#16 アポ
その後、カナちゃんに送ったメッセージに既読は点いたけど返事は無かった。
生徒会室では3人が相変わらず言い争っていたので
「カナちゃんと話し合うのに早めに帰って備えておきたいので、そろそろ帰りますね」と言うと、「待って! 帰るなら私も!」とセツナさんが言って、ようやく言い争いが治まり解散することになった。
セツナさんと一緒に帰り、今日は地元の駅で別れた。
駅から一人で歩いて帰る。
しばらくして自宅が見えてくると同時にカナちゃんの家も見えてくる。
すると、カナちゃんの家の玄関から人が出てきた。
カナちゃんちのおばさんだった。
「おばさん、こんにちは」
「あらムーくん、お帰りなさい。 カナは一緒じゃなかったの?」
「はい、帰りはいつも別ですよ」
「え、そうなの? おかしいわね。 あの子最近いつも遅いからドコ寄り道してるのか聞いたら、『いつもムーくんと買い物とかカラオケ行ってる』って言ってたのに・・・」
「はぁ、そうですか・・・高校入ってからは一緒に帰ったり寄り道したことは1度も無いですよ。 多分クラスの友達と遊んでるのを面倒で僕の名前出したんですね。特に意味は無いと思いますよ」
「そうね・・・あ、ごめんね、引きとめちゃって」
「いえ、それじゃ」
そのままおばさんと別れて自宅に入る。
おばさんが言ってた話は、考えたところでカナちゃんがどうして僕の名前出したのか分かるわけないし、せいぜい都合が良いから利用されてるんだろう。
気にしないのが一番。
どうせ、今夜別れるんだし。
自室に入り、部屋着に着替えてスマホを確認したが、相変わらずカナちゃんからの返事は無かった。
困ったな。
時間の都合が解らないと、直接会って話が出来ないな。
もう一度メッセージ送るか。
『今夜都合悪い? 返事待ってるね』と送り、充電器に繋げてしばらく放置した。
机に向かって勉強をしていると、母親から夕飯に呼ばれたので食卓に行って夕食を食べてまた自室に戻ると、カナちゃんから『20時以降なら大丈夫』と返事が来ていた。
『了解。 20時になったら迎えに行くから、公園で話したい』と送り、既読が点いたのを確認して、再び勉強を再開した。
次話は明日7時公開