後書き・1
※読まなくてOKな部分です。
ここまで読破された方、お疲れ様でした。この後書きだけ見てるよ! という方も、時間を割いてくださって感謝致します。
せっかく本文の前後に「前書きのスペース」「後書きのスペース」という場が設けられているのですが、物語に入り込んでいる最中に水を差すような、現実に無理やり引き戻すかのような事はしたくないなあ、という私個人の思考に基づき、この場を借りて第一巻全体の後書きとさせていただいています。落書き置き場にしろこの場にしろ、徹底して「見なくていいよ・読まなくてもいいよ」としているのはその為です。極力書き手の影を薄くし、シンプルに楽しんでもらうのが理想とする像。
そうまでするなら後書き無しでいいんじゃ……とも思ったのですが、しかしながら、あるならあるで嬉しい後書き。小説のみに留まらず、ゲームの攻略本の後ろにある設定集なんかでも、製作の裏話なんかが聞けると楽しい。熱量も伝わってきます。
――というわけで、こうして隔絶させて話題を数点ピックアップし、ネタバレを含まない程度で裏側を見せられたらなと思います。
【優兎の故郷「地球」の時代設定について】
バンッ! と解答を出す前に、物語を書き始めたリアルでの時代について軽く触れなければなりません。実は何年も前にこのなろう版(?)の大本になっている第一巻~第四巻の途中までが、ルーズリーフ二百~三百枚相当をファイルで閉じたものといった形で存在しているのです。
肝心の内容はまあ、
校長「魔法が開花したと聞いて。戦争で人員が欲しいから、魔法界に来てくれ! お子さん死ぬかもしれないけど!」
優兎「OK!」
家族「OK!」
という花咲いてるのは私の脳内かとツッコミたくなる、葛藤もドラマ性もない呆れた導入だったわけですが。とにかく、この原文が書かれた時代が、まだ「東京タワー」が日本の特大シンボルだった時代なのです。「スカイツリー」は何かこういう名前のものが出来るっぽいって認識でした。確か。
本編と同じように、東京駅に辿り着いた場面で「東京タワー」の話が上がった際、今の時代に合わせるか悩みました。しかし、近未来感の薄い、ノスタルジックを匂わせるようなちょっと不便な時代の方が、異世界に飛んだ際に頭が置いてきぼりにならず、スムーズに入り込めるであろうと思ったので、当時の「スカイツリーがない」「携帯は普及しているけどスマホはない」「ツ◯ッターほど情報網の発達した場がない」頃の平成の時代をベースにすることに決めました。現代技術で開拓していくのが主旨ではなく、海外へ旅行する感覚で優兎には楽しんでもらいたいなエトセトラ……みたいな思いも理由の一つではありますが。(現代日本じゃ〈ファンシック〉の実態なんて簡単に暴かれちゃうのかなあ……)
ただそうは言っても、時代背景を明確にするような表現をあえて曖昧にし、段階を挟みつつ自然な流れで異世界へ案内する事に重点を置いたつもりなので、もう本当に裏設定程度でしかないです。「ビデオを借りる」ではなく「レンタル」で済ませたり。さほど重要でもない部分で「ビデオって何?」とつまずかせてはいけないなと思いました。
【一人称の表記の仕方 ~言い訳①~】
「僕」と「ボク」、「俺」と「オレ」みたいな使い分けについて。上でも説明しました、昔に書いた原文(以降ファイル版)もこんな表記です。理由は「誰が喋っているのかを分かりやすくするため」……なんですが、本来ならそんなもんに頼らずに理解していただくのがベストなわけで。
にも関わらずそのままで通したのは、「これで自分が慣れてしまったから」です。慣れ親しんだものを変更した事で自分がしっくりこないんじゃあと、勝手を突き通す事にしました。あくまで誰がしゃべっているかの後押しをするぐらいのものとしていく所存ですので、この物語に関しては、この表記のままで許していただきたいです。すみません。
【専門用語のルビ ~言い訳②~】
「魔法界」や「聖守護獣」などのルビに関してです。こうして読み方を定めている割に、普通にルビ無しで「魔法界」、「聖守護獣」と書いている部分が多いです。
なぜなら……普通にそのまま読んだ方が分かりやすいじゃないですか~。
翻訳の魔法もかかっちゃってますし、攻撃みたいに何かもう、どっちで読んでもらっても構いませんよ、という不真面目であるまじき感じになってます。ルビだらけにしたら見づらいですし。正式名称的な扱いでルビをつけるようにしていますが、いずれどっちかに絞るべきかもしれませんね。ああでも獣人は獣人です。(かろうじてなこだわり)
この物語はぶっちゃけ「なろう」に適していないと思っています。本人としては「児童書籍とライトノベルの間っこ」ぐらいの感覚で書いているので当然です。いざアカウント取得するぞ! となった時には「転生ものか転移ものかジャンルを決めなさいだって? ファンタジーはファンタジーじゃないの?」「なろう目線で言えば、ハイの異世界転移になるのか? 考えた事なかった……」「ステータスを視認出来るの!? すげー! 斬新な発想!」とカルチャーショックを抱きました。
なのでよくある異世界転移や魔法をテーマにしている割に、明らかに華やかさ(女子率)が足りないだとか、ミントがケモ耳娘じゃないとか無双していないだとか、発信する場所を間違えているとしか思えない内容になっています。ですが元々がどこでアップする事になっても、これはこういうものといったスタンスで貫いていくつもりでしたので、ついて来て下さる方はその辺りを頭の片隅に入れておいていただければと思います。
ファイル版はいわゆるエタって放置してしまったので、筆が止まってしまわぬか心配ではありますが、それでも自分にとって納得がいくものであること、楽しんでいただけるものが生み出せるよう心掛けていきたいと思います。
よろしければどうぞ、お付き合いの程よろしくお願いします。




