11.段落は四文程度、意味を持たせよう
では!!!
【私の小説の】書き方講座いきます。
わたしの小説を尊敬してる人は、ぜひ真似していってね☆
私のルールでしかないよ☆
みんなは真似しちゃダメだよ☆
良い子のみんなは真似しちゃダメだよ☆
(断定口調になってるけど、それはいちいち「っていうのが私の書き方なの~」って付けるのがメンドイからね。本当にそれだけね。OK? アンダスタン?)
ハイ。
特に、そもそも普段から地の文が少ない人がこの書き方を真似するととんでもないことになります。地の文が少ない人は、一行ずつ改行した方がおそらく読みやすいです。
地の文が元々多いなら、私の書き方をある程度【参考】にすることはできるけど、果たしてそれで本当に読みやすくなるかは分かりません。
小説の読みやすい書き方というのは、その人の小説それぞれなんですよ。
さっきも言った通り、地の文が少ない人が真似すると読みづらくなります。
そして私は、地の文が少ない文章も、
【めっちゃ好きです】!!!
一段落に三行~五行とかなくていいです。一行ばっかりで、そのあと会話文ばっかりとか、読みやすくてたまりません。
だから、わざわざ私の真似しなくていいんです。私はそれも好きだし、それもアリだと思っています。
私は自分の小説の書き方を【紹介】してるだけです。このエッセイは、【夢伽の文章のファンのための指南書】なんですよ。もはや【ファンブック】です。
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ここで、分かりやすいように造語を作らせてください。前のページにあった、二種類の読者ですが、
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①
・地の文が少ない方がいい人
・改行がたくさんあってほしい人
・人物描写や情景描写に重きを置いていない人
・【物語】だけを楽しみたい人
②
・しっかり描写がほしい人。
・地の文が多い方が好きな人
・【物語】だけじゃなく、じっくり読み込んで想像しながら小説を読みたい人
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①を[ライトユーザー]、②を[しっかりユーザー]とします。今後は、この単語はその意味を指すと思ってください。
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それでは、私の書き方を真似したい人(しかも元々それなりに地の文が長くないと真似できない)だけが下を読んでください。
[私の小説のルール!]
①一段落の量は三~四文程度が限界!
②文章は全部読まれないと思った方がいい。
③段落に意味を持たせる
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①一段落の量は三~四文程度が限界!
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見た目としては、携帯で見た時に「二~五行」くらいになっているのが丁度いいです。これ以上長いと、[ライトユーザー]にとってすごく読みづらいです。
パソコンの人は違うと思うんですけど、携帯の人は大変だと思います。携帯で「五行」書いていれば、パソコンもさほど読みづらいことはないと思うので、「五行」を目安にしましょう。
内容は読まなくていいんですけど、こんな感じです。見た目だけ確認してください。
以下『愛した人を殺しますか?――はい/いいえ』引用。
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あれから、わたしたちは多くの魔物と戦っていた。残念ながら知らない魔物ばっかりだ。
三人しかいないし、魔法の使い手が二人だからパーティとしてはやりづらい。でもラムズは多種多様な技を使えるらしく、ジウを補助しながらも多くの魔物を殺していた。
ドンドンと地響きがする。また魔物がやってきたのだ。ラムズはジウに向かって声を上げた。
「おい、あれは目玉だ! そこさえ潰せば死ぬ! 触っても平気だからやれ!」
迫ってくるのは、灰色の身体を持ち、二足歩行の大きな魔物だ。わたしの身長の二倍はある。
体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。むしろそこにしか目はない。顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
ジウは素早い身のこなしでわたしたちの前にくると、目玉に向かって手刀を食らわせた。魔物の目玉は、ガラスが砕けるようにして割れていく。ゴトンと大きな魔石が落ちた。
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そしてこれを携帯で読むと、こんな感じになってます。
このように、携帯の画面で五行くらいが限度です。文章としては三文です。
一番長い段落は、
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体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。むしろそこにしか目はない。顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
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これですが、これは、
①体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。
②むしろそこにしか目はない。
③顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。
④高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
──と、4文ですね。けど、携帯で見ると大体五行くらいに見えるかなあと。私の今回の文章を基準に、自分で確認してみてくださいね。
・文章の数は4文まで
・見た目でいうと、携帯画面で3~5行
これが私の書き方です。
ちなみにですが、一文ごとに改行をするのは、私の小説のルールからは外れます。
さっきの文章ですけど、
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あれから、わたしたちは多くの魔物と戦っていた。残念ながら知らない魔物ばっかりだ。
三人しかいないし、魔法の使い手が二人だからパーティとしてはやりづらい。
でもラムズは多種多様な技を使えるらしく、ジウを補助しながらも多くの魔物を殺していた。
ドンドンと地響きがする。
また魔物がやってきたのだ。ラムズはジウに向かって声を上げた。
「おい、あれは目玉だ! そこさえ潰せば死ぬ! 触っても平気だからやれ!」
迫ってくるのは、灰色の身体を持ち、二足歩行の大きな魔物だ。
わたしの身長の二倍はある。
体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。
むしろそこにしか目はない。
顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。
高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
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こうなるんですよね。
これで何が読みづらいって、意味のまとまりがどこまでなのかが分からないんです。結局これは、「全てを一段落にまとめてる」のと、ほとんど同じになってしまいます。
(これは、そもそも地の文が少ない人が改行をするには、全くもって【読みづらくありません】。私のように「そもそも地の文が多い人」がやると、読みづらくなるという話です)
なので、一文の段落がちょっとあるのは構わないんですけど、【全部の段落を一文】、すなわち【一文ごとに改行する】のは、私の書き方とは違います。
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②文章は全部読まれないと思った方がいい。
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※おそらくこの話も、普段から地の文が少ない人は気にしなくて大丈夫です。地の文が少ないなら、みんなちゃんと読んでます。地の文が私の小説『愛した人を殺しますか?――はい/いいえ』くらい長い人は、参考にしても大丈夫です。
文章は、基本全部丁寧に読んでくれるとは思わない方がいいです。そう思って書いた方が、ずっと読者に優しい小説になります。
[しっかりユーザー]に関しては、あんまり気にしなくていいんですよ。あるがままを全部読んでくれるから、大丈夫です。
私はそもそも地の文が多いので、その時点で[しっかりユーザー]が読めるようにはしてあるんです。だから彼らのことはとりあえず置いておきます。
問題は、[ライトユーザー]です。
私の小説は、例の[ライトユーザー]のためにも書いてます。[ライトユーザー]は長い文章が嫌いです。文章が続いてると、目が滑っていきます。
だからこそ、【全部の長い文章を読まない人】[ライトユーザー]のために、工夫が必要なんです。もはや最初から、【みんな全部読んでないんだ】と思って書かなければいけないんです。
おそらく、[ライトユーザー]は、飛ばして読んでます。もしくは、ちゃんと頭に入ってないとか。ちなみに私も全部頭に入ってません。
戦闘シーンや情景描写、人物描写──。これらは、[ライトユーザー]に読み飛ばされる可能性が高いです。
動作はみんな読むと思います。会話文も。でも、今言った上の三つは、飛ばす人がいます。
だから、「ここは心情描写だよ!」「ここは情景描写だよ!」って、分かるように書くのが大切です。
むしろ【飛ばしてナンボ】くらいのノリで行きましょう。だって、飛ばすか飛ばされないか分からないなら、もはや「飛ばされますよねハイハイ」くらいの体でいった方がいいんですよ、タブン。
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③段落に意味を持たせる。
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段落は、ちゃんと【意味】を持って分けましょう。塊にするのです。
【一文ごとに改行するのは、私のルール的には違う】っていう話はしましたよね。それは、意味の塊が分からなくなるからなんですよ。
例えばさっきの文章ですが、(今回は文章を読んでください)
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①【ことの起こり】
ドンドンと地響きがする。また魔物がやってきたのだ。ラムズはジウに向かって声を上げた。
【会話文】
「おい、あれは目玉だ! そこさえ潰せば死ぬ! 触っても平気だからやれ!」
②【まず何が来たか、端的に話す】
迫ってくるのは、灰色の身体を持ち、二足歩行の大きな魔物だ。わたしの身長の二倍はある。
③【現れた魔物の見た目を紹介】
体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。むしろそこにしか目はない。顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
④【何が起こったか、動作の説明】
ジウは素早い身のこなしでわたしたちの前にくると、目玉に向かって手刀を食らわせた。魔物の目玉は、ガラスが砕けるようにして割れていく。ゴトンと大きな魔石が落ちた。
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このようになってます。
意識して書いたわけじゃないんですけど、まぁ知らないあいだにそうなってましたね笑。
特に大事なのは、
②端的に何が来たのか話す
③現れた魔物の紹介
④動作の説明
ここです。
まず、このうち、③は【読まなくていい】です。
なんでかっていうと、魔物の見た目なんてどうでもいいからです。この話を読み終わった瞬間忘れていいことですし、【物語】を読むためにはいらない描写です。
でも!!
何が来たのか気になる人もいますよね?
どんな魔物を倒したのか気になる人もいますよね?
そう、これが[しっかりユーザー]です。
【気になる】のが、[しっかりユーザー]なんです。
それではどうするのか。
まずは、②の段落で簡単に説明します。
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② 迫ってくるのは、灰色の身体を持ち、二足歩行の大きな魔物だ。わたしの身長の二倍はある。
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→とりあえずクマっぽいの来たんじゃね? ハイハイ、了解。
これで読者が満足する場合もあります。「魔物の見た目どうでもい~」って思ってる人は、満足します。満足するのは主に[ライトユーザー]ですね。
でも、「もっと詳しく聞きたい! ちゃんとどんな魔物を倒したのか知りたい!」って人もいます。それが主に[しっかりユーザー]。
その人のために、③です。
③の段落で詳しく説明するのです。
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③ 体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。むしろそこにしか目はない。顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
******
ここで、②と③の段落を繋げると問題があります。
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《違う書き方》
迫ってくるのは、灰色の身体を持ち、二足歩行の大きな魔物だ。わたしの身長の二倍はある。体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。むしろそこにしか目はない。顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
《違う書き方》
迫ってくるのは、灰色の身体を持ち、二足歩行の大きな魔物だ。
わたしの身長の二倍はある。
体のど真ん中に、充血した紫色の目玉があった。
むしろそこにしか目はない。
顔らしき所には真っ赤な避けた口だけがあり、頭にはぐるんと曲がった角が二本。
高い奇声をあげながら、わたしたちの身体を掴もうとする。
************
どっちも同じことです。
1文ずつ改行するのも、段落に分けないのも、私の書き方でいくと悪手になります。
「魔物の見た目なんてどうでもいいんだけど」って思ってる人[ライトユーザー]が、【どこまで読めばいいか分からなくなるから】です。
どうでもいい人[ライトユーザー]は、③の段落を飛ばすんですよ。飛ばしたいんです。
だから、むしろ【飛ばしやすいように】段落を分けるんです。
これによって[ライトユーザー]は、
「③から魔物の描写ね、オッケー。じゃあ、ここは飛ばして、④の動作の描写読むか。そこを読めば何が起こってるか分かるからね」
という判断ができます。
(そんなん考えて読んでないでしょって思うかもしれないけど、無意識にこれをやってる人はたくさんいると思います。読者が【無意識に】飛ばせるように、むしろこっちの作者が【意識的に】書くんです)
だから、段落は内容ごとに分けましょう。意味を持たせましょう。
・まず②で端的に「何が来たのか」を書く。そして「次の段落に魔物の描写があるよ」という合図をする。
・そのあと、③で思う存分魔物の描写を書く。
②まではみんなが([ライトユーザー]と[しっかりユーザー])読めるように、そして③を各自飛ばせるようにするのです。
特に【人物描写】(魔物の見た目なども含む)【情景描写】(建物の様子なども含む)は、必ず段落を分けています。
こういうのは飛ばす人が多いからです。すなわち[ライトユーザー]。ちなみに私も飛ばします。だから絶対に段落を分けましょう。(私の書き方を真似する人はね)
これをやらないと、どこを飛ばせばいいか分からず、どこを読んでいるかも分からず、【何が大切なのかが分からず】結局読むのをやめられてしまいます。
みんなに読みやすくて分かりやすい小説を目指すなら、【読まれなくていい】んです。
読者に親切であればいいんです。
飛ばしがちな人は、おそらくかなり【読みやすい小説】を求めています。とにかく簡単に読める小説を探しています。
【飛ばしても分かる小説】っていうのは、本当に読みやすい小説だと私は思います。それが文学的に素晴らしいかどうかは置いておいてね。
だから、もはや最初から、作者の方から
「ここは人物描写だから、読みたくない人は飛ばしてね」
って、極力分かりやすくするんです。
その段落が何のためにあるのか、何を書いている段落なのか、それが分かれば読者は【選択して】小説を読むことができると思います。無意識で読んでるからこそ、無意識で読んでも分かりやすくするために、こっちが【意識的に】段落の意味をちゃんと作るのです。
こういう話、全部自分で取捨選択してください。何度も言うけど、私の書き方が正しいわけじゃないです。ただ紹介してるだけなので、「あーここは使えそうだな」と思ったところだけ、真似すればいいです。
一行ごとに改行するのを《違うやり方》と言いましたが、私はそういう小説でも読んでます。それも全然面白いし、私は全く気になりません。
そして、一行ごとに改行するのでも、長所があります。
例えば、一行ごとに改行した方がサラサラーって読めます。携帯の場合、常に指で「ちょん、ちょん」ってできるので、なんか読んでて楽しいです。(本当だよ?)
ついさっきも、それで感想欄に褒めてきました。本当に読みやすかったんです!
段落も、増やしてもいいし減らしてもいいんです。4行でも長すぎると感じる人はいます。逆に短すぎると感じる人もいます。個人の価値観です。私の小説の書き方が、【これ】なだけです。
私の小説を読みやすいと思った人だけ真似しましょう。
何かに対して、「いやこれは違うっしょ、変でしょ」そう思っても、無視してください。変とか違うとか、ただの価値観です。これは私の価値観を紹介してるだけなんです。
そして、あなたの価値観は基本聞いてません。だから感想欄で自分の価値観をダラダラ語るのはやめてくださいね……カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ。自分で新しくエッセイを書いてください。