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女王陛下のお楽しみ

「空木」本編から切り離しました。2012年12月22日掲載番外編。中身に変更はありません。


 はあ・・・、と色っぽい溜息がユージェニー女王の口から漏れた。


「今年も、もう終わりねぇ・・・」


 新年までまだ一月余りあるが、歳暮れの行事や新年を寿ぐ式典の打ち合わせが既に始まっており、女王はすっかり年末気分である。


「今年もよく働いたわ、私・・・」


 俺の方が働いてる、とそばで書類を繰りながら女王の騎士はこっそりと考えた。


「何かご褒美が欲しいところよね」


 ぽつりとつぶやかれたその言葉に一瞬背筋に冷たいものが走り、止める言葉を口にするより早く女王は、ぱん、と手を打ち合わせた。


「決めた。年末の慰労会をやろう。余興にお芝居なんていいわよね」


 そして女王は騎士ににっこりと微笑みかけた。


「ね!」


 ・・・この笑顔が出ては、もう止められない。


「・・・左様で・・・」


 がっくりとレーヴェは答えた。ユージェニー女王の暴走が始まったのだ。






 女王から届けられた一通の通知に王城騎士団は恐慌をきたした。


「ア――――ヴィング!」


 その通知が貼り出され、王城騎士たちがその内容を知ったとたん、アーヴィングはつるし上げをくった。


「俺のせいじゃない~~~!」


 悲鳴を上げるが、誰も取り合わない。血走った目で口々にアーヴィングを罵り、衿を締め上げる。王城騎士団の中にあっても体術に自信のあるアーヴィングであるが、多勢に無勢ではどうにもならない。


「文句があるなら、ジェニに言ってくれー」

「言えるか、あほう!」


 袋叩きである。強い連帯で結ばれた王城騎士団においては前代未聞の集団暴行である。

 しかし、それも無理からぬことで、何しろ貼り出された女王の通知というのが・・・。



女王主催による女王宮および王城合同年末慰労会において王城騎士団は余興の芝居を担当すべし。

演目:シンデレラ

出演:王城騎士団員(男役、女役共に)。配役は追って通知。



 ウィスタリア女王国の次代のエリート候補ばかりが揃った王城騎士団のプライドは高い。こと職務に関しては如何なる内容であろうとも決して否はない。ましてや王家親衛隊でもあることからも王族の、殊に女王の命令は絶対だ。役者の真似事などという多少の恥も職務と思えば我慢もする。だがしかし。だがしかし、女役とは!

 王城騎士の中でもっとも女王に近しいアーヴィングが不満をぶつける生贄になるのは致し方ないことである。


「女王陛下に撤回してくださるように直訴して来い!」


 ついには王城騎士団副団長にまで首を締め上げられ、アーヴィングは失神寸前である。


「あら~。何だか楽しそうね~」


 そこにお気楽に笑いながらユージェニー女王が現れた。






「だからって! 何でそうなるんですか?」


 王城騎士団の詰め所でアーヴィングが暴れている。今この場で暴れる一番の権利を有しているのはアーヴィングなので誰もそれを止めはしない。なぜなら王城騎士団全員一致でアーヴィングと同意見だからだ。

 詰め所にはわざわざ女王がその騎士と共に足を運んでいる。そして先の通知にあったように配役を麗々しく発表したのだ。


「シンデレラなんて登場人物の半分以上が女性じゃないですか! 俺たちに女装しろとおっしゃるんですか!?」

「いいじゃない~。慰労会なんだから、楽しい方がいいでしょ?」


 楽しくないー! 居並ぶ王城騎士たちの声なき声を背に受け、アーヴィングは言い募る。


「だいたいどーしてシンデレラなんですか? 俺たちは一体どこの世界の住人なんですか!」

「そーゆー細かいことは気にしないの。それで、舞踏会の場面なんて、宝塚みたいに華やかにしたらいいと思ってね~。台本はフェルディナンドに頼んでおいたから~」


 タカラヅカって何ですか!? それに男ばっかりの舞台だったらむしろ歌舞伎でしょー!? 突込みどころが微妙にずれているぞ、アーヴィング。


「できません!」

「何でよ。台本からキャスティングまでこっちで準備してあげたんだから。あとは舞台に上がるだけでしょ、やってよー」

「できませんってば! だいたい何で俺がシンデレラなんですか! 俺は王城騎士団で一番でかいんですよ!?」

「主役なんだから、舞台栄えしなくっちゃね~」

「そーゆー問題じゃなくて! 何ででかい奴ばっかり女性役なんですか、変でしょーが!」

「余興だから楽しくなくっちゃ。キャスティングはアリシアと考えたのよ。やってね~」

「やりません! 父上! 何で止めてくださらないんです!?」


 いきなり矛先が向いて、レーヴェは慌てて目を逸らした。


「いや、だが、ほら、女王陛下の命令だし・・・」

「だいたい父上だって王城騎士でしょうが。何でキャスティングされてないんです!?」

「あ! それを言うな――」


 レーヴェが言い切る前に。ぱん、とユージェニーは手を打ち合わせ、にっこりと笑った。さっとレーヴェの顔から血の気が引く。


「そういや、そうね。レーヴェにも何か役をあげなきゃね」

「ま、待て、ユージェニー。俺は王族で――」

「継母! 継母役がいいわ。そうしましょう」


 あぁぁぁぁ。声なき悲鳴がレーヴェの口から漏れた。


「じゃあ、そういうことで、お願いね~」


 にこにこと上機嫌でそう言うと、ユージェニーはさっさと王城騎士団の詰め所を出て行った。


「・・・アーヴィング~。お前余計なことを・・・」


 女王についていかねばならない騎士は、しかしそこに留まり、恨みがましい目で息子を睨んだ。と、ユージェニーの呼ぶ声が聞こえた。


「ちょーっと。レーヴェ! 何してんのよ~」


 ぐるる・・・とレーヴェの口から呻きとも唸りともつかない声が漏れた。


「覚えてろよ、アーヴィング」


 そしてがっくりと肩を落としてユージェニーのあとを追った。

 王城騎士団は王家親衛隊。王族を守りもするし、女王の意志にも従う。今までだってずいぶんユージェニー女王の暴走に付き合ってきた。女王の暴走がどんなものかは承知している。だがしかし、自分たちがその暴走の標的にされたことはかつてなかった。

 ・・・我がウィスタの女神よ。どうかご加護を。

 しかしウィスタの女神は王家の女神。守るとしたら女王であって、俺たちじゃあないのかも・・・。王城騎士団は絶望的な空気に包まれた。






 数日後届けられたフェルディナンドの手になる台本は、誰もが知っている物語を壮大なロマンスに仕立て上げ、実に見事な出来だった。あの穏やかでまじめな学者にはこんな才能もあったのか。それを素直に認めることは・・・しかし、できなかった。

 だって演じるのは他ならぬ俺たちなのだから。


「いっそコメディ調に仕上げてくれればまだ救われるものを・・・」

「何ですか、とてもノリノリで書いていた、とアリシアが言ってました・・・」

「・・・すごいな。継母のいじめ、妙にリアルだぞ」

「あ。それ、レーヴェのリクエストだそうだ」

「・・・納得・・・」


 女装五人衆と呼ばれるようになった、シンデレラ、姉二人、魔法使い、王子の母王妃は頭を寄せ合って、暗く話し合っていた。

 当初継母役を振られていた王城騎士団副団長は、一時の解放をみたが、結局王子の母王妃役となってしまい、俺は継母か姑かよ、とはなはだショックを受けていた。ちなみに彼はレーヴェの同期にあたる。

 他にも女役を振られた者は多数いるが、ほとんどが舞踏会のシーンで踊るだけの出演なので、しぶしぶではあるが諦めたようだった。

 諦めきれないのは女装五人衆だ。

 もう一人の女装役者、継母役のレーヴェはすでに諦めているらしい。何といってもユージェニー女王の王女時代からその暴走に巻き込まれ付き合っているのだ。暴走を止めることは不可能と既に割り切って久しい彼は、いまや実の息子であるシンデレラ役者を舞台上でいたぶることに情熱を向けるつもりらしい。

 はあぁぁ~、と王城騎士団の中でも背の高い五人の男たちは深い溜息をついた。






 溜息をつこうが、勤労意欲が湧かなかろうが、職務は職務である。出演者は慰労会の日には全員非番になるように勤務シフトの調整がなされ、個別練習、合同練習のスケジュールが組まれ、大道具や小道具の制作も始まった。しかし衣装の作製だけは男の手には余るので、女王宮や王城の女官たちが応援に駆けつけた。本番では彼女らに化粧も施されるのだろうか・・・。やはり溜息しか出ない。

 くすくす笑いながらそれぞれの採寸をし、ふさわしい布を選んだりデザインを決めたりしている女たちの中には、セスもいた。


「女王陛下の暴走も、こういうのだと楽しいですね」


 冗談ではない。女装五人衆はそろって顔をしかめた。だが女たちは気にする様子もなく、笑っている。

 不満顔のアーヴィングに、セスはにこにこと笑いながら、意外とピンクが似合いますねえ、などと言ってくる。


「・・・勘弁してくれよ・・・」

「あら。こういうのは中途半端が一番つまらないんですよ。――どうせやるなら徹底的に。女王陛下とアリシア様のモットーじゃないですか?」

「そりゃ、彼女たちは過激だから・・・」

「ちがいますよ。そう思い切ることで覚悟が決まるし、できそうもないと思ったこともできたりするんですよ。レーヴェ様はもうお覚悟は決まってらっしゃるみたいですし。――どうせやるなら徹底的に、やってみられてはいかがです?」


 ふむ、と妙に納得してしまった。確かにそうかもしれない。早速女装五人衆は頭を寄せ合い、ひそひそと相談を始めた。






 壮大なロマンスにふさわしい舞台にしてやろうではないか。王城騎士団はそう決定を下した。出演者はもちろん大道具小道具の制作にまわった者も妙な手抜きはせず、本職顔負けの仕事をした。舞踏会のシーンもあることだし音楽も必要だと、王城の楽師らの協力も取り付けた。舞踏会のダンスシーンも女役は完璧な女性のステップをマスターした。衣装も女官たちよりも色やデザインにこだわり、舞台衣装としては類を見ない見事さで、かつらや付け毛なども用意した。脚本家フェルディナンドと共に解釈や演出について微にいり細にいり検討した。

 もともとが能力の高い者だけが残っている王城騎士団だ。その気になったら撃破できない敵などないのである。






 さて、衣装合わせである。女官たちが縫い上げてくれた衣装は、それぞれの役者の寸法に合わせてあるので、誰もがすっきりと美しく着こなしていた。もちろん元が男性であるので、女性の細腰の優雅さは望めないが、遠目には充分に女性らしく見える。他の出演者もかつらや付け毛、丁寧な舞台化粧を施され、男役も女役も一通り仕上がったところで、女官たちはめまいを覚えた。

 ・・・完璧すぎる。

 常にはたくましい体を制服に包んだ、いずれも凛々しい王城騎士たちが、これほどまでに美々しく麗しくなろうとは。ことに女役六人は、何といったらいいのだろう。

 悔しい。おそらくそれに尽きるだろう。魔法使いは穏やかで優しげな婦人だし、王子の母王妃は威厳溢れる高貴さ、意地悪な姉二人は高慢な美貌だし、継母とシンデレラにいたっては・・・。多少いかつくはあるものの、皆、女、というだけでは到底勝つことのできない女っぷりであるのだった。

 レーヴェの継母は実に妖艶な年増女で、年頃の娘二人がいながらシンデレラの父が篭絡されたのも当然と思わせるほどの美女だった。鏡の中の自分を見て、レーヴェは「・・・伯母上」とつぶやいた。それくらいニギディア女王に似ていたらしい。

 そして息子を振り返り、言葉を失った。


「・・・ジゼル」


 黒髪の付け毛をして化粧を施した息子は、顔立ちは父親と似ていたが、レーヴェには亡き妻にそっくりに見えた。ふらりと一歩踏み出し、亡き妻の名を呼び、息子の頭を胸にかき抱いた。


「うわぁ! 父上!」


 胸から響く、低い男の声にレーヴェは我に返り、さも嫌そうに身を引いた。そして天を仰ぎ、嘆いた。


「許せ、ジゼル。お前はこんなにごつくないし、はるかに美しい!」


 危うくくちづけするところだった、と言われ、アーヴィングは慌てて父から遠ざかった。シンデレラの髪が黒髪の付け毛から明るい色のかつらに変わったのは言うまでもない。






 様々に噂され、苦笑失笑をかっていた王城騎士団の芝居だが、いよいよ本番の慰労会当日、会場は満員だった。

 上は執政府首脳陣から下は下働きの小男小女まで、身分の上下を問わず、ぎっしりと詰め込まれている。王家の桟敷にゆったりと構えたユージェニー女王はご満悦だった。


「うーん。みんな喜んでるわね~。いい企画だったわ~」


 横でアリシア王女が肩を震わせて、大声で笑い出したいのを必死で堪えている。しかしその横のフェルディナンドは自信たっぷりに微笑んでいる。


「ふふ・・・。陛下ご自慢の王城騎士団、よい意味で陛下のご期待を裏切ると思いますよ」


 そして幕は上がった。






 最初こそごつい大男たちが演じる女性に笑いが起こったものの、いつしか会場の空気はすっかりと変わっていた。

 シンデレラを苛めに苛める継母親子は実に憎々しく、ことに執拗に過ぎる継母は会場中の憎しみと怒りを買った。やたらに背の高いシンデレラのけなげな姿に涙する婦人方がいた。やさしげな魔法使いの姿にほっとした空気が漂い、その魔法によってシンデレラが一瞬のうちに美しいドレス姿になるという今回取って置きの見せ場では歓声と溜息と満場の拍手が湧き起こった。舞台の裏と王家の桟敷で男たちが「よしっ!」とばかりにガッツポーズをしたのは言うまでもない。

 中だるみを防ぐため一幕劇として構成された今回の芝居、流れを止めることなく場面転換は行われ、しかしそのあまりの滑らかさに観衆はそのことにさえ気づかない。

 シンデレラはじめ舞台上の女性らの優雅な身のこなし、そこはかとなく漂う得も言われぬ色気。シンデレラの方が王子より背が高かろうが体格がよかろうが声が低かろうが、既にそんなことは観衆にはどうでもよかった。

 シンデレラに去られ、ガラスの靴を胸に抱き切なげに呻く王子。王子を振り切りながら、慕わしさに泣き崩れるシンデレラ。悲恋である。一大ロマンスである。会場のあちこちから啜り泣きが漏れる。

 そしてついにフィナーレが訪れ、めでたく王子とシンデレラが手に手を取り、微笑みながら城の階段を上る、というエンディングに、スタンディングオベーションが起こった。万雷の拍手、踏み鳴らされる床。会場には感動の嵐が巻き起こっていた。

 下りていく幕の後ろで、舞台裏で、王家の桟敷で。男たちは「よしっ!」と再びガッツポーズをとった。

 そう。観衆は既に役者が王城騎士であり、全員が男であることを忘れ去っていたのだった。






「いや~ん、すばらしかったわぁ! 感動しちゃった!」


 カーテンコールの後、楽屋を訪れたユージェニー女王は、感に堪えないというように拍手した。その表情は喜色満面、至極満足そうである。


「さすがは王城騎士団。下手な手抜きはしないわねえ。やっぱりあなたたちって最高よ」


 妙なところで褒められてはいるが、それでも女王の手放しの賛辞は名誉である。舞台衣装のまま出演者たちは深く一礼した。


「ねえ。私思うんだけど・・・」

「だめだ!」


 女王の言葉をさえぎるように、きっぱりとレーヴェが言った。

 自分の母親そっくりの女の顔で言われ、ユージェニーはたじろいだ。


「な、なによ?」

「だめです!」


 そこらの美女に負けぬほどの美貌で、アーヴィングもレーヴェと同じことを言う。


「私まだ何も言ってないわよ?」

「だめ!」


 親子がステレオで言った。そうして周囲も気がついた。


「いいじゃないのよ。毎年の恒例行事にしましょうよ!」

「だめです!!!」


 強い連帯で結ばれた王城騎士団全員の声が見事に揃った瞬間だった。









おまけ(フェルディナンド視点)



 書斎でのんびりと読書していると、レーヴェ様が訪ねて来られた。

 レーヴェ様がおいでになることは滅多にない。大抵は私の方からお伺いする。


「何か火急のことでも?」

「いや、台本の具合はどうだ?」


 女王陛下主催の年末慰労会で上演される王城騎士団による舞台の台本を任されている。最後の推敲を終え、明日辺り陛下に見ていただくつもりだったのだが、レーヴェ様はそれをご存知だったようだ。


「それならば、事前に見せてくれ」


 何気なくレーヴェ様は言われ、私も特に何も考えずにお渡しした。

 長椅子にゆったりと腰を降ろし台本に目を通されるレーヴェ様には、王の風格がある。この方が王であれば、今このように薄氷を踏む日々を送らなくともいいのに、とふと王家の一員としてふさわしからぬ思いを抱いてしまう。


「・・・生ぬるいな」


 ぽつりと言葉がもれる。その、常にない不吉な響きにレーヴェ様を凝視した。


「これでは足りないぞ、フェルディナンド。もっと徹底的にシンデレラを苛めぬけ」

「・・・は?」

「シンデレラが苛められれば苛められるほど、観客はシンデレラに同調し、最後にはカタルシスに陥る。・・・もっとだ」

「い、いえ、レーヴェ様。ですが、それではあまりにも継母が悪者になりすぎます。その必要はありませんし、演じられるのはレーヴェ様ですよ?」

「かまわん。芝居なのだから過ぎるくらいの方がいいだろう?」


 おそらく初めて見る、レーヴェ様の邪悪な笑みに私は言葉を失った。

 それは芝居をより高めるための助言などではなく、命令であるのは明らかだった。

 背筋を冷たいものが流れる。

 私は台本を書き換えた。横からレーヴェ様に覗き込まれ、こと細かく指示されたとおりに。

 そして最後にレーヴェ様は満足そうに微笑まれた。・・・邪悪な黒いオーラを発しながら。

 この方は王だ。この方に逆らうことなどできるはずがない。それでももしもこの方とアリシアが対立する事があれば、私はこの方と戦うだろう。

 だが今私は心に誓った。

 この方の恨み、それもごく個人的な恨みを買うことだけは決してすまい。うっかりと逆鱗に触れればどうなるか。


「愚か者め。己の迂闊さを呪うがいいさ」


 公然とご子息を虐待するおつもりですか、レーヴェ様。

 ・・・あなたの父君は恐ろしい方です、アーヴィング殿。なんて愚かなことをしたんですか・・・。

 この台本を読んで青ざめるシンデレラ役者の顔を思い浮かべながら、私は心の中で合掌した。





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