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ラリーゴじゃない。けどラリーゴだ。

今回長いです。

歪んだ視界が元に戻り船酔いのような感覚に襲われる。


「うう。ぎぼぢわどぅい…」

隣のミュウは青い顔をして俺の腕にしがみついている。

俺も吐きそうだ。


「と、とにかく転移には成功したみたいだな。」

転移先の部屋はラウルゲオ遺跡の魔法陣部屋と同じ作りになっている。


「ここもドラゴンの遺跡なのかな?」


「分からない。ひょっとしたら生き残りがいるかも。そもそもドラゴンって絶滅したわけじゃないんだし。」


「そうだね…いるのかな?」


「まずここがどこかが知りたい。落ち着いたら調べてみよう。」


「うん。そうだね。」


転移酔い?の症状が収まるまで休憩を取ることにした。



***************


「よし、行こうか。いい?扉を開けるよ?」


「い、いつでもいいよ!」

ギギギギギギギギ…

重い音と共に扉が開く。


「眩しい!」

扉の先は明るかった。

随分と長い間、暗闇に近い環境にいたのだ。

仕方がない。

だんだんと目が慣れてきたので周りを確認すると

俺たちの前に小さな女の子がいた。

じっとこちらを見ている。


俺が話しかけようとしたその時

「何者じゃ。」

おお?言葉が分かる。

会話大事。超大事。


「俺たちはラウルゲオ遺跡から転移してきたんだ。」

女の子は愕然として

「ラウルゲオじゃと?あそこは戦場の筈!まて、遺跡?」

そう言うと女の子は何やらブツブツと独り言を始める。


「俺の名はラリーゴ。こっちはミュウ。よろしくね。」

俺が自己紹介をすると凄まじい殺気が襲いかかる!


「ラリーゴじゃと…」

ヤバい!なんかヤバい!!

俺はミュウを引き寄せ距離を取る。


「まて、話せば分かる!こちらに敵対する意志はない!」

ミュウはこの場は俺に任せると言う目で頷く。


「我らが怨敵ラリーゴ・リラーゴ!一族の敵よ!我が怨みの一撃、とくと味わえ!」

クソ!やるしかないのか?


コテン。


………


少女が転んだ。


よく見るとこの子…

片足が無い。


「おのれ、怨敵を目の前になんたる無様!かくなる上は…」

「ちょっと待て!!おバカ!」


「な?」

少女はキョトンとした顔で俺を見る。


「俺はラリーゴだけどラリーゴじゃない。」


「何を世迷い事を!」


「君の言うラリーゴ・リラーゴは500年前に死んでる!戦争も終わってる。ドラゴンは負けたんだ!」


「な、500年前じゃと?」

少女は倒れたまま顔を伏せ嗚咽し始める。


「我ら、が負けた。その、上ご、百年も我は…」


察するにこの少女はドラゴンの関係者だろう。

しかし、500年もここに独りでいたのか?

転移してくる者はなかったのだろうか?

…いればこんな状況にはならなかっただろう。

俺たちは少女にかける言葉がみつからず、ただ見守る事しか出来なかった。



***************


「ではお主はラリーゴ・リラーゴではないのじゃな?」


「ああ、別人だし血縁関係もない。」


「しかしお主の御母堂も恐ろしき名を授けたものじゃ…」


「まあドラゴンにとってはそうかも知れないけど人の世では賢者で英雄だ。」


「まあそうであろう。」


その後俺はこの少女に俺が知り得る歴史を話して聞かせた。



「そうか。我らは負けたのじゃな。して我らの同胞は絶えたのか?」


「いや、目撃例が多数ある。」


「そうか。滅びは避けられたか…」


「ところで君の名前は?どうして500年もここに?」


「これは失礼。我の名はレン・ドラグーンと申す。」


「レンか。で、どうしてここに?」


「うむ、我はあの戦で片足を失ったままここに転移してな。我が友がラウルゲオへエンシェントスライムを取りに戻ったのじゃ。」

レンの失われた足の為か。


「我は友の帰還を待っておった。そうか。そうだな、あ奴はラウルゲオで果てたか…」

戦争だったんだ。こんな悲劇もある。


「ねぇラリーゴ。スライムあるよね?」

あ、忘れてた。ナイスだミュウ。


「レン、これを食べな?」

そう言って俺はポーチから取り出したスライムを差し出す。


「これは!エンシェントスライム!!」

レンは俺の手から奪うようにスライムを取ると徐に食らいついた。


*****しばらくお待ちください*****


うぷっ。スライムの踊り食いは見てて気持ちのいいものじゃなかった。

見た目美少女がスライムを貪る姿は…

ご想像にお任せしよう。


「かたじけない。ラリーゴ殿、ミュウ殿。」

その瞬間、レンの片足の再生がはじまる。

ミュウの時とは違うみたいだ。

やはり経口したほうが良かったのだろうか?

ん?

レンの頭…角か!

角も失っていたのか。


「うう。両の足で再び地に立てるとは…角まで蘇った。これで我はまた戦える!」

いやいや、止めとこ?


「レン、戦争は終わったんだ。もう誰も争いを望んじゃいない。その証拠にこの500年間ドラゴンは地上で争いを起こしていない。」


「しかし我が無念、如何にして晴らさんや!」


「なあ、何故ドラゴンは人間と戦争なんて起こしたんだ?」


「そなた等の歴史で知っておろう?」


「それは人間の主観での歴史だ。」


「ほう、面白い事を言う。良かろう、話してやろう。」


かつてドラゴンはこの世界で神に次ぐ力を持つ種族だった。

それ故に神に忌まれ遊び半分に狩られる事もあった。

ある時、その状況を見かねたひとつの神が起った。

野神ゴリラ。

野神ゴリラは怒っていた。

命の重さなど毛ほども感じず悪戯に命を奪う神々を。

生命の究極の欲求、生存本能を司る神は他の神々と闘った。

圧倒的な力の差で神々を葬りこの世の全ての生命が己が力で、己が知恵で生き残り、また滅びる事も有り得る弱肉強食の世界を作り出した。

やがて野神ゴリラは世界の生命の代表にドラゴンを指名し、こう告げた。

『我はこの世を去る。この世は我にあまりにも哀しみを刻みすぎた。我は邪神に堕ちるを望まず。故にドラゴンよ。この世の生命の連鎖を見守る責を任ずる。』


そうして神は去った。

その後ドラゴンは世界の監視者として君臨する。

だがその状況を快く思わない種族がいた。

人間だ。

人族、獣人族の連合軍はドラゴンの里を攻めた。

ドラゴンの戦闘力は神に次ぐもの。

戦果は明らかであった。

ドラゴンは専守防衛を貫き己から人間側を攻めることはなかった。

ある時人間側に天才が現れる。

天才の名はラリーゴ・リラーゴ。

現存する魔法を全て操り更には新しい魔法を生み出した。

ラリーゴが生み出した魔法はドラゴンの堅い鱗を傷つけ、焼いた。

ドラゴンは地上最強ではなくなった。

神から与えられた任、生命の連鎖から逸脱しそうだと判断したドラゴンは人間に対し全面戦争を決意した。


「とこれが我らの歴史及び我の記憶じゃ。」

ここでもゴリラが出てきた。

俺がゴリラの転生者って事は…

よし、黙っとこう。


次回更新は9日0時です。


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