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ザインクラフト  作者: 白黒灰無
第三章

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拡張されるもの


「私はこれでも貴様のことを認めてやってるのだ」


認めて"やってる"ね 頼んでねぇよ…


「生体拡張による生体エネルギーの生成、そして生体力場の形成 精神拡張もそう」


優位な立場だからか、御高説が始まる


「科学の定義は再現性だが、我々の現代科学の目標は"拡張"にある 可能性を広げることが第一義だ だが貴様は個としての域を出ない どれだけ優れた技術や知識も"一惑星から出られないもの"は評価されない 歴史にすらなれん 貴様からは"遺跡"は生まれない 文明は残す"べき"であり、歴史に繋げる"べき"だ」


歴史を紡げ 

惑星を超えろ

全てを出し切れ


何やら意味深な事を言う だが


「"べき"ね 考え自体は理解できるし、否定もしない けれど、べきべき論はどれだけ良いものもゴミに変える 

頼んでもないやつに押し付けるもんじゃないだろ」


「なに?」


「何かを求める それが自分の胸の内から真に湧き上がるものなら、自分で生み出せばいい 他人の作ったものに固執する必要はないはずだ それが真に求められるものならばいずれ誰かが似たようなものを作るさ それでいいだろ」


俺は俺が満足するものを築く それでいい


誰かに認めてもらうためにやってるわけじゃない 


誰かに繋げるためのものでもない 


誰かと繋がることを否定はしないけど、本当に必要とされているかは重要だ 


理想を惰性に堕としてはいけない


「それにそんな大仰なもの、掲げられても俺には荷が勝ちすぎるだけだ」


全部が全部じゃないけれど

義務にしたその瞬間から腐っていくものってあると思う


今回のように、外からやってきてあれしろ、これしろ、あれ寄越せ、これ寄越せってのはうんざり


むしろ後半ただの物取りだし


俺はあまり好きな言葉じゃない




「……貴様は、私を愚弄しているのかね?」


「は? 急に何の話だよ?」



「できない奴が悪いと! 私ができないのが悪いと、そう言いたいのか!貴様は!」


え〜

そんなことひとことも言ってないでしょうが… 



「貴様のそれは甘えだ 小さな箱の中で閉じこもり、外に目を向けないのはただ逃げてるだけだ それでは何一つ問題は解決しない」


うぜぇ…

「なにについて話してるのか、もう少しわかるように話してくださる? 抽象的すぎますわ おたく基準でお話されても、わたくし、何のことか、わからんでござるよ?」


「きっさま! 私をおちょくっているのか!」


「夢見たんだろ? 俺に」


「なん、だと…!」


「他人に期待しすぎ きっとあいつなら、できるのに〜とかってのはさ、それこそ、甘え、なんじゃない?」


俺の夢が現実逃避? 自他の境界線にある認識上の誤差だな 俺は夢を叶える原動力だと捉えるね


こいつの言動は自分の夢を子供におっかぶせる親くらい狂ってる 


人間である以上、無理なものは無理だ


「殺す!」


「ころす」


俺達は再びその決定事項を口にした



「認めよう 貴様は強い! どうやらこちらの二機だけではまだダメなようだな 私も、参戦しよう」


ついにこの男も行動に移る

懐からタバコを取り出す


「言っておくがタバコのポイ捨ては極刑ものだぜ この町では」


「気にするな 死にゆくものが、健康被害など考える必要はない それにコレは単なる公害嗜好品ではない 科学兵装だ」


「余計悪いわ!」


タバコ型の武装 ザインクラフトを用いたカートリッジ型の使い捨て刻紋のようなもの、と考えればよいだろう


「我々は貴様のように刻紋と呼ばれるものは作れない 自分の存在の外に自己の存在を拡張する、表現するなどということは不可能だ ましてや他人に刻むなど… 自己の存在を弄ることはできても他者のとなると難易度は劇的に跳ね上がる なので、こうするのだ」


煙を己の内に取り込む 


「同化、か」


以前、ナギが色々俺の存在に色々ぶち込もうとした経緯を思い出す 何でもかんでも取り込むのは自殺行為だ

だが、相性のよいものなら幾らか取り込むことは可能だ


最もこの方法では自己の存在のキャパを圧迫する上、取り込むための永続的な存在の改築が必要になるが


ナノ粒子クラウド “情報を運ぶ媒体”


「私の惑星は精神科学が主流だ この煙も精神に影響を与える」


煙という形状から視覚、味覚、嗅覚を同時に扱える

…厄介だな


「私は精錬を研究している」


「は? なんだそりゃ?」


「精神を作り出す、ということさ 精神を組み合わせて別の精神体を作る 超能力の開発と言えば、わかりやすいか?」


「…エゲツねぇ 絶対に行きたくないな おたくの星には」


クズしかいない臭いしかしない


「何も知らぬから、そのようなことを言えるのだ貴様は」


「あ?」


「結局冬真の存在も、貴様には何らの影響を与えなかった」


なんだと?


「お前、冬真を知っているのか!」


「あれを貴様の下によこしたのは、私だ」


「言え! 冬真は、あいつは何者なんだ! 俺に虚無を差し向けたのもお前か!」


「ふっ 貴様が知る必要はない だが、私に勝てたのなら潔く答えよう ありえない未来だがな」


「ああ、そうかい…」

別に答えなくてもいいさ 殺すだけだしな うんうん


「この星の外では多くの問題を人類は抱えている、私も、冬真も大きなうねりの中にあるのだ」


「たいへんですね〜(棒読み)」

会話はやはり通じないらしい 



「まずは、見かけ倒しかどうか、試させてもらう!」


俺は扇を仰ぎ、煙を消し飛ばそうとする!


「なるほど、いろいろとできるのだな その武装も だが 真冬」


そう言うと、トリムがノインツェンの下に転移してきて変形する 羽根のようなものを広げる そこには文様の入った眼のようなものがあり、精神波動を撒き散らす

煙はその精神波動を吸い込み、性質を変化させる

先ほど言っていた精神の結合が変形してる



トリムの精神波動で、煙が固定されている

それだけではない 膨張する煙が色彩を変えて、牙を剥く!


球体のようなものがボコボコと連鎖して、鎖のように繋がる


それを振るう 俺は駆け、それをかわす しかし

力強く煙のほうへ引き寄せられる 

 

煙の中に取り込まれる


肺に入る煙の影響でこちらの存在処理能力を圧迫してくる! 


「驚いたかね? 確かに貴様のようにブランクを用いたウィルスを作ることはできないが、自分の存在エネルギーを用いて作る分には、可能だ」


視覚、味覚、嗅覚からウィルスを放り込んでくる その対処に追われる

加えてトリムの精神波動を超えた精神力場がこちらの存在強度をゴリゴリに削り始める

防護殻プロテクトシェルによる在核の保護により、事なきを得ているが、放置すれば致命傷になる

虚無の力で書き込まれるウィルス情報が完結する前に消去し続ける

均衡は一瞬、俺のほうが僅差で上回り、煙を断ち切って脱出する



即座にトリムに突進を繰り出す 

ルートがレーザーを繰り出す ノインツェンもトリムと連携し、煙の形状を変えてこちらを襲い来る



「レーザーが一つでは物寂しいだろう 少し数を増やしてやろう」


四つの生体レーザーが飛んでくる 

クソ野郎が!


まるで集団で狩りをする生き物かのようにこちらの周囲をぐるぐる回り、こちらの処理能力を超えようとしてくる 左右前後から攻撃を繰り返す 


間一髪の下に攻撃を回避する 全ての処理能力を回避に専念した ほとんどこちらの限界ギリギリだ

オーバーヒートしそうなほど、激しい動きで町中を駆けずり回りながら回避し続ける


その上、地面が波打つ 

足が吸い付くように地面と接着する

精神波動を地面に馴染ませて属性を変えてくる

粘りつくような精神攻撃を受ける

物性を掴んでいる 間違いなく界触覚系だ


ならば


「コードを実行する テーマ:《透ける世界》」

世界の観え方が変わる

サイバー空間のように世界を線画で描画する


ブランクバレットを構え、地面に撃ち込み、精神的認知飽和を促す 

処理能力を超えた精神は飽和し、注意が散逸する

物性を捉えきれなくなり、ただの地面へと回帰する

こちらを直接狙った攻撃は黒鎌で消滅させる


そしてトリム・マライに向けて撃ちまくる

トリム・マライはそれをかわすでもなく、防御する

精神波動を用いたサイコフィールドの展開


しかし俺の透ける世界を用いたバレットはサイコフィールドをすり抜け、トリム・マライはまともに直撃し、フリーズする

壊れたテレビ画面のようにフリーズしたまま、存在処理にノイズが走っている


そこにすかさず突進し、攻撃を打ち込む!


ギャリギャリと削る異音を上げる 物理的な音ではない

セプテントリチウムは壊さない

黒鎌で消すわけにはいかない

持ち帰って解析する


だから精神エネルギーの供給器官を削ることにした 

精神エネルギーで動いているのならその供給源を断てば動けなくなるのが道理


存在維持は発動しない フリーズしてる間に断ち斬る!

しかし レーザー砲がこちらを引き離すように一斉に攻撃してくる トリム・マライを巻き込んでまで!?

正気かよ!


距離を取らざるをえなくなり引き下がる


クソ!

だがトリム・マライは今ので壊れた

最善ではないが、敵が減った そう思った時…



ルート・ピットが転移し、風が鳴る


壊れた残骸へ静かに息を吹きかける


淡い光

裂けた装甲が、音もなく閉じていく


「……は?」


傷が消える


内部の核が再点灯する


生命エネルギーを含んだ生体息吹


おいおい 一応機械だろうがよ 

バイオメタル技術まで組み込まれてるのか?


「クソゲー!!!」

全回復系ボスは嫌われるぞ! 

ちっ 先にルート・ピットを破壊するしかないな


「ふむ…」


ノインツェンは片眉を上げる


「今のはなぜ、すり抜けたのかね?」


教えるわけねぇだろタコ


「はぁ」


何ため息ついてんだよ 

ハラたつぅ〜



「貴様は技術を独占しすぎる だから嫌われるし、こうして敵も多く作るのだよ」


「それは顔は目立つから腹を殴れっていういじめっ子理論だろうが」


毎日お小遣いくれるなら守ってやるという加害者の理屈だ 



「やはり、貴様は存在の構造、超立体構造がみえているのか?」



「ペラペラとしゃべりながら死ねよ」


神風が鳴る 場は整った 


俺はノインツェンに向かって突進する レーザー砲も俺を追いかけてくる


「馬鹿の一つ覚えかね?」


レーザー砲が俺の後ろではなく、側面に回り込み、挟み込むように包囲する


この角度なら間違ってもノインツェンには当たらないだろう

奴も確信している


冬は構わずにこちらに踏み込み、一瞬止まる 

回転し、攻撃を振るおうとする 


こいつ、死ぬ気か?


その刹那、神風が鳴る


耳飾りが拾う、微細な“運流”を


精神力場による場の乱れ 


そこに刺し込むように

先ほど地面に撃ち込んだのは、単なるウィルスバレットではない


世界の界触覚に、微細な演算誤差を差し込んだ



間違いなく、それは当たった、はずだった 


殺到する光の槍が冬を次々に貫く 


それなのに 


光は冬に直撃した瞬間、ノイズが走り、ブレる 

冬の身体の周りをバグったように行ったり来たりと旋回を始め、加速する

冬はさらに回転し、そのブレは大きくなる

高密度に膨れ上がる光


「何を、している?」

ノインツェンの表情に陰りがでる


冬の周りの色が反転、明滅する

影の動きが不自然に揺れる 

音の響きがおかしい

明らかに異常をきたしている! これは何だ!

身動きは取れない 動くよりも速く敵の刃がこちらに迫る 加速する思考の中でノインツェンは最後に聞いた


「消し飛びな」


「光を吸収? 違う これは…!」


冬の回転が乗った斬撃がこちらへと向かう 

地面を、大気を、一瞬で灰燼にするほどの高密度のエネルギーの奔流がノインツェンを飲み込む

凄まじい衝撃と光熱で辺りごと吹き飛ばす

ノインツェンの煙もトリムの精神力場も意味をなさない


透ける世界を使って当たり判定をいじった

さらに確実性を上げるために乱数の運流を拾うことにした 精神力場による場の乱れは容易くバクを挟み込むのに適していた


兆知輪:神風――運流を音で拾う耳飾り型の刻紋

微細な運流を聴き取ることができる

運は冬には触れない 

これはいわば運の力場を聴き分ける刻紋


透ける世界と兆知輪神風を用いた当たり判定の乱数と座標、炸裂の時間差をほんの一瞬だけ後ろへずらす 

戦闘中を考えれば光学兵器のようなものにしか使えない裏技のようなもの 使い所は恐ろしく限られる上に難易度も高い まさしく神頼みに近い離れ業


世界の感覚器の一つ、界触覚に意図的に物理演算バクを引き起こすよう奴の超能力による干渉をハブにして場を弄った 世界にわずかな矛盾の穴を空けるようなもの 俺はこれをコリジョン・スクランブルと呼んでいる



「ふざけたやつだ このような曲芸もできるらしいな」


憎々しいように吐き捨てる


これでも死なねぇのかよ…

てか なんだ? あれは?


「まさか 切り札を使わされるとは思わなんだ」


身体の半分近くが吹き飛んだ状態だったが、近くにいるルート・ピットがノインツェンに寄生、いや 合体して細胞を修復している 存在維持は使えない 存在強度が爆発的に乗った今の攻撃を、ヤツ自身の存在強度では押し返せないのだ


「こい! トリム・マライ!」


残りのやつとも合体か? 

させねぇよ! 

俺は右手でブランクバレットをトリムに、左手をルートに向けて放つ


「くっ! 小癪な なぜだ スペックはこちらが圧倒しているはずだ!」


「そりゃおたくがヘタクソだからだろう?」

スペックで上回っていても使い手がヘタならそれまで


どこまで行ってもあんたは学者で、戦士じゃない

机の空論が世界の真実と信じてる そんな奴だ



「貴様は本当に不愉快だ 貴様は宙で何が起こっているか 考えたこともないのだろう? 考える頭がないのではない 貴様は考えようとすら思っていない つまるところ、興味がないのだ 自分の世界以外がどうなってるのかなど 自分さえよければそれで良いのだろう、貴様は!」


「そっくりそのままお返しするぜ」


厚顔無恥が過ぎる、自宅で鏡をみる機会に恵まれない奴と遭遇する機会がありすぎる


自分の都合で他人の生活をかき乱す奴が口にしていい言葉ではないと思う


存在処理がオーバーフローし、トリムもルートもフリーズする 


時間は与えない 

ルートの方の生体エネルギー器官を切除する 

再生に膨大なエネルギーを使い、疲弊してるタイミングでの一撃は容易く刃を通した

再生能力が機能不全に見舞われる


「ごぼっ!!」


大量の吐血をするノインツェン


「おのれ 忌々しい 貴様のような小僧が なぜ選ばれた! なぜそれが私ではいけなかったのだ! 私なら 私であったなら! 貴様の存在は罪だ 才能あるものの責務を果たさぬ貴様を私は蔑如する! 凡俗がいくら努力しても手にはいらないものを貴様は持っている どれだけ焦がれても、どれだけ願っても 

可能性を見せる夢 できたかもしれないと思わせておいて何も与えない そんなものは、存在していること自体が罪なのだ! 何もしないなら消えてくれ 何も救わないのなら、生まれてさえこないでくれ!冬!」


才能はあった でも届かなかった

努力した でも手に入れられなかった

賭けにも出た 失っただけだった


ノインツェンの片目の眼帯が取れる


「なんだそれ?」


そこにあったのは 眼球の中を無数に蠢く異業の何か


「これが、禁忌を犯したものの末路だ」


「貴様は死者の蘇生に成功した 私は失敗した」


「あ?」


「妻を、生き返らせたかった 私は人の本質は精神に宿ると信じていた いや、盲信していたのかもしれない」


「この世に一度生まれ出でたものなら、その残滓、欠片を集めて、繋ぎ合わせれば、再び再帰させることは可能だと」


「それで禁忌、ね」


「それは、人の身を超えた願いだと 神の領域なのだと! 禁忌を犯せば罰が降るのだと!くだらぬ 一度の失敗ごときで諦めきれるのならばその程度の願いだったと言うことだ 失敗して諦めろ? 愚か者共が 失敗してからが本番なのだ できぬことを超えてきたからこその発展だ 成果が残らぬことこそ最大の罪よ 残さぬものも私は許さぬ 神などと蒙昧なものを盾にして、慎ましやかに自然に委ね、耐え凌いでいれば救われると思っている とんだ間抜けどもよ 神が、たとえいようと、いかなかろうと我々なんぞに興味などあるものか! 人の業も人の徳も 人が積み上げるものだ 神のものではない!

だがもし神にならねば救えぬのなら、私は神にでもなってみせる! 笑いたければ笑え 私はいくら嘲笑われようとやめぬ!」


ああそうだ 笑いたければ笑え! たとえ誰に何を言われようと私は…


「笑わねぇよ」


「…なに?」


「お前の言うとおりだ 人を生き返らせることが罪だということはないさ やり方さえ間違えなければな あんたはそこを間違えたけどな」


「私が間違えた、だと…?」


「どれだけ完璧な技術でも人が間違えることはある

それが幸福に繋がるとは限らない」 


「貴様は私に説教するつもりか? 私に同情してるのか!」


「まさか 俺はあんたに興味がない あんたがまだ生きてるのは、偶然がほとんど 残りはまだ聞くことがあるから まぁ9割方殺すけど」


「ッ!!」


これだけの事態を引き起こしたやつを無罪放免なんてありえない


「ただ残り1割があったことを考慮して、あんたの大切な人が可哀想なことにならないように言っておく 多分、あんたの大切な人が仮に生き返ったとしても、あんた以上に苦しむよ 俺がそうだった 経験者の話さ」 


その手の技術は個人の問題で置いておかれない 

必ず外野が口を挟んでくる


「それをわかっていてなお、"なんでも" なんて言うのならそれは無責任だ 少なくとも、やる側が相手の気持ちを蔑ろにするな やるなら、ちゃんとやれ ちゃんと救え」


麗のことを想う

間違えたのはなんだったのか、タイミングか、時代か、あるいは人間がまだ未熟ゆえか ふっ きっと欺瞞だな 人間はおそらく永遠に未熟の柿だ


だとしても、俺は四季を創ったことを罪だとは思わない 

あいつを創って良かった 


今でもそう思う 


あいつと会えてよかったんだ でも


例え自分が良くても周りが許さないことはある 


周りを全て根絶やしにでもしない限り、自分の理想が作れない そういう状況だって あるんだから 

だが…


良いものも悪いものも、同時に存在してるのが世界だ 


その複雑さがより、苦しみを増す 


だから人生は痛いんだ


決して誰とも分かち合えない痛みってのがある


「四季は俺の手元にはいない ほうぼう探しても見つからなかった それは逆を言えば人の身では探れない場所にいるということだ もう、この星にはいない気がする」


ノインツェンは黙り込み、うなだれる


「無駄話はここまで…そんで、終わりだ」


俺は拳を振り抜く 

ノインツェンの顔を捉え、鼻骨を粉々にしながら吹き飛ばす ノインツェンは意識を失い、その場に崩れ去る


これで戦いは終わった 

終わった、はずだった



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