逆襲のギュネイ
裁判の後。
ギュネイは処刑されたはずだった。
それが何故。
ミュウが消えた。
街中探してもみつからない。
嘘だろ?
せっかく無実が証明されたのに。
ミュウがいない。
ミュウ。
……。
翌日、石を包んだ手紙が投げ込まれた。
「ミュウは此方の手にある。命が惜しくばラウルゲオ遺跡まで1人で来い。お前を呪う者より」
差出人は恐らくギュネイだろう。
他に心当たりがない。
ミュウ、今迎えに行くからな。
***************
~ラウルゲオ遺跡~
「来たぞ!どこだ!ミュウ、ミュウを返せ!!」
俺の声が響く。
《そのまま進め!》
くっ。どこだ!声が反響して居場所が分からん。
言われるまま進むと広場に出た。
中央に人影…。
ミュウ!
《動くな!》
クソ。居場所に見当もつかない。
《そのまま膝をついて手を上げろ!》
俺は指示に従う。
「良い様だな、ラリーゴ。」
お前は!
「ギュネイ!てめぇ!!」
「おっと、動くなよ。手元が狂う。」
ギュネイは弓を引き絞りミュウに狙いをつけている。
「止めろ!」
「黙れよ。」
トスッ。
俺の右肩に矢が突き立てられる。
「うぐっ。」
手はある。
奴が矢をつがえる数瞬の間に迅雷でミュウを救出しそのまま離脱、ジックリ奴を仕留める。
これしかない。
「下手くそ。どこねらってんだ、あ?」
奴が次の矢を放った。
今だ!
メタモルフォーゼからの迅雷発動、無事ミュウを救出できた。
「かかったな!」
ギュネイが叫ぶ。
「僕はお前を認めない!僕の気持ちを拒んだミュウも、もう要らない!」
狂気をはらんだ笑みを浮かべて奴は続ける。
「僕はもうお終いだ。お前たちを手に掛ければ闘士ギルドや教会、聖権騎士団をも敵に回すだろう!」
奴の手に有るのはまさか!
「気づいたかい?ロールギアだよ。この遺跡中に仕込んだ爆炎のロールギアさ。」
ロールギア…魔法が使えない人でも魔法が使える様になる使い捨ての巻物。
ユウタウンでは手には入るような代物じゃない!
っ!まずい、退路が…
「僕の手にあるロールギアの発動に連動して他のロールギアも発動する仕掛けさ。一緒に行こう。あの世でも僕はお前たちを恨み続けるさ。それこそ永遠に!」
くっ。間に合え!
俺はミュウを抱きかかえ迅雷を発動させる。
ー刹那ー
「爆ぜろ!」
轟音と共にあたり一面が焔と衝撃波で覆われる。
ダメだ!間に合わない!
俺はとっさにミュウを庇うように覆い被さる。
「さようなら。憎き友。憎き想い人。でも僕は未来永劫許しはしない!ひゃは、ヒャハハハハ!!!!」
***************
~翌日~
「おーい、ラリーゴ!」
「どこなのラリーゴ!」
「返事をしてください!ラリーゴくん、ミュウちゃん!」
「おーい、マシラ!こっちだ!」
「こ、これは!」
「迷宮、か?」
***************
ここはかつてラウルゲオ遺跡と呼ばれた場所。
古い言い伝えでは人に追われたドラゴンの隠れ里だったとか。
昨日の大爆発。
ユウタウンの街からも凄まじい炎の柱と爆風が確認出来ました。
遺跡は中央広場を中心に見るも無残な有り様です。
しかし中心部には…
巨大な穴が出来ていました。
ああ、神よ。どうか2人をお救い下さい。
闘士ギルドを中心に捜索隊が組まれ、迷宮に潜るようです。
もし、2人が無事であるなら迷宮に落ちた可能性が高い。
お願いします。
どうか2人をお救い下さい。
!兄さんにも連絡を!
きっと力になってくれるはず。
私は迷宮へ潜る闘士のみなさんを見送りながらあらゆる可能性に期待を馳せていました。




