4 ヒロインの排泄問題
お食事中はご遠慮ください。
異世界恋愛のヒロイン、みんなトイレに行かせてる?
長旅の車内(馬車)とか、意識を失って寝ている間とか、どうしてるんだろうって気になる?
小ならまだしも、大は? とか。
私は全然気にならない。ドレスのまま草むらで……とか、尿管カテーテルとかオムツとか考えたら、西洋風ファンタジーの世界観がぶち壊しだし。
けど、自分の作品で、どうしても突っ込みたいシーンが一つある。
それはヒロインが準ヒーローに騙され、船に乗せられるシーンだ。
騙されると言っても、準ヒーローはいい奴。愛するヒロインをヒーローの元へ返す為、敵の目を盗みこっそり船へ乗せるという感動的? なシーン。
「帆の魔力と水の勢いで、明日の夕方迄には着くと思うよ」
えっ……ちょっと待って。
今、夜の10時過ぎなんですけど。ここから明日の夕方迄船に乗りっぱなし?
(距離の設定は今更変えられない)
しかもしかも、魔力で姿を消して、兵にバレないように積み荷に潜んで乗るという過酷な状況だ。
間違っても、「おまるありますか?」なんて訊けない。
ヒロインの気持ちを作者が代弁しよう。
『ねえあんた、ドヤ顔で言ってるけど、最低でも18時間はかかるわよ。何も知らされずに、一時間以上かけて船着き場まで歩いて来たんだから、今の時点でもう膀胱パンパンなんですけど。責任持って、姿と一緒に尿意も魔力で消してよね!』
……もちろんこんなことは言わない。
涙、涙の切ない別れのシーンが繰り広げられる。(水分全部流しとけ~)
とりあえずヒロインを船には乗せたけどどうしよう。姿は透明な訳だから、音を立てずにこっそり甲板へ出て、河へ向かってしちゃう手もある。
でも柵?とかあるよね。男性ならひょいっと用を足せるかもしれないけど、女性は難しいんじゃないか……
しかもチョロチョロ音がしたら、兵に気付かれそう。(船の操縦も兵)
少し悩んで、まあいっかと諦めた。突っ込んでくださるありがたい読者様がいらっしゃった時は、「魔力で尿意も消しています」って言えばいい。
だけどそんな心配は杞憂に終わる。だって全然読まれなかったもんね~読まれたとしても、他にも文章力だの誤字脱字だの設定の粗だの沢山問題がありすぎて、ヒロインの膀胱なんか誰も気にしない。
やった~~~!
結局ヒロイン、着いてからすぐ盗賊に追われて走る羽目に……
本当はすぐにでも用を足したいだろうに。お気の毒。
ちなみに別の作品で、手枷で監禁されていたヒロインは、侍女が鍵を外してトイレに連れて行くとちゃんと書いておいた。さすがに心配されそうと思って。
あと、あえて人間味を出す為に、トイレに行かせたヒロインもいる。尿意も利用次第で、物語のスパイスに。
そういえば、西洋風ファンタジーのトイレってどんなトイレなんだろう。おまるみたいの? それとも汲み取り式? 下水道はあるのかな?
前にシャワーからお湯が出てきた作品を見かけて、感動したこともあった。ここの世界はこんなに文明が進んでるんだ! って。
異世界なんだから作者が自由に決めて良いのだろうけど、読者様が違和感を抱かないようにと考えると難しいよね。私は結局、風呂を沸かすのも、船を遡らせるのも魔力に頼ってしまった。
魔力、魔法。文明のチート最高!
だって考えるの面倒臭い。
☆おすすめ漫画④
『めでたく候』
藤村真理先生
5代将軍・綱吉の生母『桂昌院』の人生を描いた、日本一のシンデレラストーリー。
昔大奥のドラマが好きでよく観ていたので、こちらにもハマっています。
この作品の家光さんがカッコいい♡
あの世で、先に亡くなった人達と一緒に人生を振り返る構成も好きです。