2.文章作法、おそらく一般論
一般論と書きましたが、あくまで「私的に一般的にこのルールは守っておいた方がいんじゃね……?」って思ってることです。個人の価値観があります。
よくある文章作法のお話です。
私が小説を読む時は、以下の項目に関してはほとんど気にしません。ライトノベルですから、自由に書けばいいと思うのです。改行も字下げも、なくても小説として成り立ちます。
なくても、面白い小説、読みやすい小説もちゃんと存在します。私も知っています。
で! す! が!
これらのルールを守っていた方がみんなに【読みやすい】と思われるのはたしかです。
また、これらのルールを破っていて「読むのやめよ」と思われることは多々ありますが、守っていて「読むのやめよ」と思われることはほとんどありません。
なので、こだわりを捨てて「とにかくみんなに読みやすいと思われたいんだ!」という人は、必ず以下のルールを守った方がいいと思います。
①段落ごとに一字下げをする。
②「」の会話文の最後には、「。」を取る。
③ダッシュ「―」や「…」は、偶数個使う。
→「……」や「――」の乱用は禁止
④「!」と「?」の後ろには全角の「 」を一つ空ける。
⑤会話文の最後に「笑」とか「w」、「草」とかは使わない。顔文字もダメ!
※⑥「!」と「?」は、一個ずつにする。「!?」は大丈夫。
※⑦「♪」や「☆」などの記号は使わない
⑧「」の中で「」を使わない。
それでは詳しく説明していきます。
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①段落ごとに1字下げをする
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例えば、こういうことです。(拙作『愛した人を殺しますか?――はい/いいえ』引用)
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《修正前》
ラムズ・シャーク。
長いコートのボタンにゴールド、耳のピアスはダイヤモンド、大きく空いた胸元にはサファイアのネックレス、腰のベルトは────。
数々の宝石を身にまとった彼こそ、『海賊の王子様』であった。
"王子様"の名前に相応しく、ラムズは他船の船長よりも大分若く見える。歳は20前後。髭はなく、海賊にしては清潔感のある見た目だ。細身の身体だが背は高く、死んだ魚のような眼でジウを見ている。
ジウはぷくりとした唇をすぼめ、不満そうに声を漏らした。
「だから大丈夫だってえ。今度はさっきみたいにならないから。初めてじゃん、あんなこと」
「ああ。分かってる」
《修正後》
ラムズ・シャーク。
長いコートのボタンにゴールド、耳のピアスはダイヤモンド、大きく空いた胸元にはサファイアのネックレス、腰のベルトは────。
数々の宝石を身にまとった彼こそ、『海賊の王子様』であった。
"王子様"の名前に相応しく、ラムズは他船の船長よりも大分若く見える。歳は20前後。髭はなく、海賊にしては清潔感のある見た目だ。細身の身体だが背は高く、死んだ魚のような眼でジウを見ている。
ジウはぷくりとした唇をすぼめ、不満そうに声を漏らした。
「だから大丈夫だってえ。今度はさっきみたいにならないから。初めてじゃん、あんなこと」
「ああ。分かってる」
*******
これで分かってもらえましたかね? 改行したら全角で を開けるということです。
どんなに文章が短くても、改行したら文頭は一マス開けましょう。
また、会話文「」は一文字開けない方が私は読みやすいと思っています。(少なくとも書籍化した小説は私が読んだ中では開けてなかったです) つまり、以下は違う書き方です。
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《例文》
ラムズ・シャーク。
長いコートのボタンにゴールド、耳のピアスはダイヤモンド、大きく空いた胸元にはサファイアのネックレス、腰のベルトは────。
数々の宝石を身にまとった彼こそ、『海賊の王子様』であった。
"王子様"の名前に相応しく、ラムズは他船の船長よりも大分若く見える。歳は20前後。髭はなく、海賊にしては清潔感のある見た目だ。細身の身体だが背は高く、死んだ魚のような眼でジウを見ている。
ジウはぷくりとした唇をすぼめ、不満そうに声を漏らした。
「だから大丈夫だってえ。今度はさっきみたいにならないから。初めてじゃん、あんなこと」
「ああ。分かってる」
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会話文以外の地の文は大丈夫ですが、「」の会話文の前に、1マス空欄がありますよね?
これにすると、スマホユーザーの人は下がズレて読みづらくなります。
ただ、会話文にも空欄を空けているにも関わらず、読みやすい文章は存在します。私も知っています。
例えば、私のお友達のVibちゃんという方が書いている、なろうサイトの『魔女がいない森と落としモノ』という小説は、会話文も字下げしています。でも、めちゃくちゃ読みやすいです。
ただとにかく、これで読みやすい文章にするには、それなりに【工夫をした】文章を書く必要があると思います。
高等テクニックみたいなものだと思ってください。
独自路線を極める方以外は、無難に、【会話文の前は空欄を空けない】方がいいです。少なくとも、この書き方でちゃんと見えやすい文章として工夫している小説以外は、【私は】読みづらいと思っています。
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②「」の会話文の最後には、「。」を取る。
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《修正前》
「だから大丈夫だってえ。今度はさっきみたいにならないから。初めてじゃん、あんなこと。」
「ああ。分かってる。」
「聞いてる? ねえ、ちょっと!」
「あー。」
《修正後》
「だから大丈夫だってえ。今度はさっきみたいにならないから。初めてじゃん、あんなこと」
「ああ。分かってる」
「聞いてる? ねえ、ちょっと!」
「あー」
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会話文「」の最後の『。』は消してください。最後が「ー」の場合も消しましょう。
一応これは消さなくてもいいというルールもあるらしいですが、「あって気になる」人の方が多いんじゃないでしょうか? 「なくて気になる」人は私は見たことがありません。
ちなみに最後が『!』『?』の時は消さなくてokです。
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③ダッシュ「―」や「…」は、偶数個使う。
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書いてある通りです。
―― 2個か、
―――― 4個
くらいが、普段使われていると思います。「……」も同じです。
▲「……」や「――」の乱用禁止▲
たまに「……」を乱用する人がいます。もう本当に、ページを開いて見渡す限り「……」みたいな感じです。
それもやめましょう。
「このキャラは絶対に喋る時に『……』がつくんだ!」みたいなこだわりがあるなら、それはいいです。
ですが、そうではなく、どのキャラも喋る時に「……」が多かったり、地の文でとにかく「……」などを使うのはやめましょう。
!読みづらいからです!
ぱっと見でブラウザバックされるなんて、そんな悲しいことはないですよね? 実際、赤の他人の小説なんで、大体は一ページ目を見て読むかどうか決めてしまうのです。
だから、【見栄え】というのはかなり大切です。
「……」が乱用されてるの、読みづらい
という意見は聞いたことがありますが、
「……」が乱用されてるの、読みやすい
という意見は聞いたことがありません。
なので、どうしてもこだわりたい方以外は、やめましょう。
☆罫線☆
ダッシュ「――」ですが、罫線「──」をダッシュ代わりに使う人がいます。わたしは罫線を使っています。
理由としては、罫線だとほとんど必ず【繋がって見える】からです。ダッシュは、携帯の機種(?)などによって、真ん中が途切れているように見えることが多いらしいです。
ですが、使うのはどっちでもいいと思います。
ただ注意!
必ず、どっちを使うかちゃんと決めてください。統一してください。
もしかしたら、あなたの携帯、パソコンではダッシュも罫線も全く変わらない見た目に見えるかもしれません。でも、他の人の携帯では違って見えます。現に、私には違って見えています。
なので、ダッシュ「――」なのか罫線「──」なのか、ちゃんと決めてから使ってくださいね。同じ小説の中で統一してください。
あとは、間違ってもカタカナの棒「ーー」とかをダッシュ代わりに使うのはやめましょう。
携帯やパソコンのどこにあるのかが分からない人は、下をコピーしてユーザー辞書なりなんなりに登録して使ってくださいね。
ダッシュ
――
罫線
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④「!」と「?」の後ろには全角の「 」を一つ空ける。
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書いてある通りです。
特に会話文「」のときにそうしてください。
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《修正前》
「お前!どっか行けって言っただろ?!何してんだよ!」
《修正後》
「お前! どっか行けって言っただろ?! 何してんだよ!」
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⑤会話文の最後に「笑」とか「w」、「草」とかは使わない。顔文字もダメ!
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これはもう絶対にやめた方がいいです。
これが嫌いな読者さんはかなり多いです。私もあまり好きではありません。
いくら小説の内容が面白くても、これがあるだけで読むのをやめるという方がいるくらいです。使い方としては、たぶんこんな感じです。
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「おいおい、何してんだよ!w」
「うっせーな!笑笑」
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みたいな感じですかね?
とりあえずやめましょう。こういうのは、地の文で、
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たけしは唇を歪ませて笑った。
「おいおい、何してんだよ!」
「うっせーな!」
ひろしはたけしの言うことが冗談だと分かっていたのか、からかいを含んだ声で返す。
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みたいな、こんな感じで頑張ってください。例が下手くそで本当にすみません笑。
ちなみに、このエッセイはエッセイなので「笑」を使っています。ないと面白くなさすぎるかなと思ったんですよ……。
本文に、顔文字(*^^*)とか(´;ω;`)とかを使うのは、言語道断……だと思います。ぶっちゃ見たことないんですけど……。とりあえずやめましょう。
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※⑥「!」と「?」は、一個ずつにする。「!?」は大丈夫。
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※を付けたのですが、これはまぁ、そこまで気にしなくても大丈夫です。少しくらい二個ずつ使っても問題はないでしょう。でも、毎回二個だとちょっとウザイと思う人もいるかもしれません。
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「おい!!」
「なんだよ?!!! うるせえな!!!」
「だからさぁ!!! そういうの、やめろって言ってんじゃねえか!!」
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うるさくないですか……?
ここぞという時だけ二個とか三個使うのはアリだと思いますが、普段はなるべく一個にしたほうが無難です。
ちなみに、半角を使うというやり方もあります。「!!」とか、「!?」とかですね。「!!!!!!」とかです。それだとうるささは減るかも……?
でも、あんまり半角を使ってる人は見ないので、やめた方がいいんですかね……? 私には分かりません。私は使ってません。
また、わざとこの「!!」を多くして書いてる小説を私は知っています。そういうこだわりをもって書いてるならば、何も問題はないと思いますよ。
このエッセイはあくまで【文章に関するこだわりをほとんど捨てて】読みやすい文章を目指す、っていうスタンスなので……。
また、私のこのエッセイを読んで【読みやすくないことは知ってるけど、知ってる上で】書くのは、全然問題ないです。
大事なのは、【知っているかどうか】です。知っている上で、どうすべきか選択すればいいのです。
特に今回のお話はおそらく【一般論】なので、それを聞いた上でご自身で判断してくださいね。
ただ、【※】以外は、あんまり【一般論】から逸脱しない方がいいのは確かです。
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※⑦「♪」や「☆」などの記号は使わない
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これも、嫌いと思う方が一定数いるとは思います。
ただ、「あるキャラクターの性格を特徴付けるために使う」などの理由があれば、いいかもしれませんね。
つまり、ある女の子は必ず語尾に「♪」が付く、みたいな感じです。「ニャン」が語尾につくのと同じような話です。
それ以外にも、歌っていることを示すために、
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彼女はステージの上に立った。観客席を見下ろす。マイクを手に取って、凛とした声で歌いはじめた。
~♪
彼女の視界には、体を揺らす観客。音と楽器の演奏が一帯となって会場を包む。
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みたいに使うのはアリかもしれません。私はやりませんが……!
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⑧「」の中で「」を使わない。
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《修正前》
「お前さ、昨日「明日晴れだよー」って言ったじゃねえか!」
「あれ、そうだっけ……。けど、この「天気予報アラーム」がそう言ってたんだって!」
《修正後》
「お前さ、昨日『明日晴れだよー』っていってたじゃねえか!」
「あれ、そうだっけ……。けど、この『天気予報アラーム』がそう言ってたんだって!」
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会話文の中で、「」を使うことはあります。誰かが話した言葉、とかですね。あとはまとめるために使うこともあります。「天気予報アラーム」というのはオリジナル用語のつもりです笑。
こういうオリジナル用語や、誰かの発言を「」内に入れる時は、『』を使いましょう。
とにかく、「」の中に「」があると分かりづらいのです。上を見れば一目瞭然ですよね? やめましょう。
過去の発言を入れる時は『』を使った方がいいです。以下の感じです。
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わたしはふっと目の前が真っ暗になった。どうしたらいい? 怖い。膝を抱えてうずくまった。その時、脳内に懐かしい声が聞こえた。
『ゆかりは独りじゃないよ。私がいるんだから』
死んだ姉の声だ。
うん、大丈夫。私ならきっとやれる。
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こんな感じですね。即興でこの修正前作ったんですけど凄くないですか? いや凄くないですね、ハイ。すみません笑。
こんな感じで、【現在話してるわけじゃない】ことは、『』を使いましょう。
他にも、電話の相手や、脳内に直接響く声(テレパシー魔法とか)のときも、『』を使うと分かりやすいですね。
今回のお話、ルールとして絶対に守らなきゃいけないことと、一般ルールとしてもどっちでもいいと言われていることがあるらしいです。
例えば、会話文の最後に「。」を置く置かないの話などは、ルールとしてはどっちでもいいらしいです。他にも、どっちが正しいか分からない話はあると思います。
なので、「私的には、こうした方がなろう界隈では受け入れられるんじゃね?と思う」みたいなニュアンスで書きました。正しいルールではないかもしれないので、各自詳しいところは調べてみてくださいね。
《修正前》として出した例文も、別に一般的に間違っていると言うつもりはありません。一般的にどうなのかは私も定かではありません。
【私の中では】これが一番なろうで受け入れられやすいんじゃないかな?と思っているに過ぎません。