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ピカピカの一年生

ユウタウン

この街の名前だ。

人口約600の小さな街で郊外には農園が広がっている。

一年中温暖な気候で寒さで命を落とす心配はない。

農園では主にバランシュが穫れる。

バランシュはまんまジャガイモである。

ただバランシュの芽には毒がない。

ジャガイモと同じく冷暗所なら一年くらい保存できるそうだ。


俺の家は街の西側にある。

住宅街はこの辺りに集中し、東側には商店街がある。

南北を繋ぐ道沿いには宿屋や露店が集まり、街道の出入り口となっている。


街の中央には教会があり、ここに学校が併設されている。

この街の子供たちは5歳になると学校に通い始める。

基本的には無償なのだが貧しい家庭や農家の子供たちはなかなか学校から足が遠い。

教育が重要である事がこの世界では常識ではなく、やはりそこには格差が生まれてしまう。


俺の父さん、マシラはこの街の闘士だ。

闘士とは傭兵みたいなものと思って欲しい。

闘士ギルドから依頼を受けていろんな仕事に就く。

商隊の護衛や魔獣討伐、盗賊討伐など。

闘士にはランクがある。

父さんは正しくは絶闘士と呼ばれ、ランクは上から二番目らしい。

闘士→練闘士→轟闘士→絶闘士→真闘士となり、最高位は真闘士でこの国に8人存在する。

真闘士となると爵位が与えられ貴族になれるみたいだ。

俺はやだな、堅苦しそう。

前世のサラリーマンしてた頃よりは楽なのかな?

分からんが。

闘士ギルドも教会から遠くない同じ筋にある。

何度か父さんに弁当を持って行った事があるんだがめっちゃ厳ついオッサンがいっぱいで怖かったよ。

ばいんばいんのお姉さんも何人かいたな。

なぜかチヤホヤされて逆にちょっと怖かったのを憶えてる。


「到着~」

ミュウが楽しそうに言う。

ここが学校。

イナヤ教会に隣接するイカチ修練学校だ。

俺たちは今日から九年間ここでいろんな事を学ぶ。

読み書き・算術を修めるだけなら三年、歴史や地理、武術を学ぶなら更に三年。

魔法も含め全て修めるなら九年。

普通は最初の三年で修了する者がほとんどで九年通うのは少数みたいだ。

そして成人となる15歳に最終修了の証としてミッションが与えられ、それをクリアして卒業となるそうだ。

その後は就職したり開業したり、または闘士になったり、王都にあるアカデミーに進学したり。

各々の人生を歩んで行く訳だ。


「わぁ、いっぱいいるね~」

ミュウが続ける。

「お友達たくさん出来るといいねぇ。」

「うん。みんな仲良くできたらいいね。」

爽やかにミュウへ答える俺。ゴリラ顔だけど。


「新入生のみなさ~ん。こちらへ集まってくださ~い!」

白い修道衣を着た女の人が声を張る。

先生の様だ。

「みなさん、はじめまして。私はネーナ、みなさんにお勉強を教える先生です。」

『ネーナ先生、こんにちは~』

チビっ子たちの見事なハモり。

ピカピカの一年生だね。

「それでは教室へ行きますよ。私に着いて来てくださいね。」

『は~い』


「ラリーゴくん、ネーナ先生美人だね。優しそうで良かった~」

ミュウが少し興奮気味に言う。

「だね。さ、僕らも行こう。」

「うん!」


さぁ、学校だ。魔法だ。

ワクワクが止まんない!

ミュウより俺のほうが興奮してるね。

だって自分でも鼻息スゴいのわかるから(笑)




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