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第93話 セフィー

「そう言えばこれ、セフィーの武器だ。たしか双斧だったよな?」 

「うん。私の武器は大きめの双斧だよ。」 

「これは魔法陣で小型化してるだけで、魔法陣に指を当て魔力を流すと斧に戻る。やってみるといい。」

「うわっ!凄い」

元々の大きさを知らないセフィーは、一瞬で大きくなった武器に驚愕の表情を隠せないでいる。

「どうする?リアの武器も小型化できるが?」

「是非お願いします。」

「そうか、、、また、今夜でもしておくとしよう。リア、武器を貸してくれ」

「はい!」

「ん、預かった。明日には刻んでおくし、今日はこれを貸しておこう」

俺はネックレスから光裂・改の結晶をとると、リアへ渡す。リアが試しに魔法陣を発動させると、そこには光の余波が漏れる光裂・改が姿を表した。

「これは、、エドさんの武器じゃないですか!いいんですか!?」

「ああ、、俺はこれがあるからな」

俺は結晶二つを見せると、それぞれ魔法陣を発動させる。

「これは、、、、片方はいつもの剣ですよね、、けど、、、」

「片方はいつも使ってる闇裂・改だ。で、もう片方は新しく作った武器の銃という武器だ。」

「銃?」 

「俺も実物は見たことない。けれど、異界の武器で、攻撃を高速で飛ばす武器らしい。こんなふうには、」

俺は闇の隙間を開くと、その中へ銃弾をぶち込む。

「ん!」

「っ!」

「こんな感じで、威力は問題ない。あとは、リアに一つだけ、守ってほしいことがある。」

「なんですか?」

「これを、、」

「これは、ネックレス?」

「あぁ、、これは龍の力を抑えることができる。」

「それって、ボクが持っているネックレスと同じですよね」

「まあな、、けど、これは魔法陣を発動させてしまえば封印は外れる。」

「けど、それって必要ですか?」

「あぁ、、フォンセのことについてぶり返すわけじゃないが、龍の力は強すぎて、無理をすると危険だ。リアも龍の力の使用で疲労してただろ?」

「はい。それじゃあ、、」

リアはネックレスを受け取ると、一度眺めてからつける。

「くれぐれも、無理はしないでくれ。」

「はい!エドさんとの約束です。絶対に破りませんよ!」

「約束だ。」

俺は武器をしまうと、、

「俺達は今から性の神リリスを倒しにいく。その為に、まずはセフィー、長と和解だ。」 

「、、」

明らかに難色を示したが、ここは譲れない。俺が蟠りを残したまま別れるような、出来事を経験したから。

「ここまで仲間だと言った後だが、確かに仲間だと思っている。しかし、和解しないと言うならば俺は認めない。連れていけない」

「!」

「どうする?」

「するよ!和解すればいいんでしょ!」

「分かってくれ。」

俺は竜渓郷近くの入口へと出口をつくる。今更だが、出たり入ったりする方法なんて、俺の想像なんだからどうもでもなる。このように目に見える出入口を作ることも出来れば、一瞬で移動させることもできる。

「さあ、、、セフィー。」

「、、、、」 

セフィーは無言で出口を潜る。俺達二人はその後を歩く。セフィーはゆっくりと見知ったであろう道を歩きやがて竜渓郷の入口の前に立った。

「セフィー、、、」 

「分かってる。けど、、、」

「大丈夫だ。俺がいる、、」

「、、ありがとう。」

改めて歩きだすと、門をくぐり長の家へ向かう。外かは見ると何も無さそうな竜渓郷だが、以外と中から見ると活気があり此処彼処で竜人の商人であろう人達が屋台を出している。その他にも道沿いには樹木が植えられていたりと比較的平和な印象を受ける。それはさておき、セフィーは長の娘とあって有名なのだろう。竜人達が野次馬になって集まり始めていた。

「あいつ、、長の娘じゃないか?」

「出ていったって聞いたが、なんで戻ってきたんだ!?」

「違うって、、追い出されたんだよ!」

「なに!あんな若い娘さんを追い出したのか!?」

「そうらしいよ。どうも、理由は極秘らしいけどね」

「なあなあ、、それより、後ろにいるのは誰だよ。見るところ、人間だぞ。まあ、片っ方はなんか身体中がピリピリする感じがするんだけどよ」

「なんだろうね。あたいもそんな感じがするよ。ヒシヒシ何か伝わっている気がするんだよね」

俺とリアへの声も聞こえるが、やはりセフィーに関しての噂はたっているようだ。俺達はそゆか野次馬の声が聞こえる中、無視して歩き続ける。そんな中、真ん前の野次馬が割れると、、

「お前!ノコノコとよく戻ってこれたな!俺達を裏切り得体もしれない竜人についていったクセに!」

「ほう、、それは誰のことだ?」

俺はすかさずセフィーの前へ出ると、偉そうに話すセフィーの兄に微笑みかける。

「き、貴様!」

「貴様とは失礼だな。お前等は力が全てなんだってな。なら、その態度はおかしいんじゃないか?」

「意気がるでない。貴様はここの者ではない!警戒を抱くのは当然のことだ!」

「そうか、、まあいい。俺達はお前を跪かせに来たわけではない。そこを通させてもらおう」

「セフィー、、お前は俺達竜人の恥だ。お前等、セフィーを牢へつなげ!」

『はっ!』

「させる訳ないだろ。」

命令に従った竜人の騎士達数名には鳩尾に拳を捩じ込むと全員を気絶させる。

「くっ!」

「、、、お前では、俺には勝てない。」

斬りかかってきた剣を折ると、胸当ての部分へ拳を叩き込む。

「ぐはっ!」

「さあ、、行くか」

「はい!」

「うん!」

俺達は少し時間をとられたが、そのまま長の家へ向かった。

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