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#21 事後




 直ぐにハナちゃんと一緒に男性と女性の教師がやってきた。

 女性教師がセツナさんに駆け寄り、僕は男性教師に部屋の外に連れ出された。


 僕とハナちゃんはそのまま近くの会議室に連れて行かれ、事情聴取を受けた。

 僕もハナちゃんも、知っていることを正直に全部話した。



 今日は会長からの連絡があり、放課後の生徒会は休みになっていたこと。

 月末の報告書を家に持ち帰ってやろうと思い、書類を取りに生徒会室に行ったら会長と安井君がセックスをしていたこと。

 安井君は直ぐに逃げてしまったこと。

 僕があの場で会長に聞いた限りでは、無理矢理ではなく合意でセックスしていたこと。

 会長と安井君がそういう関係であることは、今日初めて知ったこと。

 僕と会長は2ヶ月ほど前から交際していたこと。



 気が付くと、会議室には他の教師達も頻繁も出入りしていたけど、僕の話を聞くと全員黙ってしまった。

 ハナちゃんは、僕の隣で静かに涙を零していた。

 僕は、なぜだか泣けなかった。


 会議室は、残った教師たちの溜め息だけが聞こえていた。







 この日は、担任の先生が車で自宅まで送ってくれた。


 家に帰るとハナちゃんから着信があり、話しをした。



『ムギ、大丈夫?』


『あんまり大丈夫じゃないかも』


『そうだよね・・・』


 ハナちゃんは、いつもの口調と違って、凄く落ち込んでいるのが分かった。


『ムギ、生徒会どうする?』


『続けられないよね・・・今日のこと思い出しそうで、もう生徒会室に入れないよ』


『そうだよね・・・私も』


『明日にでも顧問の先生のところに二人で行って、退会の申し入れしようか』


『うん、そうしよ』


『来栖先輩にもお詫びしに行かないとな・・・・』


『うん、それも一緒に行こ』




お互い言葉が続かなくなり、僕からセツナさんのことを話した。


『ごめん、セツナさんと付き合ってたこと、黙ってて』


『ううん。気付いてたから大丈夫。 それよりも、私もごめん』


『うん? なにが?』


『安井君のこと。 あの人が前から会長のこと好きなの気付いてたの』


『へーそうなんだ』


『うん。 前に池内さんのことで色々会議してたことあったでしょ? あの時会長が『ムギと交際解禁時期』とかホワイトボードに書いたの見て、あの人、顔色変えてたの』


『なるほど・・・』


『多分、あの頃からだと思う。安井君が会長になんらかのアプローチをしてたんじゃないかな』


『そういえば・・・あの頃、セツナさんの様子がおかしいことあったね。 確か僕とハナちゃんで放課後マックに行って、そんな話したよね』


『うん、そんなことあったね・・・ならあの頃から関係があった可能性あるのね・・・』


 ってことは・・・その日にセツナさんから連絡あって、次の日セックスしてるじゃん。


『ごめん、頭痛くなってきた。 もう休むよ。明日、一緒に職員室に行こう』


『うん、こっちこそごめんね。 わたしもショックが大きくて、誰かと話してないとおかしくなりそうで。でもこんな話、ムギにしか出来ないし』


『大丈夫だよ。僕も同じだから。 それじゃあね、おやすみ』


『うん、おやすみ』



 もう何も考えたく無くて、この日は直ぐに寝た。






次話は本日17時公開

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