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恋は盲目

恋は盲目。

言い得て妙というか、的を得ている言葉だと思う。

恋をすると、周りが見えなくなる。

かといって、恋した相手も眩しくて見えにくい。

恋は盲目。


しかし、恋は唖でもあるし、恋は聾でもあると思う。

恋をすると、単純な言葉さえ喉にひっかかって出なくなる。

気の利いた事を言いたいのに、どもりにどもって照れ笑いをする事になる。

恋は唖。


そして、恋をすると周りからの助言は一切耳に入らなくなる。

まるで、この世に自分しかいないように、周りの声は聞こえない。

悪い噂も、したり顔の助言も、シャットアウト。

恋は聾。


恋は盲目であり、恋は唖であり、恋は聾。


そんな前置きをして、私は恋をした。

年の離れた女の子だ。

まだ子供が抜けきれぬ年の娘に、年甲斐もなく恋をした。

女神。

私ははその娘を見た時、素直にそう感じた。

神々しさ。

眩しくて目も開けられないよう。

それからは自分でも浅ましいと思うくらい舞い上がった。

自分の年も、地位も、全て忘れて舞い上がった。

部下は悪い噂をしている。

同僚は心配して声をかけてくれる。

しかし、私の耳には届かない。

その娘に会うと、もうダメ。

口を半開きにした情けない顔で、ただその娘の可愛い顔を見つめるしかない。

道道でどんな言葉をかけようかとか考えた事は、その瞬間に砕け散る。

何も口からでてこない。

ただ、可愛い顔を見つめるだけ。

そして、夜が明ければ他人に戻る。

真っ赤な他人。

また、無双の夢想の日々がはじまる。


恋は盲目であり、恋は唖であり、恋は聾。

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