表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/162

121◆観光計画◆




「えーい!うるさい!静まれ!」


 国王と3辺境伯に対して、思わず大声で言ってしまった。俺は内心慌てつつも、表面上は落ちついて咳払いをしてから話をつづけた。


「えー、立場も考えずに声を上げてしまい申し訳ありませんでした。…ですが止める人が誰もおりませんでしたので…」


「うむ……まぁよい、それで?」


「まず鳴る光る武器ですが、西辺境伯と北辺境伯にも作らせていただきます。」


「おぉ!」


「本当か!」


 国王と東辺境伯が拗ねた顔つきになる。


「北辺境伯は、武器のリクエストはありますか?」


「むぅ、北辺境領は、国の北を守る盾を自負しておる。なれば、武器というよりは盾が良い」


「西辺境伯はどうですか?」


「妾もそうだが、西の騎士や兵どもは槍を得意とする、槍が良い」


「了解しました。整理しますが、まず国王陛下の剣です。こちらは王家の宝剣をイメージした上で、特別に7色に輝くというところが大きな特徴です。ですので、まず多彩に輝く武器は、今後作りません」


「ほう、この輝きは俺だけのものか…。悪くない」


「次に東辺境伯の大剣です。やはり何と言ってもその大きさです。これだけ大きなものを作るのは、非常に難易度が高く、この大剣でのみ活かされる技術も入っています。ですので、このような大きな武器も今後作りません」


「ふむ、確かに大剣は私だけが使う武器だからな」


ここまでの説明を聞いて、眉を軽くしかめて機嫌が悪くなり始めた2辺境伯のほうを向く。


「そしてバルクロイ北辺境伯には合体する盾を作ります。2枚の盾を合体させると光が変わるというのではどうでしょう?」


「おぉ!なんだか全然想像がつかんが、凄そうだ!それで頼む!」


「では、辺境伯の盾にのみ合体を用い、他では作りません。そしてエリザリス西辺境伯」


西辺境伯が期待に満ちた目で俺を見る。


「西辺境伯の槍は、変形です。そうですね、柄の部分を工夫して手元で操作しながら1振りすると、穂先の形状が変化し大きくなって光るというのはどうでしょうか?」


「妾も文句はない。リュードの頭の中にある槍がどのようなものかは全くわからんが、全て任せる」


「変形する?武器がか……」


「合体だと?なんともワクワクする響きだな」


「国王陛下、東辺境伯、変形と合体は西辺境伯と北辺境伯のものです。もし納得ができず、どうしてもということでしたら、お持ちの武器を解体して合体や変形の武器を作ってもいいですが?ちなみに、その際は大きいものと7色に輝くものは2度と作りません」


 この世界において、鳴る光るの武器は俺達にしか作れないオンリーワンの技術だ。納得できなくても、作れないのだから頷くしかない。


「ぬぅ、くそ、しかし…むぅ、しょうがあるまい」


「…わかった。止むを得ん」


 ということで、なりきり武器の問題はなんとか解決した。本当は…大きくて、何色にも光って、合体して、変形する武器をいつか作りたかったが、俺は諦めることにした。





「リュード、それで?王都には何か作ってくれるのだろうな?」


「西もだぞ。」


 NOと言えない国王の問いと、それにのっかる西辺境伯。俺は以前から考えていたことを、相談するいい機会だと思い、ここで提案することにした。


「もし王都と西に作るなら、貴族が楽しめるものと平民で楽しめるもの、同じものを2つにわけて作りたいです。その上で、少し考えていたことを聞いていただければと思います」


「それは聞くが、その前になぜ平民用だ?平民を優遇する意味がわからん?わざわざ2つも作って何の意味がある?」


「えー、北の迷宮は2つ目作られましたよね?」


「うむ、貴族は我が屋敷の『ホワイトラビリンス』、平民は城下の『ブラックファントム』を楽しめるようになっておる。貴公の勧めに従って、平民向けの施設も作ったが、かなりの好評でな。近隣から、1度は試してみたいと領都バルクアクスに訪れるものも増えた」


「東の温泉施設も同じです。やはり人が来ます。まず私は、貴族だけでなく平民にも楽しい体験をしてもらいたいと思って活動しています。そもそも巡遊男爵に叙爵いただいたのもつい最近で、それまでは平民でしたし。」


「そういえばそうだったな。とても、平民には思えなかったがな」


 と爵位をくれた国王本人が相槌を打つ。


「今まで作ってきたものは、研究にも長い時間を費やし、その結果をもとに技術も開発してきました。使う素材なども高価なものが多いです。それゆえ量産が出来ず、貴族向けの商品になることが多かったのです。…ですが私の根底は変わっていません。貴族も平民も楽しんでもらいたいのです」


「ふむ、それで?」


「私自身が旅して分かったことですが。現在3辺境伯の皆さまのおかげで、王都と3つの辺境領都を結ぶ主街道は、魔物も盗賊もだいぶ減って、かなり安定しています」


「そうだな」


「結論から言いますと、私は3領都と王都、全てに何かしらのおもしろい施設を作って、そこを行き来して平民が楽しめる、観光馬車隊を作れればと思っています」


「「「「観光馬車隊!??」」」」






お読みいただきありがとうございます。

「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

☆評価、ブックマーク、感想いただけましたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。



今日の/明日の、あなたに、ちょっといいことがありますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ