表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第二話

 私は気がつくと新しい世界に飛ばされていた。

 街の中ではないが人気がなく急に人が現れても周囲に驚かれない場所を選んでくれたようだ。


 まだ陽が高い。

 夜でなくて良かった。


 少し離れたところに城壁で囲まれた街のようなものがある。

 女神の言葉を信じるならあそこに行って商人になれということで合っているのだろうか。

 特に他に行く先も見当たらないので、目に付いた街へ私は行くことに決めた。


 城壁に近付いてみて、想像していたより城壁の作りは頑丈で発展しているような街ということが分かった。

 街の入口には衛兵が二人いた。


「あの、すみません。私、この街で商人になりたいのですがどうしたらいいですか?」

 衛兵もこんな若くて可愛い女の子にいきない斬りかかってくることもないと信じて話かけてみた。


「お嬢ちゃん、この街がどこか知ってる?」


「あ、はい……まぁ……」

 本当は知らないのだが私は衛兵に話を合わせた。


「それならいいけど。街の中央にフラン王女が暮らす城が見えると思うけど、その近くに武装商団の組合の建物があるから、そこに向かうといい。それにしても君みたいな女の子が武装商団に入団希望とはなぁ」


 衛兵が見合って少し笑っている。少し見下したような笑い方が気になるが大人な対応ができる私は笑顔でお礼を言った。


 それにしても武装商団って何なんだ?

 商人なのに武装してるってこと?

 何だか不穏な空気を感じる。


 城壁の中へ入ると目指すべき場所は分かりやすかった。背の高い建物が少ないというか城しかないので、そこを目指せば良かったのだ。


 武装商団の組合事務所はとても立派なものだった。

 城門からこの場所を目指して歩いてくる間も活気のある街という感じはしたが建物は普通という印象だった。

 そう思いながら歩いていたので、城の近くにあると言われた組合事務所に到着した時は少し圧倒されてしまった。

 それで少し扉を開けることを躊躇してしまった。


「お客さんかい? それとも入団希望者?」


 扉の前で躊躇っている私を見て後ろから声をかけられた。

 振り返ると坊主頭の身体の大きな男の人が立っていた。見た目は怖いが、見た目ほど圧迫感は無くて安心した。


「お嬢ちゃんみたいな取引相手は知らないし新規取引希望かい?」


「いえ、私、商人になりたくてここに来ました」


「うーん、ここは武装商団って言って危ない地域と取引をするための商人の団体なんだが、それは知っているのかい?」


「いえ、あの、それはよく分かってなくて、とりあえずここに行くように言われて」

 そう女神様に言われたわけじゃないけど、とりあえずここに来るしかなかったし、それをそのまま言うのは憚れてその場しのぎのことを言ってしまった。

 大丈夫だろうか?


「うーん、よく分からないが、今日は団長もいるしとりあえず会っていくか?」


 結果的に案内してもらえることになってラッキーだったかもしれない。


 建物の中は事務所というよりは倉庫に近いようだ。外から見ると複数階あるように見えたが中は吹き抜けになっていて商品が積み重なっている。武装商団といっても武器を取り扱っているわけではないようだ。


「外観は立派だけどよ、ただの倉庫なんだよ」

 男はそう言って私を奥の部屋に案内してくれた。


「団長、お客さん連れてきましたよ」


「はーい、どうぞ、入って」

 中から声が聞こえた。

 団長と呼ばた男の返事はとても若い声に聞こえた。


 男が扉を開けて中に案内してくれた。


「今日って何か予定あったっけ? それとも新規の取引希望? うちは上等な品しか扱わないけど大丈夫かな?」


 団長と呼ばれた男は少年のような見た目だった。


「君、人を見た目で判断したらいけないよ」


 私の頭の中を見られたようで恥ずかしくなる。


「あっ、ごめんなさい。そういうわけではなくて……その、それと取引じゃなくて商人になりたくてここに来ました」


「そうなの? でも、商人は資格が無くてもなれるんだけど、どうしてうちに入りたいの?」


 そうなの?

 資格とか要らなくて商人になれるならそれでもいいんだけど。


「うーん、何か訳ありみたいだね。うちは国内最強の商人の団体だから入団試験も受けてみる?」

 私が言い淀んでいると団長が声をかけてきた。


 正直、資格がなくても商人を名乗れるならそれでいいんだけど、こちらの世界に来てどこに行くあてもないし、そもそもどうしたらいいか分からないので試験を受けてみることにした。

 もし落ちても商人を名乗れるならそれでもいいし。


「分かりました。試験を受けさせてください」

 意を決して私は試験を受けることをお願いした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ