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チョップ×チョップ

作者: 丸井

高校生にもなって、友達も出来ず一人でいる。けど鮫嶋だけはいつも僕のとこに来て僕を虐める。


そんなある日もまた昼休みとなった。


ボクを虐める鮫嶋は今日はまだ現れていない。

いつも通り食べる相手のいないボクは、今日もまた教室で一人母親の作ってくれた弁当を食べている。おいしい。

手作り弁当を毎日、早起きをして作ってくれている母親には頭が上がらない。感謝しかない。


弁当を4分の1ほど食べ終わったときに鮫嶋は今日もまたやってきた。


「やぁやぁ、田中くん。今日も一人でご飯食べてんじゃん。やっぱり君には俺しか友達がいないんだねー」


と鮫嶋は笑いながら近づいてくる。いつも通り何も言い返さず無視をする。すると鮫嶋はボクの弁当を見てくる。


「美味しそうな弁当じゃん。俺にもくれよ」


そう言うと鮫嶋はボクの弁当の鮭を奪う。

その瞬間、


「おい、返せよ」


とっさに声を出してしまう。もしかしたら声を出したのも初めてかもしれない。でも仕方がない。母親が作ってくれた鮭を奪うことは許せない。早起きまでして作ってくれているのに。

すると今まで何も言い返してこなかったからか、ボクが言い返したことに鮫嶋は喜んでいるように見える。


「あー、じゃあ返してやるよ」


返してくれた。珍しい。こんなことがあるのか。ボクは再び鮭を取られないように食べてしまおうとする。しかし、ボクはその時あることに気づく。


この鮭、炙られている!?


その証拠にさっきまでは冷たくなっていた鮭が温かくもなっている。

鮫嶋、、、こればっかりは許せない。

母親が早起きして作ってくれたおかずを再び加熱なんて。

ボクは怒りが止まらない。鮫嶋をにらみつける。


すると鮫嶋は再びボクの弁当からに手を伸ばす。


「じゃあ、こっちのブロッコリーをもらうぜ」


「鮫嶋!やめろ!返せ!」


ボクは再び声を荒げる。鮫嶋はボクの怒りに満足したのか、ブロッコリーを返してくれる。それと同時に鮫嶋は帰っていった。


助かった。母親が早起きして作ってくれた弁当が他の人に食べられるなんてありえない。安心したのもつかの間、ボクはあることに気づく。


このブロッコリー、、、ゴマが和えられている!?


さっきまではそんなことはなかったはずだ。

鮫嶋、、、母親が作ってくれたおかずに一手間を加えてくるなんて許せない。

そのときボクの怒りはピークに達した。


復讐してやる。ボクのおかずに一手間加えた恨み絶対はらしてやる。


その日からボクは修行に励んだ。来る日も来る日も復讐を果たすために。



---そして2年後、高校3年生になったボクは鮫嶋を呼び出した。


「おい!鮫嶋!おまえが前にボクの弁当に一手間加えやがったの覚えてるか?」


「くっくっく、あのときのお前の顔は最高だったな」


「笑ってられるのも今のうちだ、鮫嶋!」


そう言ってボクは鮫嶋に向かって走り出す。修行を果たしたボクの速さに鮫嶋はついてこれない。鮫嶋の攻撃を軽々しくかわし近づいていく。至近距離になった鮫嶋は両手を振り下ろし最後の攻撃に出る。しかし、そんな攻撃もボクには当たらない。がら空きになった鮫嶋の頭頂部にボクは全力のチョップを決める。


鮫嶋はいたがる。


ボクはこの瞬間を待っていた。気持ちが良い。


これでいい。これがボクの復讐なんだ。余韻に浸りたかった。しかしそんな暇もなくチョップが沈みだす。鮫嶋の頭頂部から脳を通るように真下に降りていく。驚きを隠せない。こんなこと想定していなかった。状況に驚いてばかりいるとすぐに股のところまでたどり着き、鮫嶋は真っ二つになった。


ボクとしてもそこまでやる気はなかった。鮫嶋が多少苦しめばそれでいいと思っていた。まさかボクがそこまで強くなっていたとは思っていなかった。


鮫嶋、、、もう彼を見ることはないのか。


わずかに寂しい思いがこみ上げてくる。その瞬間だった。真っ二つに分かれた鮫嶋は両方の身体でそれぞれ再生をしていた。徐々に鮫嶋の身体を構築し、再び鮫嶋が出来上がった。


その日から鮫嶋は二人になった。分裂を果たした鮫嶋はうり二つのその容姿で今日もまたボクを虐める。

そして二人の鮫嶋がボクを虐めるようになりボクへの虐めは2倍になった。


二つに分かれた鮫嶋は元左側を魚山、元右側を交島と名付けられました。

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