夜会ダンスパーティー2
一人だった女性に声をかけている酔った男性がいる。女性はとても迷惑そうだ。
ナイジェルが口の端を上げて嗤う。
「あれこそこの夜会を主催した者をどう思っているか分かる行為だ。主催者が舐められているのか、それとも夜会に来た女性は男性に対する供物のつもりで呼んでいるのか。はてさて」
「わたくしならそんな夜会は出席いたしませんわ。見るのも不愉快でしてよ」
一人になるだけで獲物だと思われるのはごめんこうむりますわ。
「イルミスレイル家を侮辱する事はリグロスシスはしない。不参加でいいだろう」
そんな話をしていると、一番初めに見ていた女性のパートナーの男性が焦った様子で女性の元に戻ってくる。
服装の色が似かよっているので分かりやすい。
そして女性の手を引いて強引に連れて出て行った。
「ああ、ヤツが放置男か」
「知っていますの?」
「さもありなんという家だな」
「おもしろいですわね。わたくし女性の家の方に興味が出てきましたわ」
「ほどほどにしろよ」
「なんの事でしょう?わたくし何もしようとは思っておりませんわ」
動くのは仕えている者ですもの。
すると今度は二番目に見ていた女性に、庇い立てする男性が割って入っている。
「あれは主催者の息子のジャックディだな」
「こちらの主催者の方はきちんとした夜会として女性の方々を招待して下さったのですね。わたくしも来て良かったわ」
「今度は騒ぎを聞き付けてパートナーの男がやってきたな・・・あ?」
「まぁ!あれは!」
ミレイダの声音が嬉しそうに高くなる。
「あなたの親友の心の友の固い絆で結ばれたソランド様!何て素敵なの!」
ソランドォォォォォォ!!貴様どうして俺に恨みでもあるのか!
「女性の方に誠心誠意謝ってらっしゃるようですわね。何の理由がおありなのかしら?知りたいわ」
ワクワクといった風に瞳を輝かせる。ミレイダは幸せな気分になった。
ナイジェルは不幸な気分になった。
「さぁ行きましょう!ソランド様があなたを心の底から待ってらっしゃいますわ」
待ってない!あいつは制裁対象だ。