婚約破棄マニュアル
僕も買いました。
「やったー!!v(*^^)v
これで助かるの!!」
「まだ安心できないよ。
こっちのやりたい様にできるようになっただけ。」
そう、現実問題、劇的な好転は見せていない。
具体的な解決策はまだ何もない。
「相手のことについて詳しく教えてくれ。」
まずは情報だ。
「実はあんまり知らないんだけど…(?_?)」
大海原 多吉郎51歳
使える魔法は破壊構築、出来ることは、元ある形を壊し、元に戻すこと。
破壊構築は、実は使える人間が多いの。
大半の使い手はそこまで大規模な破壊はできない。
その上、魔力を含むもの、例えば生き物なんかには使えない。
大海原は人より数倍恵まれた魔力で、相手の魔力をねじ伏せて壊せるの。」
聞くからにやばそうな魔法じゃん…
そして名前イモッッ!
魔法使いではこういう風な名前が流行ってんのかな?
「ねえ、素子ちゃん、魔法使いでは子供にイッモい名前つけるのが
流行っているのかしら?」
「お前は遠慮ってもんを知らねぇのか!!」
「イモいってなぁに?
お芋なら好きだけど?(*´▽`*)」
いや、いいんだよ…気にしないでね。
「大海原さんは話は通じる相手なの?」
「無理!(;一_一)」
会ったこともない人からそんな言い切られる人間ってどんな奴なの?
「人間って思わない方がいいかも。(; ・`д・´)
大海原家はとてもお金持ちだから、お手伝いさんを雇ってたの。」
「なるほど?」
「で、冗談でお手伝いさんの腕を吹っ飛ばして繋げてって遊ぶらしいの。
求人出しても、もう誰も来てくれないの。(-_-;)」
「えぇ…」
時として子供は残酷だ。
目についた虫を潰したり、アリの巣に棒を突っ込んで壊したり、その子の心根がどんなに優しい性格であっても、心が成長していないが故の攻撃性を見せる瞬間がある。
聞いた限り、大海原には、それと近いものがある。
相手の気持ちを考えられず、簡単に行われる残酷な行為。
子供大人。
差し詰め、それが正体なのではないか。
それが強力無比な魔法を使い、さらに、法律がコイツを裁けないというところが厄介さに輪をかけているが…
「魔法使いの常識で婚約を破断にするにはどうするの?」
「基本、魔法を使える人間であれば、どの魔法使いに婚約を申し込んでもいいの。(*'▽')
ただ、明白に魔力、つまり、魔法の威力が強い方は、他の理由なしに断ることができるの。」
「だったらさ、素子は3つも魔法を使えるんだから、
それを理由に断ったらいいんじゃないの?」
「ウチは、先に族長を脅されてるから正式には断れないの…
それに、魔力を理由に断ろうとすると、
戦って強さを示さなければならないから…(。-`ω-)」
なるほどね…ゼンジロウはやる気あるみたいだけど。
性格、容姿、学歴、家柄、そんなものくらいしか結婚相手を選ぶ条件がないコチラは、まだよかったのかもしれないな。
俺はそれだけでも十分な息苦しさを感じているけれど。
「素子ちゃん、自分にふさわしい相手を見つけるのって大変なのよ?
言い寄られる間に結婚しておくのも手なの!」
さすが!婚期に狂い、2つの世界を大混乱に陥れた先輩の一言は重いなあ!!
「ウチは、もう、好きになる人に魔力なんて関係ないかなって思ってた。
コチラの人みたいに、自然にそばに居たいなって
思える人ができたらなって思ってた。」
「グエェーーーーー!苦しいー-!ピュアッピュアなこの空間が苦しいわ!」
喉を搔きむしるなよ…本当にお前良い神様なの?信じていいの?
「でも、ウチは出会っちゃった。
最初は、変わった魔力の形だなって思っただけだった。
見たことも聞いたこともない魔法だから、
見てみたいって思っただけだった。」
「やめて、素子ちゃん、ワタシをこれ以上苦しめないで…!」
「お兄さん、ウチを守ってくれようと必死なアナタは、ウチの憧れです。
もし、話が落ち着いたら、正式に結婚を申し込ませてください。(≧◇≦)」
「グワァァアアア!!!」
打ち取られたラスボスみたいな悲鳴を上げ、女神は倒れる。
残念ながら、今現在俺がプレーしているこの人生というゲームでは、世界に混乱を巻き起こしたラスボスが倒されても、平和は訪れないみたいだ。
法律も、常識も、関係ない立場になって今、この純粋な求婚を、どう切り抜けたものだろうか。
1人で99年楽しかったです。




