2 性描写は詩のように
『恋愛』を描く上で、最も悩ましいのが『性描写』ではないだろうか。
R18はまあなんとなく分かるけれど、R15ってどこまで? と。
私自身も、正解が分からないまま、ずっと手探りで描いていた。
今回ネトコンに応募している作品(R15指定)が、ありがたいことに公式感想をいただけた(警告がなかったので勝手にセーフだと思っている)ので、悩まれている方の参考になればと思い書かせていただく。
(あくまでも参考に留めてください。執筆は自己責任でお願い致します)
まず今回の作品では、番外編を含め性描写が二ヶ所ある。(軽いキスは除く)
夜から朝にスキップするお約束の形だが、問題はその導入部分だ。
おそらくセーフだった(?)と思われる箇所を、以下に抜粋する。
◇
立ち上がり、一歩踏み出しただけで容易に彼女の前へ立つと、柔らかい腰を引き寄せた。ふわりと鼻腔をくすぐる石鹸の香り。
身体の芯から放たれる熱に、さっきまでの涙が、ヒリヒリと刺激を伴いながら蒸発していく。その刺激が、自分を“男”から、更なる何かへ変えた。
《中略》
何か言おうと開きかけた彼女の口を、自分のそれで塞いだ。
薄くて、柔らかくて……とにかく優しい。
ぽかんと開いたままの扉から、更に深い場所に侵入し、有り余る熱で口内を燃やしていく。熱くて甘くて熱くて……舌が熔けてしまいそうだ。
《中略》
濡れた唇をペロリと舐め、甘い余韻を楽しむと、視界を隠す邪魔な銀髪を後ろに掻き上げた。
この期に及んで身体を起こそうとするフィオナに、体重をかけ、ぐっと押さえつける。柔らかい彼女と密着したことで、痛みすら伴う身体の一部に感動を覚えた。
《中略》
ああ、どうしよう……怯える彼女を見ても、熱は収まるどころか高まるばかりだ。
すぐ傍で轟く雷鳴が熱情を煽り、彼女の芯へ向かい一気に加速した。
◇
作者はこれを、このヒーローの名を取り『レオライン』と名付けている。
このラインを越えないよう注意し、今後も描いていこうと。
出来るだけ直接的な表現は避け(具体的な身体の部位、その名称など)、かつ、どのような行為に及んでいるかが読者様に伝わるように努力はした。
(伝わっていなかったらすみません……)
相手に触れた時の熱、感触、香り、味などを、出来るだけ詩のような、美しい表現を意識して描けば大丈夫なんじゃないかと思っている。
もちろん性描写がなくても、素晴らしい恋愛作品は沢山ある。ただ、性描写のボーダーに気を取られるあまりに、縮こまった作品になるのは避けたいというのが自分の考えだ。
愛し合う男女が行為に及ぶのは、当然の流れなのだから。
とはいえ……そろそろ導入部分もネタギレだ。行き詰まると、
『◯◯を✕✕して△△した。いやん♡』
と、もうストレートに描いてしまいたくなる。
何かいい表現ないかなあ……
そもそも文章を書く基礎力がないんだから、ハードルが高すぎなんだってば。
そして最後にもう一度、執筆は自己責任でお願い致します。
(ちなみにとある作品で、ヒロインが全裸に手枷で監禁されるシーンを描きましたが、今のところ警告はありません)
☆おすすめ漫画②
『冷血公爵の心変わり』
作画:Eddie先生 原作:Bandalbanji先生
伯爵家の私生児エルインの愛の魔法により、二重人格になってしまった公爵ロアン様。二人の命がけの結婚生活を描いたお話です。
魔法が切れて、溺愛公爵(妻を愛しのカナリア呼び)から冷血公爵(妻を貴様呼び)に切り替わる瞬間が最高に面白い!
可愛い、面白い(ギャグ満載)、切ない……の三拍子が揃った大好きな作品です。作画も可愛い♡
こちらも韓国の作品です。