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14.伏線は物語を繋げるもの。伏線の種類①

 伏線についての話をします。


 これはリクエストを貰ったから話すんで、あんまり【分かりやすさ】とか【読みやすさ】とは関係ないかもしれません。

 ‎あと、伏線は下手くそな貼り方をすると【分かりにくい小説】になると思います。回収の仕方も。



 とりあえず私なりに、伏線について語ってみます。でも私は別に伏線貼るのは得意じゃないし、伏線について特にめちゃくちゃ誉められたとかいう経験があるわけでもないので、あんまり期待しないでくださいね……!


 でも、死ぬほど頑張って書いたので、読んでくれると嬉しいです。あと感想くれるとめっちゃ嬉しいです……。


①伏線がなくても小説は成り立つ。伏線は物語を繋げるもの。

②伏線は3種類×2種類ある。


──────────────────────

①伏線がなくても小説は成り立つ。伏線は物語を繋げるもの

──────────────────────


 伏線は小説で必ずしも必要なものではないと、私は思います。


 そもそも伏線は何のために貼るのか?


 【物語を繋げるため】


 です。


 伏線がないと、物語がつながらないんですよ。全部唐突になっちゃうんです。



 例えば、めっちゃ大食いのキャラがいたとしますよね。でも、その「大食い」であることは隠しておくと。


 第10話で彼が大食いであることが明かされるけど、それまで全く「大食い」であることの伏線を貼らないとします。そうすると、読者は第10話で「このキャラは大食いでしたー」

 って言われても、「へえ、そうなんだ」っていう感想しか抱かないことになります。まあ貼っててもそれしか抱かないかもしれないけど笑。


 じゃあ貼るとしたら?


 例えば第5話で、キャラみんなでご飯を食べているシーンがあったとしますよね。

 そしたら大食いキャラは①【みんなより早く食べ終わる】と思いませんか?


 もちろんそれぞれ個性はあるかもしれないけど、一般的に思い浮かぶ大食いのイメージって、【人よりちょっと食べるのが早い】と思います。だってじゃないと、みんなが食べ終わってもずうっと食べてることになっちゃうから……。

 他にも、もし【お代わりができない状況】なら、大食いキャラはどうすると思います?


②【早く食べ終わって、他のキャラのご飯を物欲しそうに見る】 


 と思いません???

(これは一般論ですよ。私の大食いキャラは違う!とか言わないでくださいね笑。そのほうが個性があって素敵だけど、今回は一般論でいきます)


 ▲この①と②が伏線になるわけです▲


 この①と②があると、彼が大食いだとネタバレしたときに、

 読者は【だからあの時!】って思うんです。



 これが、【繋がりを持たせる】ってことです。



 第5話のご飯を食べるシーンと、第10話のキャラが大食いだとばれるシーン、繋がりませんか?

 キャラが、【一貫性を持っている】と思いませんか?


 だって本来、【大食いキャラなのにみんなと同じスピードで食べてたら】変じゃありません?

【物欲しそうに見てなかったら】変じゃありません?


 これだけじゃないです。たとえば【喘息持ちの女の子】っていう隠してることがあったとしたら、みんなで山登りに行ったら【一人だけ息が辛そう】ですよね。

 そうじゃないと変ですよね?

 【一人だけ息が辛そう】な第5話と、【喘息持ちだった!】とバラした第10話、繋がりますよね??



 こんな意見が聞こえてきそうです。


「一人称視点の文章で、主人公が、大食いキャラのことそんなに注目して見てなかったんだよ! 見てなかったら書かないだろ!」

「息が辛いことを女の子がめちゃくちゃ隠してたんだ!!」


 ──はい。

 それも正しいです。


 だから、【書かなくても成立する】んです。



 ただ、書いたほうが物語に【繋がり】ができるんです。

 読者が【ああそうだったのか!】と思うか思わないか、そこはどうでもいいです。気づける読者が気づけばいいんです。


 いわば伏線は【自己満】です。

 だって読者の中には、本当に気づかない人いるもん!!!!!


 とまあとにかく、

 【伏線はなくても成立する】

 だが、

 【あれば物語に繋がりができる。話やキャラに一貫性ができる】

 ものだと思ってください。



 そしてこの話をして最後に言いたかったのは、


 【突発的に書き始めた小説】に、伏線は書けません。


 無理やりそれっぽいのを書いて、あとでつじつま合わせをするというやり方もありますが、少なくともこのエッセイで紹介することはありません。私はそういうやり方では伏線を貼ってないので。


 なので、

【結末を決めてない】

【キャラの性格や種族、過去など、ほぼ全く決めてない】

 で、小説を書き始めた人は、このエッセイを読んでも伏線は貼れません。

 他のエッセイなり、ネットなりで調べてください。



 逆にいえば、

【伏線をどうしても貼りたい人】

【物語やキャラに一貫性、繋がりを持たせたい人】

 は、

【結末とキャラの性格や特徴、過去】を、決めてださい。


 設定やプロットを作れということです。これがやりたくないなら、少なくともこのエッセイを読んで伏線を貼れるようにするのは無理だと思います。




──────────────────────

②伏線には三種類×二種類ある

──────────────────────


 まず、伏線は数字の三種類のうちどれかと、英語の二種類のうちどれかを、それぞれ組み合わせた数だけ存在します。

 ‎

1.気付かれなくていい伏線(もはや伏線とも言えない伏線)

2.あからさまな、気づいて欲しい伏線

3.謎すぎて訳わかんない伏線


A.全体に関わる(クライマックスなど)伏線

B.ほとんどすぐに回収される伏線


 このパターンに分かれます。この中で1&Aとか、1&Bとか、そういう感じですね。


 一つ一つ解説していきます。



1.気づかれなくてもいい伏線

──────────────────────


 これは最大級に【自己満】な伏線です。だって気づかれなくてもいいんだもん……。

 でも、物語やキャラに【一貫性】を持たせたい作者さんは、絶対に欠かせません。そしてわたしは、【この伏線が一番大事】だと思います。(というか、2とか3の伏線はみんなよくやってる。1をやってる人はなかなかいない)


 なぜかというと、読者に【無意識に物語に繋がりを見出してもらえる】と思うからです。

 また、【これがあるからこそ物語が生きている】と思うからです。


 これらは気付かれなくてもいいので、本当に【書かなくても】いいんですよ。でも、キャラが【生きている】以上、物語が【時間の経過とともに進んでいる】以上、【ないと変】なんです。


 この物語が現実にある話だと思わせるためには、欠かせません。ファンタジーだからいらないとかそういう話ではありません。キャラの一貫性や物語の一貫性を保つために、必要なんです。でも、【自己満】です。



 例文行きます。ファミレスで食事中です。


*************

1

 俺は目の前のステーキにかじりつきながら、優斗の話を聞いていた。


「あの先生、本当にうざくねえ? いちいち遅刻の話ばっかり俺に吹っ掛けてきてよう。俺だって遅刻したくて遅刻してるわけじゃないっつーの」

「まあまあ、そう怒んなって」


 俺は真向いに座る優斗に、そう宥(なだ)めた。と、そこで俺の隣に座っていた真美が、小さな声で言った。


「ごめん、ちょっとトイレに行ってきていい?」

「いいよいいよ。席どくな」


 俺はいったん席を外して、奥に座っていた真美を通してあげた。真美の座っていたあたりの机の上には、まだ食べかけのハンバーグが残っている。一番最初に真美の料理が届いたのに、真美ってけっこう食べるの遅かったんだな。


「あー。あのセンコー、今度会ったら殴ってやりたい」

「おい、それはやばいって。やめろよな」

「いや、これはまじで」


 優斗は顔を険しくさせた。彼の刺すような瞳に、友達ながら俺はぞくりと鳥肌が立った。


************


 はい。

 伏線に気づいた人ー?


 なになに?


「優斗のセリフ?」

「刺すような瞳?」


 はい、残念!!ここじゃないです!!!ここ少し怪しそうでしたよね……?


 まあ、ぶっちゃけこんな短文だったら、どこが伏線でもおかしくないか笑


 じゃあもういっちょ。


*************

2

 俺は目の前のステーキにかじりつきながら、優斗の話を聞いていた。


「あの先生、本当にうざくねえ? いちいち遅刻の話ばっかり俺に吹っ掛けてきてよう。俺だって遅刻したくて遅刻してるわけじゃないっつーの」

「まあまあ、そう怒んなって」


 俺は真向いに座る優斗に、そう宥(なだ)めた。と、そこで俺の隣に座っていた真美が、小さな声で言った。


「ごめん、ちょっとトイレに行ってきていい?」


 ──まただ。

 真美、ちょっとトイレ行き過ぎじゃないか? いや女の子の事情って分からないし、こんなこと言うの変態みたいだけどさ。


「いいよいいよ。席どくな」


 俺はいったん席を外して、奥に座っていた真美を通してあげた。

 ふと真美の座っていたあたりの机を見た。

 ──食べかけのハンバーグ。

 一番最初に真美の料理が届いたのに……。


「あー。あのセンコー、今度会ったら殴ってやりたい」

「おい、それはやばいって。やめろよな」

「いや、これはまじで」


 優斗は顔を険しくさせた。彼の刺すような瞳に、友達ながら俺はぞくりと鳥肌が立った。


************



 もう気づきましたよね。


 【真美がトイレに行ったこと】が、伏線でした。


 少なくとも今回は笑。


 というか、1の例文で伏線に気づく必要ありません。

 だってこれは【気づかれなくていい伏線】だから。


 あなたなら、もし小説の途中に1のような感じの文章があったら、【ここ伏線だわ!!!】って思って読みます??


 読みませんよねえ?

 読まなくていいんです。


 これが1の気づかれなくていい伏線です。気づかれたら困ります。怪しんでもらったら困ります。序盤から怪しんでもらうと、【伏線が大好きな読者】が、真美の行動を逐一観察しちゃいます。


 はい、そろそろ気になりますよね。この伏線がなんの伏線なのか。


 これは、真美が【拒食症】であることの伏線でした。


 異論は認めません笑。だって即興で考えたんだもん! ちょっとくらい許して! 拒食症はもっとこうーーーとか、怒らないで!


 でも、きっと大体の人は「あーーーー」って思ったでしょ。

 だった、拒食症の人吐きますからね……。トイレに吐きに行ったってことです。


 もちろん、これだけじゃ真美が拒食症と断言することはできませんよ。

 でも、ゴールが【真美の拒食症】なら、この描写があった方がいいと思いませんか?

 物語、キャラに一貫性が出ると思いませんか?



 真美の拒食症について、どこまで伏線を貼るのかは自由です。つまりどこまで引き延ばすか。



[パターン1]


 ガチガチに伏線にしたいなら、ご飯を食べるシーンをたくさん出して、【真美にそのたびにトイレに行かせましょう】。

 その時は、全部1の例文のように、【それとなく】書くんです。


******

「トイレ行ってくる」

「あいよー」

******


 こんなやり取りだけでも構いません。

 これが何回も何回も何回も続くと、さすがに読者が気づきます。

「真美トイレ行き過ぎじゃね……?」

 って。


 そして、拒食症だとバラしたときに、【あああああ!!!!】ってやるんです。

 一つ一つはめっちゃさり気ないんですよ。【気付かれなくてもいい伏線】なんです。でも、同じことを繰り返したり、【拒食症の特徴】をたくさん書くと、物語にかなり厚みが出ます。



[パターン2]


 でも、【真美の拒食症】が大したネタバレじゃないなら、わざわざ何回も食べるシーンなんて入れなくていいです。そもそも、【真美の拒食症の話のため】だけに食べるシーンを作ることすら、しなくていいです。


 例えばさっきの話、優斗が「センコー殴りてえ」とか言ってましたよね。

 【優斗の話を出すために】あの食事のシーンを入れたなら、単に【拒食症の真美としてふさわしい行動】をさせておくだけでOKです。つまりトイレに行かせる。


 真美の拒食症の話がどうでもいいなら、わざわざ真美のために話を書く必要はありません。単に、【ふさわしい行動】をさせればいいだけです。



 【ふさわしい行動】とは、

 どうやったら思いつくのか?


 【真美が拒食症だって最初から決めてたら】思いつきます。

 おそらく。



 だって拒食症なんだもん。

 小説のキャラになりきって、その状況、それぞれのキャラの考えを理解してれば、【当たり前に】書けるはずです。


 思いつかない人はもうドンマイです。それはたぶん、想像力が足りないんです……。だから、想像力を鍛える勉強をしましょう……。




[パターン3]


 パターン1と似てるんですけど、【真美の伏線が大事】で、【読者にめっちゃ疑問に思ってほしい】場合、


 ここで登場するのが、


2.あからさまな、気づいてほしい伏線

──────────────────────



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