表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/162

109◆武闘大会・その後◆



武闘大会の全試合が終わり、出場者の手当ても済んで、俺は再び闘技エリアの上にいる。横にはユリーズ東辺境伯がおり、俺の肩に手を置いている。


「フハハハ!素晴らしい闘いだった!東部の皆よ、この者を仲間に迎えられることを誇りに思い、今回の闘いを皆に語り継げ!東部は!我らは!また1つ強くなったぞ!」


「「「「「「おぉおおおおおおおーーーーーーーーっっ!!!!!」」」」」」


 東辺境伯の言葉に観客が大歓声を上げる。東辺境の頭領・指導者だけあって、やはり人を乗せて盛り上げるのが上手い。俺も完全に東部の仲間に組み込まれたが、まぁレイレと結婚するのだ、もはや異存はない。


「それでは、レイレ様からも優勝者のリュードに一言頂戴します!」


 司会の声で前に進み出たレイレは俺の目を真っすぐ見て、頬と耳を赤らめながら

「素敵でした。リュード」と言葉をくれた。あぁ、この仕草、この一言で、がんばったかいがあった。俺がレイレに近寄って額にキスをすると、レイレはさらに赤くなって下を向いてしまった。



「くっそぉーーー!」

「見せつけんなー!」

「レイレ様、かわいいーーー!」

「認めてやるーよくやったー!」


 観客に手を振っているところに、司会からの質問が入った。


「さて、冒険者リュード、あなたが発案の大会で、あなたが優勝してしまったことになるのですが、優勝賞金は?賞品はどうなるのでしょうか!?」


 そうか、賞金に賞品か。完全に忘れていた。ここれ俺がもらってしまったら、ちょっとしらけるよな。


「ユリーズ東辺境伯、これ来年以降も続けませんか?盛り上がりますよ。あ、俺はもう出ないですけど!」


「なに!?む、まぁよい、北のスカイランタン祭りのように、東の名物とする…ということだな。ふむ、いいな。」


 俺は声を張る。


「皆、聞いてくれ!ユリーズ東辺境伯が皆の盛り上がりを見て、この武闘大会を毎年行うことを決定された!」


 どぉおおおぉぉ…と会場が震える。少し静まるのを待って、俺は続ける。


「そうすると皆が作ってくれた会場では、せまくなってくる。この会場は予選会場に使用して、本戦会場つまりもっと大きな、大勢が入れる武闘会場を作ることを提案する。俺の賞金は、そのために使ってもらう!」


 しばらく続いた歓声が止むと、司会がさらに質問を投げてくる。


「それと、冒険者リュード、『スタープレイヤーズ』が作った特別な商品と言うのはなんだったのでしょうか?そしてそれは、どうなるのでしょうか?」


「あぁ、そうだね。少し準備するから待ってくれ、よし、皆やるぞ!」


 俺の呼びかけに、目を輝かせたり、死んだ目になったり、苦笑いだったり、泣きそうな顔になる『スタープレイヤーズ』のメンバー。



そして5分後。



「我が鉄槌を喰らえ!アースクェイクメイス!」


「あたしの弓は!全てを貫く必中の弓!テンペストボウ!」


「私の短剣は、音もなく影もなく悪を斬る。宵闇のダガー!」


「竜から生まれたわが剣を見よ!ドラゴニックソード!」


「私の双剣の舞味わうがいい!花剣カフレ!リサール!」


「俺のメイスは、この世の全てを砕く!カオティックメテオハンマー!」


 俺達は、音を鳴らし光らせながらオリジナルなりきり武器を披露した。初めて目にする、鳴って光る武器に、東辺境伯含め皆が声を失っている。


「こ、これは何でしょうか…こんな武器が光るなんて…」


「これは、俺達『スタープレイヤーズ』が作った、見せるための専用の武器だ、このように、音が鳴り光る!」


 観客の誰かが、呟いた「かっこいい」という言葉が俺の耳に届いた。


「そうだ!かっこいいだろう!見せるための武器で実用ではないが!めちゃめちゃ!かっこいいんだ!!これは、俺達と国王様しかまだ持っていないものだ!」


「まさか、賞品とは……」


 俺は、舞台袖に置いてあった、布で巻かれた細長いものを取り出す。


「そう、これだ!」


 布をとり、中から青い鞘のついた長剣を取り出す。この長剣、実は鞘にまで鳴る光るを仕込んでいる。特定の場所を握ると、鞘自体に緑色に光るラインが走って、ブブブブーンと低い音がする。そして柄を握ると、鞘の内側が白く強く光るようになっており、

そこから真っ赤に光る剣身が出てきて、キューンと高音が響く。さらに剣を抜ききると、鞘の光と音が消えるようになっている。


 鞘の低音と緑の光…、からの剣身の高音と赤い光によってギャップが強調されて、個人的にもかなりイカした逸品になっている。やはりこういうものは本数を作るごとに、アイディアや技術が蓄積され、フィードバックされていくので、どんどん良いものになっていく。スイッチの位置などで製作にはかなり苦労したが、その分今の俺達が作れる最新技術の凝縮したものが完成した。ぶっちゃけ賞品にするのがもったいなく、俺だってこの剣は手元に残しておきたい。でも……だからこそ、賞品としても格別なものになる。


「ほ、欲しい…」


 最初に声を上げたのはユリーズ東辺境伯だった。モロクや、『スタープレイヤーズ』以外の他の参加者もしきりに頷いている。


「おい…。リュード抜きだ。私を入れて、もう一度大会をやるのはどうだ?」


 東辺境伯が訳のわからないことを言いだし、他の参加者もうなずいたり、顎に手をやって考え始めてる。


「待って待って待って!ユリーズ東辺境伯、何を言ってるんですか!」


「いや、だがな……」


「わかりました、ユリーズ東辺境伯には、特別に後で作りますから…。これは、せめて来年の賞品にしましょう」


「ぐぬぬ、リュード、作るんだな、私のために。ならば…我慢しよう」


 こうして、大会は来年以降も続くことになり、賞品は持ち越しになり、東辺境伯にも特別に1本作ることになった。ちなみに、俺は東辺境伯の武器を作ると言ったことをこの後、死ぬほど後悔することになった。





 その晩は出場者の皆、大会関係者、東辺境伯の家族などが集まって城で食事会となった。放浪助祭や女冒険者は、憧れだったハイマンやレイレと話せて嬉しそうだったし、テイカーは優良物件とみられて女性たちのアプローチを受け続け、それをミュカがけん制したりしていた。


 俺は、一通り皆と話した後、モロクと魔法の話などもした。今まで俺の知る限り土属性の魔法使いがいなかったため、モロクの話は非常に新鮮で楽しく、いい刺激になった。幾つか、土の魔石や素材で試したいこともできた。落ち着いたら少し引きこもって研究しようと密かに思う。


 こうして、武闘大会は無事に終了した。







お読みいただきありがとうございます。

「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

☆評価、ブックマーク、感想いただけましたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。



今日の/明日の、あなたに、ちょっといいことがありますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ