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ムーヴ・べイン  作者: オリハナ
【3・優兎の日常 編(後編)】
187/238

 後書き・4

 

 ※読まなくてもOKな部分です。

 とうの昔に基礎が出来上っていた前編と違って、今回は一から十までを現代の私が書いている都合上、今後この場は「舞台や人物に関する裏話」よりも、こういうところに苦労した、といった舞台裏の話が増えてしまうかもしれないので、没入感を大事にしたい方は注意して下さい。


 さて、二週間に一回ペースの更新となった後編でしたが、お付き合い下さった方、読んで下さった皆様には感謝の気持ちを記したいと思います。ありがとうございました!


 今回は優兎(ゆうと)が主人公である為に、彼に引っ張られて方向性が狂った巻になりました。RPGゲームのこういうところが好き……が誤摩化せないレベルまで出てしまったというか。無詠唱の世界なのに〈テレ〉や〈テレス〉みたいな名有り技を勝手に作ってしまって、どころか他者に布教しまくってるし、勝手にアッシュと戦ってるし、「〈テレ〉! からの〈テレス〉!」みたいな、魔法を間髪入れずに繰り出すという粋な真似もする。


 本当にこんな世界があるかもしれない、人物がいるかもしれないと思っていただけると素敵なのですが、それとは別に、作り手であるこちら側には「魔法界で暮らしている優兎達と記録者目線の私」と「記録を元に脚本兼マネージャーとして指示する私と劇団魔法界(ムーヴ・ベイン)の面々」がおりまして。「簡単なお話と調整はこっちでやるので、あとは好きに動いて下さいねー」みたいな感覚でやっていて、みんなで作り上げなければならないところを、優兎だけは暴走機関車と化す有り様でした。


 技名のレクチャーをし出すファンタジーがどこにあるのかと。ちょいちょい首を捻るところはあって、前巻も危ういところまで行きかけたのですが、もう今回で清純派路線は諦めました。優兎が主人公だからこそ描けるもの、みたいなのを小出しにしていこうと思います。



【アッシュと優兎のバトル】


 トレーニングホールに着いた時、さっさと霧夜のバトルへと移行する手筈でした。が、アッシュが余裕であると口にした事をキッカケに、いつの間にやらバトルする流れになりました。

 それでもメインにすべきは霧夜との衝突だったので、対決の話は話題に上がる程度にしようという案も。しかしその後、私の都合は無視して、ちゃんとバトルさせてあげようじゃないかという気になりました。どうなるんだろう、ちょっと面白そうじゃないか? と期待してくれる方がいた場合に、その期待をへし折っていいのかと。


 考えていてわくわくしたところは、ジールがゲーム内容を説明した時の、魔物の強さの段階設定についてでした。星三クラスくらい……? いーや、曖昧でいいから思い切って『Lv(レベル)』表記でいいじゃないか!と。


 決められたルールの中でLv◯のモンスターが出て来る……〈ハルモニア大聖堂〉を経た後だから、Lv15くらいは倒せるようになってるかな? ……ああでも、人数いないし量をこなさないといけないから、抑えめに10……いやいや、10段階中のMAXレベルだと勘違いするのが普通だから、8くらいに落として……――


 その時脳内にはRPGゲームに登場する闘技場やアリーナのようなものを思い浮かべていて、プログラマー気取りの私は勝手に盛り上がっていました。



【今回一番筆が乗ったところ】


 書くのが楽しかった=あっという間に書き上がった場面は、予定外のシーンだった「アッシュと優兎のバトル」でした。頭脳戦だとかをやれるような展開の引き出しがないので、今の内かもしれませんが、戦いのシーンとなると私はテンションが上がるみたいで。過去のミジュウル・バイ・シュリープ(改)戦も(ちょいちょい戦いを中断してるのがイカンなと思いつつ)楽しんでいましたし、今回の魔族戦もスッと終わりました。


 その中でも「優兎vsアッシュ」がノッた理由は多分アレです。据え置き・ソシャゲ問わずRPGゲームで敵に立ち向かう時に考える、「このキャラの能力値やスキルはこうなってるから、この役割を持たせて……」系に近しいものを感じたといいますか。

 要するに、アッシュだったらこういう戦い方で、優兎ならこういう戦い方で攻略するんじゃないかな~? というのを書き起こすのがわくわくしたわけです。結果二人共身を(てい)してますが。



【逆に一番苦戦したところ】


 霧夜戦です。上に挙げたテンションが上がった云々の話題からも除外してあります。


 大まかなプロット段階では、寧ろこちらの戦闘の方が細かく流れが決まっていたのです。シーンの直前になって、改めて筋道を立てた時もスルスルっとアイデアが出て来て、自分がいかにこのシーンを書く日を心待ちにしていたかが現れているようでした。


 ですが実際書いてみたら、その……用意する流れの都度、滅茶苦茶痛がっている優兎がいまして。優兎が暴走する展開が控えているので、おふざけを成立させる手前、霧夜へのヘイトが高くなりすぎないようにしたいのに、ルートAを作っても優兎が(もだ)えてる。ルートBを作っても悶えてる。Cを作っても……というような泥沼にハマり、恋愛ゲームの選択肢を間違えまくってるみたいな感覚に陥っていました。

 そんなこんなで捻り出し、ようやくOKサインを出せたものが本編になります。



【コーヒーやチョコレート(+余談)について】


 リブラがコーヒー豆の扱いを間違えていましたが、魔法界でコーヒーはそれほど一般的ではありません。地球行きの魔法台がよく使われていた頃にお土産として持ち込まれる事があったので、知識として少なからず残っており、また育てる人もいたのですが、こちらの環境化で育ったコーヒー豆は味や風味、成分、焙煎の仕方などが本来のものとは異なってしまっています。


 チョコレートもそんな感じなのですが、好みが別れるコーヒーに比べると、チョコレートは魔法界でも大人から子供まで好まれる傾向にありました。なのでチョコレートの方が国を中心に広く伝わっています。


 因みにミントはチョコレートを食べません。好む人が多いので、お菓子作りで入れる事はあっても、味見は勘だったり、あるいは誰かを頼ったり。本人が魔法界育ち+人間に近い方なので、大丈夫かもしれないのですが、『犬猫は食べたらダメ』という地球由来の知識は獣人(ジュール)達にしっかり伝わっています。なので厳密には食すのをなるべく避けているといった感じです。匂いは嗅いでも大丈夫と思っていますが、時々匂いすら危険なのではないか!? と逃げ惑う者もいたりして。


 タマネギは魔法界に元々あったので、チョコレートより馴染みがあります。地球で「タマネギ」と呼ぶものと、魔法界で「タマネギ」に分類されるものは違いますので、こちらは食べられます。(それでも絵に描く事は避けたいと思います)



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