壊滅的に合わない婚約者
仲が悪いのでご注意ください。
仲良くなる事はありません。
どうしても仲良くなれない者がこの世には存在する。
いくら相手の性格が良くても駄目なものは駄目だ。
「僕の名前はナイジェル・リグロスシス。よろしく」
「わたくしの名前はミレイダ・イルミスレイル。よろしくお願いしますわ。わたくしの事はミレイダとお呼び下さい」
「もちろんだよ。僕の事はナイジェルと呼んで。あとそんなに堅苦しい喋り方をしなくてもいいよ。僕らまだ十歳だし」
呆れた様子のナイジェルにミレイダは微笑んだ。
「申し訳ありません。これがわたくしの普通の喋り方ですの。許して下さる?」
「そうなの・・・?ああ、分かった」
「ナイジェル様はそのままで。わたくしの事は呼び捨てにして下さい」
「そうするよ。ミレイダ」
相手に悪いところなどない。
声を聞くだけで不愉快なだけだ。
「今日も来たよ。ミレイダ」
「ようこそお越し下さいました。ナイジェル様」
「これを受け取ってくれ」
「まぁ嬉しい。開けてよろしくて?」
「もちろん」
合う回数が増える度に増すのは嫌悪感。
不快感。
憎悪。
「うふふふ」
「あははは」
それでも二人は婚約者だ。
ありがとうございました。