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異世界おまわりさんの事件簿!  作者: 早川 ゆういち
ポリスのお仕事 ~行方不明~
29/46

その物件、月額1万円につき

総合的に考えないと苦労します。(2敗)

 ウチが魔法使い、魔女と呼ばれているのはパパから聞いた?

 

 そう、じゃあ、ウチが結婚が嫌で家出したことは?


 あ、知ってるの。


 なら、簡単に。


 ウチは、魔法が3つ使えるの。


 基本的に、1人の人間につき、1つだけ魔法が使えるの。


 過去の偉人なんかを見てみたら、5人だけ2つ使えた人もいたみたいだけど、記録に残っている人物で言えば、どんなに遡っても3つ使える者は存在しない。


 だから、魔法使いの中でウチの扱いはまるでお姫様みたいだった。


 ウチが使える魔法。


 1つ目は、精霊行使。


 精霊の力を借りたり、お話ができる。


 2つ目は、ポータル。


 場所と、他の場所をつなぐことができる。


 3つ目は、ねっと。


 これが家出の理由なの。


 厳密に言うと、多分、ウチに使える魔法は、1つ目と、2つ目だけだと思う。


 ねっとは、精霊行使と、ポータルの合わせ技。


 気まぐれに、ポータルを出しながら精霊に語りかけたの。


 そしたらやたらコチラの事情に詳しい精霊に出会ったの。


 コチラ、という別世界が存在ことは、歴史書とかで知ってた。


 その精霊のお話はとても楽しくて、おしゃべりに夢中になっちゃった。


 ウチがあまりにもコチラの話を聞くものだから、とうとう精霊はメンドクサクなって、ウチに、ポータルの別の使い方を教えてくれた。


 ポータルを、でぃすぷれいっていうものの代わりにするんだって。


 でぃすぷれいに映るものは、『ねっと』っていうらしい。


 ウチの知りたいことは、大体ねっとにあったの。


 コチラの人々は、自分の興味のあることに正直で、楽しそうで、ウチ達魔法使いとは真逆に見えた。


 魔法使いは、例え自分に魔法の才能がなくても魔法の研究をしないと村八分、本当は剣士になりたくっても、そんなこと言ったら、一族全員迫害されちゃうの。


 そんな世界に生まれて、生きたウチには、信じられない世界だった。


 ずっと、魔法を究めて、強い魔法の人と結婚して、強い魔力の子を産む。


 それしか言われたことはなかったけれど、それはとても狭い世界のお話だった。


 いろんな世界を見た。


 きれいな歌声を知った。


 面白い人達を見た。


 世の中には、目立たないけれど、頑張っている人が大勢居ることを知った。


 コチラには魔法が無いけれど、とてもすごい破壊力の武器があること。

 

 楽しいばかりじゃなくって、ムコーみたいに国同士が仲悪くしていることもあること。


 ねっとは、ウチを根っこから変えちゃった。


 まだ、知らないことがたくさんある。

 

 どこかにウチの本当にやりたいことがきっとある。

 

 そう思ってたら、一族の偉い人にパパとママが呼び出されて、家に帰ってきたらいきなり顔も知らないおじさんと結婚することが決まったって…。


 とても光栄なことなんだって。


 ちょっと前なら、それもいいかなって、思ったかもだけど、広い世界を見たウチには、とってもおかしな話に聞こえちゃった。


 だから、なんとか家出して、逃げ出そうとした。


 ポータルを使えば、家からは簡単に出られたけれど、一族みんながウチを見張ってて、すぐに連れ戻されてしまう。


 そこからは魔法が使えなくなる部屋に入れられて、ずっと外に出してもらえなかった。


 けど、最近地震が増えたなって思ってたら、ねっとが使えるようになったの!


 久しぶりに会った精霊に相談してみたら、ポータルに飛び込みなさいって。


 コチラの世界に来られるからって。


 とっても悩んだけれど、コチラに気になることもあったし、飛び込むことに決めた。


 よく、ねっとで見ていた、とっても歌の上手な女の子。


 勝手に未来を占っては、アドバイスをお手紙に書いて送っていた。


 いつものように占った時、命の危機があるって!!


 すぐに手紙を書いたけれど、とっても心配だった。

 

 コチラに行って、ウチとゼンジロウで守ってあげようとしたの。


 そしたらお巡りさんに捕まりそうになって…


 ウチ、ねっとで見て知ってたの。


 コチラの人々はみんな、よく、職務質問されるって。


 荷物を全部見られて、危ないものがあったら捕まっちゃうって。


 護身用の魔法の杖を見られたら捕まっちゃうって思って、ポータルで逃げちゃったの。


 あと、コチラにきて、もう1つ目的があったの!


 それは、自分で結婚相手を見つけること!


 追ってに見つかるまでにフィアンセを見つけて、結婚してしまえばもうこっちのもんなの!


 地震が終わって、あてもなくさまよっていたところに強力な、今まで見たこともない魔力を感じて、そこを目指していった先にお兄さんがいたの!


 そう言って俺を指さされる。


 はて?


 魔力とは?


 拡大縮小をした時だろうか、車の大きさを変えたごときでここまで言われるだろうか。


 「そこで!お願いがあります!」


 あぁ…どうか、その先を言うのをやめて…

 

 とっても嫌な予感がする。

 

 「ウチをお嫁さんにして下さい!!(*/o\*)」


 「ダメ!!!」


 「エーッ!どうして!!?((+_+))

  ねっとでは、みんなちっさな子供を好きって言ってたのに!?

  ウチまだ15歳なのに!?

  ハッ、、お兄さんはまさか、もっと小さい子供じゃないとダメな人なの!?」


 「そうなのよ。

  素子ちゃんはとっても美しいけれど、

  このおじさんはどうやら、7、8歳くらいの娘に

  1番ときめくみたいなの。」


 「おい、オマエいい加減にし ガチャッ


 「ま、前田さん・・・嘘、ですよね・・・?」


 「大家さん!?」


 入口に振り返る俺、床に肉じゃがの入った小鉢を落として走り去る大家さん。


 「待ってくれー-!!!」


 「私、もう、21歳ですから!!待てません!!」


 「ご、誤解だ!!」


 月影荘の壁はとても薄い。


 玄関先で全てを聞いていた大家さん。


 あぁ…もう住めなくなっちゃう…


 「あの、占ってみたんだけど、しばらくはいいことないみたいなの。」


 不思議だな。


 分かっていたよ。


 俺には占いなんて、できゃしないはずなのに。

安いだけではいけません。

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