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ねこねこあるある ネコとの暮らし

知恵比べ、根比べ!さぁどーやってお薬飲ませよう? 猫とのくらし、あるある第5弾

作者: 池畑瑠七

 来月2度目の誕生日を迎えるネコのぷーちゃん。先々週初め、珍しく嘔吐をした。その前の2-3日、時々「シュン!」って足元でくしゃみをする事はあったけど、いたって元気だったので様子を見ていた、そんな翌朝だった。

 いつも元気印なぷーちゃん、毛玉を吐くこともほとんどなくこれまで過ごしてきたので、朝続けざまに3度吐いたのは初めてだった。

 これは様子を見てるバヤイではない!と即決、予約を取って久しぶりの動物病院へ向かった。

 

 真冬の冷たい雨のなか、慣れないキャリーで運ばれて。待合室では聴き慣れないワンちゃんネコちゃんの鳴き声がいっぱい。

 かなりの怖がり屋なのに凄く好奇心旺盛で、最初こそびくびくしながらもいろんな事に果敢にチャレンジしては経験値をどんどん上げてく子なのだけど。今回は体調も良くないし流石に落ち着かず、不安でにゃーにゃ―と心細げに鳴き続ける。


 順番が来て名前を呼ばれると自分の事だとわかったらしい。「にゃー」と返事しキャリーの中は緊張Maxになったようだった。

 診察台の上では先生を前にしてドン引きのカッチコチ。

「なになになになにされるん(~_~;)」

 無理やり押し込められ嫌がってたキャリーだけど、知らんところでそこから出されるとなるともっと怖いのだ。この時ばかりは全力で縋りつこうとしてくるぷーちゃんであった・・・。


 がんばれえーぷーちゃん!ママがついてるよー!



 優しい先生の丁寧な問診と診察の結果、幸いにして大事には至ってないということが分かった。

 水分栄養吐き気止めの点滴を受けて、6日分の吐き気止めと整腸薬を処方されて無事帰宅した。

 酷くならずに済んでよかったあ、とホッとしたものの。

 大変だったのは、実はそれからだった。


 朝晩2回、2種類の錠剤。さあ、どうやって飲ませるか?

 健康そのもの、これまでほぼお医者いらずだったぷーちゃん。6日分もお薬を飲むのは初めての事だ。

 

 前の子の時は、主食のウェットフードに砕いて混ぜ込めばすんなり食べてくれてたから、投薬に殆んど苦労はなかったんだけど。ぷーちゃんはドライフードが主食なんだよなあ。

 砕いて粉にしたところで、においで嫌がっちゃうに違いない。じゃあどうするか?


 考え考え、ペットフードコーナーで行ったり来たり(笑)。

 投薬器具も売ってたけど、万が一 口の中や喉を傷つけたり薬が気管に入っちゃったりしたら…と思うとちょっと怖い。それよりまだほかに手がありそうな気がする。なんとか喜んで摂取させてあげられるものはないか、とおやつコーナーをあれこれ探し数種類を買って帰宅した。

 

 よおし、これだけあれば、難敵ぷーちゃんといえど絶対どれかは成功するに違いない、いや必ず成功させてみせる!!


 ってな感じで必勝を期し、翌朝からチャレンジを開始。


 1回目.ドライフードに紛れ込ませたら、パクっと食べちゃうかも? →当然のことながら、失敗

 

 2回目.おやつのチュールに、砕いて混ぜたら食べちゃうかも? →ひと口舐めて、ドン引き

 

 3回目.投薬用のおやつ状グミに入れてあげたらいいかも? →ひと口噛んだとたんに「ぺっ!」と吐き出す


 3戦3敗の時点で、ぷーちゃんとの知恵比べバトルの様相を呈してきた・・・(^▽^;)

 いやっ!だが絶対に負けるわけにはいかん、先々を考えたら投薬の必勝法をなんとしても構築しておかねば!

 

ぷーちゃんのためならエンヤコラ!


 4回目.チーズ竹輪みたいなモノホンのおやつ、真ん中の柔らかいクリーム状のとこに押し込んで蓋をし、食べさせちゃおう!

 →初回、大喜びで食べ大成功!しかーし!

 →2度目。3度噛んだら口内で薬が露出。即座に口の中でお薬をより分けて「ぺーっ!!」と吐き出す(泣)

 

 5回目.ゼリー状半固形タイプのチュー○に、細かめに砕いた薬をさくっと混ぜ込む。→薬のないところだけを選んで食べ、薬があるとこを綺麗に残す(泣)


 5戦4敗Σ(゜Д゜)!!チックショー!!敵もさるもの、引っ掻くもの

 え-い 負けてなるものかあー!!


 必勝狙いの筆頭だったチーズ竹輪状おやつやゼリー状チュー○に失敗し、流石に一計を案じ家族会議開催。20年近く一緒に過ごした先代ニャンコは色んな持病を持ってて通院も投薬も日常茶飯だったけど、ぷーちゃんにはその経験がどうも通用しないようなのだ!( ̄▽ ̄;)


 猫って、苦みに対してとても鋭敏な味覚を持っているらしい。そりゃあお薬に敏感な訳だ。加えて、嗅覚に至っては人間の10倍くらいあるんだそうだ。

 

 猫にとっては「いつもの味」が一番安心安全。ほんの少しの味や匂いの違いも敏感にかぎ分け本能的に危険を察知する、生き抜くための能力が備わっているのである。そのハードルを越えて「口に苦し」な薬を飲ませる訳だから、苦労があるのは当然なんだよね。


 てことで、此処へ来てもう一度原点に戻ってみることに。

 

 錠剤を完全な粉末にして、大好きなチュー○に完全に混ぜ込んでしまったらどうか?いつもの味のじゃなく敢えて初めてのチュー○で、量はケチらず丸1本を投入。そうしたら味変が判らないだろうから抵抗も少ないかもしれん!と結論を出し、6回目のチャレンジ。

 

 すると。最初は匂いを嗅いだ途端「ぷいっ!」見向きもせず。初めての味のチュー○に拒否反応。

 でも、その程度の事は予想済みだ。此処で諦めてなるものかと、こちとらも食い下がる。

 

 掌からシー〇を貰うのが大好きなぷーちゃんだから、指に付けてちょっとずつ舐めさせてみたら「おっ?なんか美味しいかも(・∀・)!って喜んじゃったりしないかな!?


 小指の先でちょっぴり掬って鼻先に近づけてみると・・・・

「ふんふんふん・・・・・?・・・ぺろ!」


 やった!(≧▽≦)


「舐めた!」

「よっしゃあ!」

 掬ってはぺろり、掬ってはぺろり。とうとう、2分後お皿は空っぽに!!!


 やりましたあー、完食!!


 試行錯誤の末、処方から3日目にして漸く作戦成功の目を見たのであった。


 いつもは一日1本を朝晩とブラッシングタイムに分けて舐めさせているのだけど、お薬投与中はしゃーない、豪勢に1回1本!

 何よりちゃんとお薬飲ませて早期に回復を図ることが最重要。

 そのかわり、総合栄養食チュー〇を使う事にして、残り3日分をどうにか終了させることができた。


 幸いにして今回の症状は深刻でなく、最終日を待たずにいつもの元気を回復してくれた。

 

 年末を迎え寒さが増してきたけど現在は以前と変わらず、陽だまりを捜し歩いては部屋でも通路でもお構いなし ど真ん中で「しやわせのヘソ天」をして見せてくれてる。

 どうやらこの年末年始も大過なく過ごせそうだ、心からホッとしている。



 拙いエッセイをお読み下さった皆様、ご感想頂きました皆様。2023誠にありがとうございました。

 来年も何卒よろしくお願いいたします。


 どうぞよきお年をお迎えくださいますよう!


















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― 新着の感想 ―
[良い点] 可愛いぷーちゃんへの溢れる愛がひしひしと伝わるお話、楽しく読ませていただきました。 楽しい時間をありがとうございました!
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