奈落
うう。
体は…動く。
はっ!ミュウ!ミュウはどこだ?!
真っ暗で何も見えない。
クソ。
「メタモルフォーゼ!」
バリバリッと雷が迸る。
俺から発する雷光で周囲の状況も確認出来た。
「ミュウ!どこだ!」
俺はミュウを探してさ迷う。
あ!
あの光りは!
獣神のかけらが俺の獣気に反応したんだ!
「ミュウ!」
良かった。無事…
嘘だろ?
ミュウの左腕の肘から先が無い…
早く血を止めないと!
俺は自分のシャツを破り止血を試みる。
ダメだ!
血が止まらない。
「ん。うううっ!」
「ミュウ、気が付いたな!今助けてやる!」
俺はミュウの傷口を必死で押さえて止血する。
「ラリー、ゴ。無事…で良かっ…た…」
「喋るな、大丈夫だから、な?」
「うん…」
でも、クソ。このままじゃ!
っ!そうだ!もうこれしかない。
「ミュウ、ごめん。痛い思いをさせる。」
「いい、よ。ラリーゴに、なら何さ、れても平、気…」
「行くよ。『雷迅』!」
「キャアアアアアアアッ!!!!」
肉が焼ける嫌な臭いが広がる。
俺は魔法でミュウの傷口を焼いた。
もうこれしかなかった。
ミュウは再び気を失う。
このままでは多分助からない。
熱も出るだろう。
なんとかしなきゃ。
俺はミュウから一旦離れ辺りを探索する。
…ギュネイ。
ギュネイは大きな岩のつららに貫かれ死んでいた。
何がお前を狂気に走らせたのかは知らん。
知りたくもない。
お前が未来永劫、俺たちを許さないと言うなら構わない、恨めよ。
だがな、それは俺も同じだ。
何度生まれ変わっても俺はお前を許さない。
転生者舐めんな、糞野郎。
俺はもしやと思いギュネイの死体を漁る。
あった。
ポーションと毒消しだ。
これでミュウは助かるかも知れない。
俺はミュウのそばに戻りポーションを飲ませる。
がミュウは飲み込んでくれない。
俺はポーションを口に含みミュウに口づけた。
ミュウの舌を俺の舌で押さえ込みポーションを流し込む。
こくん。
良かった。飲んでくれた。
だが安心はできない。
ミュウが左腕を失ってどれだけの時間が経ったのか。
ギュネイの死体は硬直していた。
少なくともそれなりの時間が経過しているとみていい。
そうすると感染症の危険性もある。
クソっどうしたらいいんだ!
どうしたらミュウを助けられるんだ。




