4日目
【事件です(違います)】
「た、たたた大変ですマネージャー!」
「落ち着いてください美咲さん、どうか致しましたか?」
「じ、事務室に見知らぬ女の子がっ!」
「ああ、それは…」
「少女誘拐監禁事件ですか!?」
「違います」
「水臭いですよマネージャー!少女を監禁して不埒なことがしたいなら、私に言ってくれればいつでも一肌脱ぐのに!」
「何が!?」
【新人さん】
「アルバイト希望者、ですか?」
「ええ、現状ではフロアのアルバイトは美咲だけでしょう?それでは大変だからと店長と相談をして、新規でアルバイトを募集することにしたんです。」
「そ、そんな…じゃあわたしはお払い箱なんですか!?」
「いえ、そういう訳ではないから」
「本当ですか!?」
「ええ、大丈夫だから安心して?」
「じゃあ、今日のわたしの出番はこれで終わりじゃないですよね?」
「………………………」
【面接】
「お待たせしました、それでは面接を始めましょう。まずは自己紹介をお願いできますか?」
「はい、○×高校1年、沙耶です。」
「あら…沙耶さんも○×高校なのですね」
「そうですが、それが何か?」
「いえ、今アルバイトをしてもらっている子も○×高校に通っていると言ってたので…えっと、じゃあ趣味と特技を教えていただけますか?」
「はい、趣味は人に呪いをかけること、特技は動物を使役出来ることです」
「…………………」
「何か?」
「…………その、動物が好きなのですか?」
「好きか嫌いかではありません。あくまで下僕として仕えさせているだけです」
「……………………」
「何か?」
「…………………………いえ、ではその…このお店でのアルバイト希望した動機をお教えいただけますか?」
「欲しい物があるんですけど、結構なお金がかかるものでして、このお店は自宅からも近いし以前やっていた接客のアルバイトの経験を生かせるかと思い、応募しました。」
「そうですか、目標があるのは良い事ですね。ちなみに欲しいものとは?」
「今度の儀式で使うトカゲの尻尾とコウモリの生き血と…」
「ありがとうございますよくわかりました!」
【面接2】
「沙耶さんは接客のアルバイトの経験があるとおっしゃっていましたね。」
「はい、居酒屋でアルバイトをしていたので、多少はその経験をこちらでも生かすことが出来るかと」
「そうですか、うちのお店は人手が足りないので即戦力となれる方は大歓迎です。ですが、その居酒屋でまた働こうとは思わなかったのですか?」
「それも考えたのですが、何故か断られてしまいまして…」
「そうなのですか、何か心当たりとかはないのですか?」
「いえ、特には…いろいろと五月蝿かったマネージャーに呪いを掛けて精神的に追い込んで辞めさせたりはしましたけど、思い当たることはないですね」
「………………」
「何か?」
「…………………いえ、以上で面接は終わりです。結果は追ってご連絡いたします」
「わかりました、ありがとうございました。」
「後は、沙耶さんから何か聞きたいことや話しておきたいことなどありますか?」
「そうですね…このお店のマネージャーは理性的な方のようでよかったです」
「そ、そうですか?ありがとうございます」
「ええ、もし理不尽な理由で不採用にするような方ならまた呪いをかけるところでした。」
「………………………」
「何か?」
「………………………いえ何でもないです大丈夫ですはい問題ありません」
【の・ろ・い・♪】
「あ、マネージャーお疲れさまです!面接はどうでした…ってどうしたんですか!?顔が真っ青ですよ!?」
「…あぁ、美咲さん。…大丈夫です、ちょっと明日の朝日を見ることが出来るか心配になってただけですから…」
「よ、よくわかりませんが…元気だしてくださいっ!マネージャーの元気が無いと、わたしも悲しいです…わたしでよければいつでも相談に乗りますから!」
「美咲さん…ありがとう」
「いえいえ!あ、マネージャーもこの本読んでみませんか?とっても面白いんですよっ!」
「あら、そうなのですか?」
「ええ、呪いについての本なんですけど、とってもリアルに書いてあ…」
「いやぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!!!!!!」
「ちょっ!?マネージャー!?ど、どうしたんですかいきなりっ!?マネージャーっ!?」
つづく…のだっ!




