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黒霧行記  作者: 悠希
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三話 イルアナ島のトネリコの葉

この前、失敗した後にぼーっとしていたら、小人が来ていた。


彼の知らないことだが、その小人は小人ではなくこの世界の一般的な人間だった。彼が夢から目覚めて作った体はとても大きかっただけだったのだ。



あ〜どうしよう。とてもめんどくさい。だが、挨拶はしなくてはならない。嫌がるのも億劫なので、とりあえず挨拶することにした。


「やあ」


挨拶ではない。これはでは掛け声みたいなものだ。挨拶するのならば“初めまして”ぐらい言えばいいものを…


「ヒゥ、は、初めまして。あなたは誰でしょうか?僕はアリエラ。あの木に用があるのですが、よろしいでしょうか?」


音量の違い、圧倒的な魔力からわかる実力差、視覚的にわかるサイズ差。

生き物としての圧倒的な格の違いに怯えるものの、アリエラは挨拶と目的をきちんと伝えた。


彼はその質問の答えを少し考えた。

そして自分の本来の体、黒い霧のような存在からとって黒霧、コクムと名付けた。


彼、いやコクムは返事をしようとしたが、そこにアリエラはいなかった。


コクムが自分の体を少し戻した時点で、全力で逃げ出していたのだ。

まあそんなときにも落ちていた葉を採取していたのは流石としか言えないが。



+*+*+*+*+*+*+*+


イルアナ島のトネリコの葉


大樹イルアナからアリエラが帰ってきた時、その葉を持ち帰ったとされている。

実際には葉の形状などから大樹イルアナの葉ではないことがわかるが、トネリコの葉としては異常な大きさをしている。

一説によると過剰な魔力が溢れる環境で、効率的に魔力を発散させるように進化したとされるが、当時の霊脈を考えればそれほど多くの魔力は集まらないと思われ、未だに謎が尽きない。


またその葉は未だ死んでおらず、現在国立植生博物館にて一般公開されており、高魔力空間での活動を観察できる。

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