奇跡
あれからどのくらい時間が経ったか。
傷口を焼いてから意識を戻さないミュウを背負い、俺は地下遺跡らしき所をさ迷っている。
ミュウの容体は…はっきり言って良くない。
熱が下がらないんだ。
抗生物質、天然のペニシリンなら作れるかもしれない。
うろ覚えだが…
しかし、ここでは無理だ。
青カビは手に入るだろう。
しかし、機材がない。
培養する時間もない。
絶望的だ。
ミュウ、独りでは逝かせないよ。
俺も一緒に旅立つから。
だが最後まで諦めたりはしない。
俺は餓えを凌ぐために動く物全てを食った。
獣を仕留めた時はポーションの時の要領でミュウに血を飲まさせた。
そうだ最期の時が来るまで。
俺は、俺達は生にしがみついてやる!
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地下遺跡の奥、方角が分からないからそう表現するしかない。
祭壇らしき場所をみつけ、そこにミュウを寝かせ俺も体を休める。
!
魔獣か!
俺は戦闘態勢を取る。
「そこだ!」
雷迅一閃。
手応えあり。
俺は仕留めた魔獣を回収に行く。
なんだ、スライムか。
まあ、スライムでも腹の足しにはなる。
俺はスライムを回収しミュウの元へ戻った。
「ミュウ、ただいま。」
ミュウは返事をしてくれない。
ミュウ、お願いだ、死なないでくれ。
くそ、俺が不甲斐ないばかりに!
手に持ったスライムを思わず握り潰してしまった。
しまった!ミュウが汚れてしまう。
そのときだった。
ミュウの傷口に垂れたスライムが輝き出し左腕を形作る。
また口元にこぼれた液体は自らの意志であるかのように口から体内へ侵入していく。
まずい、まずい、まずい!
慌ててスライムを排除しようとしたとき、奇跡は起きた。
「ラリー、ゴ?」




