5 好感度より大事なのは
今回はちょっとだけ真面目?
私は『好感度』という言葉があまり好きじゃない。
昔は嫌われていた芸人がYouTubeで活躍していたりするのを見ると、結局好感度ってなんやねんって思ってしまう。
「べつに」発言でとある女優さんが叩かれていた時も、私は彼女をカッコいいと思った。
アイドルのオーディション番組で、人柄審査の為か、他の子の歌やダンスをみんながニコニコと笑顔で見ているのにも違和感を抱いた。ライバルなんだから、睨みつけたっていいじゃん。『いいコ』でいなくなって、嫉妬しあったりぶつかりあったり、もっとバチバチでもいいじゃんと。
結局『好感度』って、その他大勢が好きなものでしかない。好きか嫌いかは自分の物差しで測りたいから。
なんて尖った前置きを書いてしまったが、小説でキャラを創る時には、この『好感度』……すっごく気にする。
というのも、処女作でヒロインのキャラ作りに失敗したからだ。(おしっこ我慢したヒロインね)
二人のヒーローに力を入れすぎて、ヒロインのキャラ設定がおざなりになった結果、男達を手玉に取るあざとさ全開キャラになってしまった。
短編ならともかく、長編は長い間読者様にお付き合いいただかないといけないのだから、やはり『好感度』を意識して描かなければと思った。
異世界恋愛の読者様はほとんどが女性だろうから、女性が好むヒロインを模索しようと。
そこで、色々読んだり描いたりする中で、好まれるヒロインの型を三つ見つけた。
但し、分析したり統計を取った訳ではなく、作者が肌で感じたことを適当に書くだけなので、参考にはしないで欲しい。
① 健気で優しくて、自分よりも常に他人を優先するタイプ。『いいコ』のお手本。
(虐げられ系に多い)
② 頭が良くて自立している。自分の能力でヒーローを開花させるタイプ。
(もう遅い系、お仕事系に多い)
③ とにかく個性的。愛嬌で周りを虜にしていくタイプ。
(ラブコメに多い)
①~③のタイプを、私が一通り描いてみた中で、一番なろうでのポイントが高い作品のヒロインは①。二番目に高い作品も①。
だけど、平均ポイントが高くて、作者も描くのが楽しいと感じるのは③。
一番難しいのは②。だって自分がバカなのに、頭のいいヒロインなんて上手く描けない。
成長して①から②になったり、①と③の同居パターンも多いかな。
でも大体はこの三つなんじゃないかと。
あとよく言われるのは、欠点を描いちゃいけないってヤツだけど、私はこれは無理。
②と同じで、自分が欠点だらけなのに欠点のないキャラなんて描けないし、正直共感も出来ない。
以上のことから、私のヒロインに一番向いているのは、③なのだと理解している。おバカでも構わないし、暴走しても愛嬌でカバー出来るから楽だ。欠点があっても、読者様に許してもらいやすい。
②を描けたら作品の幅が広がりそうだけどね。
今年、③タイプのヒロインが出てくる作品をとある賞に応募した。落ちてしまったけど、150件以上の分析レポート(審査をしてくださった方の感想みたいな感じ)をいただき、すごく参考になった。
その中で何より嬉しかったのが、『作者のキャラや物語に対する愛を感じた、脇役も大好き』というお言葉だった。
これは……泣いたよ。
一番大事なのは、『好感度』よりも、作者が自分の創り出したものを誰よりも愛してあげることだと思った。
逆に読者様は、愛のない作品をすぐに見抜いてしまうのだとも言えるから。
現在連載中の作品では、あえて『好感度』の低そうなヒロインを描いている。
合コンに居たら、男性ウケはいいけど、女性には真っ先に嫌われるタイプだ。
だけど私は、何故かこういうタイプの女性が昔から好きだ。だからたとえ読者様に嫌われても、愛し抜いてあげる自信がある。
それでもたまに『好感度』に疲れたら、短編で息抜きしている。
ポイントもPVも気にしない! 性癖盛り沢山で、好きなように描くのさっ。
☆おすすめ漫画⑤
『あなた! 私、ストライキします』
作画:Yeseul先生 原作:Ko eun chae先生
愛もお金もない不幸な結婚生活を10年間も送ったカシアは、領地の為に散々働いた挙句、不治の病で亡くなってしまう。
ところが目を覚ますと、夫ジェスターとの初夜の翌朝に戻っていて……もう前みたいな人生はこりごり、働かない! ストライキする! と決意する。
最近読み始めたのですが、こちらは……今までに読んだ異世界恋愛の中で、一番恋愛シーンが多いんじゃないか? と感じている作品です。
不器用で繊細な夫のジェスターが、とにかくムキムキわんこで可愛い! 逆に妻のカシアは、強くて聡明で美しい。
相性抜群の二人にキュンキュンの連続で、恋愛好きの方には非常に満足度の高い作品だと思います。
またまた韓国の作品、そしてピッコマだけの配信かも?
電子書籍のサイトは色々利用しているので分からなくなります。