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12.情景・人物描写を読む選択は、読者に委ねる

 前回の話とかなり似てるかもです。


※これも前回と同じく、【地の文が私くらい多い人】向けです。少ない人は真似できないと思います!



 情景描写や人物描写は、読みたい人だけが読めばいいです。【物語】だけが好きな読者[ライトユーザー]は、飛ばしたいのです。


 だから、「読むか読まないかの選択」を読者に委ねると、文章としては分かりやすくなるんじゃないかな、と思います。



──────────────────────

人物描写や情景描写が始まる!って合図を付けられるといいね。人物描写や情景描写オンリーの段落を作ろう

──────────────────────


 人物描写や情景描写が始まるよってことを、明確にした方がいいと、私は思っています。

 ‎


 クッソ長いんですけど、『愛した人を殺しますか?――はい/いいえ』引用します。これは読んでくれると助かります。


***********


① 俺はぎょっとして身体を起こした。そしてもう一度、彼女をまじまじと見た。

② ミティリイルは、身長はおそらく160くらい。シルクハットみたいな薄紫色の帽子を被っている。そこに大きなピンク色のリボンがついていて、その上もレースやら何やらで装飾がついている。まるで不思議の国のアリスとかに出てきそうな感じ。

③ 服は少しゴスロリっぽい雰囲気もあるけど、「ゴス」ってより「不思議系ロリ」? 胸の真ん中に、これまた薄緑色のリボンがあって、そこからぱっくりと割れたようなデザインのワンピースを着ている。


④ そして驚いたことに、彼女はお尻から白い猫みたいな尻尾が生えていて、耳にも大きな白い猫耳が付いている。

⑤ ──つまり何が言いたいかというと、彼女は絶対ヴァンピールじゃない。ヴァンピールがこんな眠そうなはずがない。もっとセクシーなお姉さんじゃねえの?!


「その……嘘か?」

「嘘? 本当だヨ~。信じてくれないノ? じゃあお腹空いているし、またいただこうかなァ」


⑥ ミティリイルはそう言うと、俺の寝ているベッドに足をかけた。そして俺をぽんと押してまた寝かせる。ニコリと笑う。といっても眠そうな顔でできる精一杯の笑み。

⑦ 彼女はゆっくりと口を開ける。真っ赤な口の中で、ギラリと牙が光った。


「それジャア、いただきマース」

 ‎

************



 まず、私的には、①の段落

*****

① 俺はぎょっとして身体を起こした。そしてもう一度、彼女をまじまじと見た。

*****

 で、


【これから人物描写始まるよー】


 っていう合図をしています。

 ‎そして、②~③まで、人物描写のオンパレードです。本来こんなに長く人物描写を書く必要はないんですけどね。


 じゃあなんで書いたか?


 この女の子ミティリイルは、「俺」こと「レオン」という主人公の男の子を襲ったんですよ。

 ‎女の子に襲われるシチュエーションって、やっぱり男の子的には萌えませんか? 

 ‎‎知りませんけど!!! 


 少なくとも私なら、見知らぬイケメンに唐突に押し倒されたとしたら、そのイケメンの見た目、気になります笑。

 ‎どんな見た目なのか、私のタイプなのかそうじゃないのか、めっちゃ気になります。


 そんな感じで、同じ人がいると思ったのです。

 特に[しっかりユーザー]なら絶対読みますしね。[ライトユーザー]でも、吸血鬼の女の子が好きな人なら、容姿も気になるんじゃないでしょうか?



 私と同じ価値観の人がいると思ったから


「レオンを襲ったのはこんな女の子だよ! どう?! 好き?!」


 みたいな感じで、人物描写をたくさんしておいたのです。



 ‎そして、この②~③の段落


 ▲読まなくていいんです▲


 興味がある人だけが読めばいいんです。


 「女キャラって基本私嫌いなのよね~」なんて人は、流し読みすればいいんです。そのために、わざわざ「これから人物描写始まるよ~」って合図をしたのです。

 ‎そして、わかりやすいように段落を設けたわけですね。



 【全部を読まなくていい】からこそ、分かりやすいように段落を分けるのです。

 ‎読みたい人が読みやすくするために、段落を分けるのです。



 ③と④のあいだが一行あいてるんですけど、④はできれば読んで欲しかったから空けたんですよね。


 結局この、①~④で言いたいことって、


ミティリイルは全くヴァンピール(吸血鬼)に見えないよ!?


 ってことだけなんですよ。

 ‎だから、③の所から読んでねっていう意味で、改行をしたのです。

 ‎


 あんまり上手い説明ができないんですけど、とりあえずは、【人物描写】や【情景描写】は、この段落がそれなんだって分かるように書きましょう。(私の書き方を真似する場合のみ)


 同じ段落の中に、違う要素を入れるのは基本やめましょう。(私の書き方を真似ry)

 ‎まぁ、そもそも五行程度の段落にするって決めてたら、違う要素がそんなに入ることはないと思うんですけどね……。

 ‎



 他の例文を出します。


************


 わたしは目をこすって、もう一度部屋の中を見た。間違いない。間違い、ない。これは夢じゃない。


※ ──部屋には、()()()()、なかった。



① わたしは意を決して、部屋の中へ踏み込んだ。

② ダイヤモンド、オパール、サファイア、エメラルド、ルビー、トパーズ、ガーネット────。数え上げたら切りがない。見たことのない宝石もある。


③ 部屋には小さな窓があるだけで、太陽の光がさんさんと降り注いでいるって感じはない。むしろ薄暗いくらいだ。

④ でも、変に明るい。宝石が自分の持つ煌きらめきを最大限に放っているのだ。キラキラするー、なんてもんじゃない。宝石が互いに反射し合っていて、なんだか光に攻撃されている気がする。


⑤ 目が痛くはならないの!?

⑥ ……ラムズは既に、愛おしそうに自分の宝石を眺めていた。


************


 ここで大切なのは、※の段落です。


「部屋の中には宝石しかなかった!」


 この文章で、たった一文で、簡潔に、分かりやすく「どんな情景だったの?!」ってのを書いたんです。


 そして、②~④で、ダラダラ「宝石しかない部屋の様子」を書いたわけです。



 ‎※の文章があることで、読者は【身構える】ことができるんですよ。


「これから部屋の描写するのか! なるほど!」


 みたいな感じでね。

 ‎※の段落は、後ろに書く段落(②~④)の、要約みたいなものです。だって言いたいことは、「部屋の中には宝石しかなかった」ってことだけだから……。



 こういう感じで、※のような段落(一文)を一つ、ババーーン!とのせたあとに、

 ‎細々段落で説明するというやり方はすごくいいと思っています。


 ちなみにこの「ババーーン!」とのせる一文は、前と後ろに一行ずつ改行した方がいいです。えっと……意味わかります?

 

「──部屋には、宝石しか、なかった」

 の文章に注目してください。


************

《例》


 わたしは目をこすって、もう一度部屋の中を見た。間違いない。間違い、ない。これは夢じゃない。

 ──部屋には、()()()()、なかった。

 わたしは意を決して、部屋の中へ踏み込んだ。

 ダイヤモンド、オパール、サファイア、エメラルド、ルビー、トパーズ、ガーネット────。数え上げたら切りがない。見たことのない宝石もある。



《私の書き方》


 わたしは目をこすって、もう一度部屋の中を見た。間違いない。間違い、ない。これは夢じゃない。


 ──部屋には、()()()()、なかった。


 わたしは意を決して、部屋の中へ踏み込んだ。

 ダイヤモンド、オパール、サファイア、エメラルド、ルビー、トパーズ、ガーネット────。数え上げたら切りがない。見たことのない宝石もある。


************


 こういう感じですね。

 上下に空行があると、大切な文章だけすごく目立ちますから。




 とにかく、こうやって※の段落や②~④のような情景描写オンリーの段落を明確にすることで、

 読者は【読む段落と読まない段落】を決めることができるのです。



 そりゃ全部読んでくれれば、一番いいですよ。でも、飛ばし読みをする読者がいるのはたしかです。それこそ[ライトユーザー]ですね。

 ‎

 ‎だから、【そういう読者のために】、分かりやすく書くのです。

 ‎

 ‎飛ばし読みをしない読者[しっかりユーザー]も、「この段落で何が伝えたいのか」ということが分かれば、読みやすいと感じるんじゃないでしょうか?



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