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俺のターン

「……という訳です。」


「了解した。では俺はその筋を探ってみる。」


「お願いします。」


「ミュウちゃんはその目撃者とやらを押さえてくれ。」


「はい!」


「それでは私は犯人に揺さぶりを掛けておきましょう。何かボロが出るかも知れません。」


「先生、ミュウちゃん。あの子をどうか救って下さい…」


「よし、状況開始だ!!」



*************


~酒場~


「ああ、見ない顔の連中が10日前からウロウロしてたな。」

「多分落闘士だな。」


「落闘士か。他には?」


「ゲスタの奴だがな、甥のギュネイが隠し持ってたミスリル鉱山の権利を狙って引き取ったらしい。」

「そいつが手に入ったら始末に困るとかほざいてたぜ?」


「十分だ、これで一杯やってくれ。」


「おお、悪いな。」

「…マシラ。誰もラリーゴが殺ったとは思ってないぜ。」

「ああ、コイツにゃ裏がある。」


「ああ、そいつを暴きてぇんだがな。」


「よし、俺らも手をかすぞ。」

「ああ、奴らの顔は覚える。」


「すまん、恩に着る!」



***************


~北門・詰所~


「で、あなたが見たのはラリーゴだけだったのね?」


「ああ、間違いない。」


「門番は2人の筈よね?もう1人は?」


「あ、アイツは便所に行って…」


「ギュネイ。」


「!!!!」


「当たりみたいね。」


「な、何の事だ!」


「分からないなら教えてあげる。あなたも捕まるわよ。」


「な、なぜ俺が!」


「遅かれ早かれバレるわ。偽証罪って知ってる?無実の人に罪を被せた場合、死刑もあり得るわ。」


「し、死刑…」


「でも安心して?死刑になんかさせないわ。」


「ほ、本当か?!」


「だって私が殺すもの。」



***************


~教会・礼拝堂~


「ギュネイくん。」


「先生…」


「この度はご愁傷様でした。」


「あ、いえ…」


「こう言ってはなんだけどひと安心です。」


「?何がです?」


「ラリーゴくんの無実が証明できそうなんです。」


「!」


「何でもこの街に入り込んだ落闘士の方々に嫌疑が掛かっているそうです。」


「そ、そうなんですか。」


「でもギュネイくんはラリーゴくんが叔父様を殺める所を見たと。」


「は、はい。でもひょっとしたら違うかも…」


「もうじき裁判がはじまります。そこではっきりさせて下さい。願わくばラリーゴくんが助かるように。」


「は、はい。全力を尽くします。」



***************


~燃料屋~


「おい、酒が切れてるぞ!」


「おう、倉庫にまだ腐るほどあるぜ?」


「よーし、飲め飲め!」


「しかしチョロいよな、ガキ一匹嵌めて女1人殺っただけで大金が手に入るんだ。」


「ギャハハハハ!笑いがとまらねえ!」




「ほう、そんなに面白れーか。」


「ああ、たまんねえな。」


「そうか。」


「なんだ~お前飲んでねーじゃねぇか。ってお前誰だ?」


「ああ、俺の事は気にすんな。末期の酒だ、お前らで楽しみな。」


「!」


「てめえは!」

「ママママ、マシラ!!!!」


***************


~教会・審判の間~


「静粛に!これよりゲスタ殺害の件で裁判を行う。」


「被告人、前へ。」


「罪状、被告ラリーゴは燃料屋のゲスタ並びにその妻殺害の嫌疑がかかっている。」


「被告人は犯行時、燃料屋に侵入し妻を殺害。その後、北の森中でゲスタを殺害した。」

「これに相違ないか!」


「俺はやっていません。森の中で賊に襲われ返り討ちにしただけです。」


ざわざわざわざわ


「では証人、前へ。」


「はい。」


「名前と宣誓を。」


「私、ギュネイは本法廷において真実のみを語る事を誓います。」


「よろしい。」


「では証人が見た事をここで述べよ。」


「はい。あの晩、私はここにいるラリーゴと婚約者であるミュウに贈る虹石を掘りに北の森へ入りました。」


「私が虹石を手に入れ森の出口にさしあたった所で人が争う気配を感じました。」


「大きな男が誰かを打ち据えて去って行きました。」


「大きな男の去り際に月明かりに照らされた顔をはっきりと見たのです。」


「その顔はそこにいるラリーゴでした。」


「その後打ち据えられた相手に近づき確認すると…」

「叔父でした。」


カンカンカンカン!

「静粛に!」


「これより審議に入る。」

「被告人、申し開きはあるかね?」

……来た、俺のターン。

これ以上茶番に付き合っていられるか!



「よろしいでしょうか。」

「かまわん。」


「では…まず一つ。私には動機がありません。何故面識のない相手を一方的に殺す必要があるのですか?」


「二つ。私はゲスタさんを殺してなにを得るのでしょうか?」


「三つ。私は先の二つに当てはまる人物を知っています。」


ざわざわざわ……


「静粛に!静粛に!」


「確かに被告人の言う事に一理ある。が証拠がない。」


「私が犯人とする証拠、証言が誤りであるとすれば?」


「なんと!」


「ぼぼぼ僕は嘘など言ってない!お前だ!お前が叔父さんを殺したんだ!」


「…司教さま、ゲスタさんの死因はなんだったのでしょうか?」


「心臓をひと突きにされていたと言う。」

そうか、やはり犯人は俺じゃない。


バン!扉が勢いよく開かれる。


「待たせたわね、ラリーゴ!」



明日も三話更新します。

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