもので、1998年からずっと工事をしている。最先端の技術を使っているらしい。
櫻井弘樹は、ついこのあいだ高校生になったばかりだ。隣の少女は淡い白色のワンピースを着て、静かに微笑んでいる。
→
①あるマンションの下で、
②櫻井弘樹は少女と手を繋いで立っていた。
①このマンションは川端祐希が手掛けたもので、
②1998年からずっと工事をしている。
①最先端の技術を使っているらしい。
①櫻井弘樹は、ついこのあいだ高校生になったばかりだ。
①隣の少女は淡い白色のワンピースを着て、
②静かに微笑んでいる。
【一文の中に多くて要素は2個!】
《修正前》
彼女は辺りを見渡して男を発見すると、彼の方まで駆けていき、男の着ているコートを思いっきり引っ張って声を荒らげて言った。
→
①彼女は辺りを見渡して男を発見すると、
②彼の方まで駆けていき、
③男の着ているコートを思いっきり引っ張って
④声を荒らげて言った。
【一文の中に要素は4個!】
《修正後》
彼女は辺りを見渡して男を発見すると、彼の方まで駆けた。男の着ているコートを思いっきり引っ張り、声を荒らげて言った。
→
①彼女は辺りを見渡して男を発見すると、
②彼の方まで駆けた。
①男の着ているコートを思いっきり引っ張り、
②声を荒らげて言った。
【一文の中に要素は二個!】
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修正後は、一文が二つの要素に分かれてますよね? 多くて二つ、少なくて一つです。
修正前は、全部で四つとか八つも要素があります。一文の中に四つは多いです。どんなに多くても三つが限度です。
また、小説サイトを携帯で見た時に一行以上長くなるなら、「、」を使いましょう。20~30字で「、」を一つ使うくらいが、私的にはちょうどいいです。
特に【要素ごとに】「、」を使うと分かりやすいですよ。
たまに、頑としてでも「、」を使わない人いますよね……? そういうこだわりは捨てましょう。「、」は大事です。
あんまり「、」が多いのはおかしいですが、私は今まで多すぎる文章は見たことがありません。基本みんな少なすぎるか、丁度いいかくらいだと思うので、意識して「、」を使ってみてくださいね。
【「、」を増やし、一文を短くする】
たったこれだけで、文章の読みやすさはずっと変わりますよ。