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白南風玖凪の日常はかくのごとし・1
「おかえり、そろそろ慣れてきた?」
「私? はは、君に心配されるようなことは何もないよ」
「だって日中は誰もいないしね。掃除して、洗濯して、たまに表の店番するくらいだよ?」
「食事は必然的にオーナー夫妻が作るものを出すし。唯一いる子もとってもいい子だから、特にすることなくてね」
「そんな顔で睨むな睨むな。今度そっちも手伝ってあげるから」
「ところでさ」
「血、使ったね?」
「そりゃわかるよ、においするもの」
「正確には残り香だけど」
「まあ、ここで使ってもあまり害はないと思うけどさ、うん。わかるのも私くらいじゃないかな」
「それよりも気になるんだけど」
「なんで使ったわけ?」