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一子相伝?

訓練は順調だ。

メタモルフォーゼ完了までの所要時間は課題だった五秒をクリアし、三秒まで縮めた。


ミュウとの組み手も最初のころは目で追うことができずにいたが今はかろうじて動きを視認出来る様になった。


ミュウとの訓練の中で気付いたのだがやはり俺はスピードよりパワーに特化している。


今は出来ない事をするよりも一撃の重さを上げていく様に意識している。


スピードについては母さんに思う所があるらしくその内指導してくれるとの事。


最近は前世で身に付けた空手をアレンジし、攻撃方法の組みたてもやっている。


父さんは俺の動きを見て関心を持ったのか、陰でこっそり空手の型を真似ていた。


そんなある日の、こと。


「ラリーゴ、今から森へはいるぞ。」


「今から?…構わないけど。」


「じゃあ私も。」

とミュウが自分もついて行く気満々でいると


「ミュウちゃん、すまない。今回は俺とラリーゴだけで行かせてくれ。」

父さんが申し訳なさそうに告げると


「分かりました。ラリーゴをマシラさんに貸してあげます。」

そう言ったミュウだが明らかにしょんぼりしているのが分かる。

だって猫耳がぺたんってなってるから。


「悪いな。じゃちょっと借りてくな。」

俺と父さんは森へ出掛ける事になった。



~森にて~


「ラリーゴ、お前に授ける物がある。」

なんだろう?


「父さん。いったい何を?」


「我が家に伝わる奥義だ。俺も親父に叩き込まれた。」

おおっ!一子相伝の暗殺拳みたいなアレか?


「父さん!是非!!俺に伝授してください!」

くぅっ!テンション上がってきたー!!


「良かろう。お前に授ける奥義は二つ。」

ゴクリ。


「『どんなにケンカしても必ず仲直りできる語録』だ!」

…おう。そうきたか。


「そして二つ目!『浮気がバレた時の言い訳語録』だ!!これ大事。ちょー大事。」

…父さん浮気した事あるんだ。へー。


「どうした、顔が変だぞ?」

顔の事は言うな!あんたと同じ顔だコノヤロー!!


「待ってよ父さん、俺はてっきり我が家に伝わる必殺技みたいなのを期待してたんだけど?」

俺はちょっとキレ気味で問いかけた。


「なんだ、語録は興味ないのか?とっさの場合に役立つぞ?ちょー役立つぞ?」

この人は本当にもう…


「いいよ俺は。浮気はしないしケンカしても絶対仲直りできるから。」

ぷいっと横を向いて言い放つ。


「必殺技じゃないならもう帰ろうよ。訓練の時間が勿体ないからさ。」

呆れた様に俺がそう言うと


「あるぞ、必殺技。」

え、あるの?必殺技!



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