第92話 神々の居場所
「さあ、、、二人共、フォンセを早く生き返らせてやる為には、俺が神になる必要がある。」
「けど、、神になんてどうやって?」
「幸い、俺の権能には闇の吸収がある。これを使えば神々の格さえも奪うことが出来る。」
「も、もしですよ。じゃあ、すぐに神様が見つかったら、」
「すぐに生き返らせることが可能だ。」
「やった!エドさん、フォンセちゃんが戻って来るんですね!?」
「あぁ、、」
俺は早速、俺の神格を取り戻す材料にする為の神を探し始めた。探すと言っても、あまり見付からだろく、、まあ、最適な者が見つかればいいが、最低、奴を使うしかないな。
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エドさんが光の世界を出てから数分、、
「セフィーさん、、エドさん、少し様子がおかしかった気がするんです。セフィーさんは、どう思いますか?」
「少し、落ち込んでるというか、元気が無かった、、、」
「やっぱり、フォンセちゃんのことかな?」
「んー、、、けど、何か違うような、、、」
「そうですよね。フォンセちゃんが生き返ること。神様になること。それ以外に、何かあるんですかね?」
「どうなんだろ。けれど、私達は神々と最低でも一回は剣を交えなきゃいけないんだよ!それに、落ち込んでるエド為にも、私達が落ち込んでちゃダメだと思うんだ!」
「そうだね。ボク達の剣、フォンセちゃんを守れなかった。落ち込んでる場合じゃないですね!」
「私もです。お互い、落ち込んでちゃなにも始まらないよ!必ずエドをこれ以上、悲しくさせたりはしない!」
「私ボクも!エドさんだった辛い筈なんです。これ以上、絶対に悲しい思いはさせません!」
ボク達はお互いの決心を確かめ合うと、二人で笑った。これが我慢しながらの笑顔でも、悲しいんでるだけじゃダメだから。
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「やはり、見付からないな。」
神々も、やはり簡単には姿を表さない。それに、俺の今捜索できる範囲も狭すぎる。しかし、運良くその範囲内には三人もの神がいてくれた。一人は富の神、ディビディア。そしてもう一人が争の神、リート。そして最後は出来るなら会いたくなかった性の神、リリス。それもディビディアは異国におり、リートは会った瞬間、戦闘を仕掛けてきそうだ。そして最後のリリスは、、、
「嫌だなぁ、、」
あいつは色々な意味で会いたくないし危険だ。しかし、奴が一番近くにいる。
「はぁ、、、仕方ないな。」
俺は闇の鳥達を創ると、俺の使い魔としてリリスの周囲へ放った。どんな情報を持って帰ってくるのやら、、、
「このダンジョンが、リリスの遊び場だったとは、、、」
ここのダンジョンの最奥にはリリスがいる。それも、今回の異常種の増加の原因もリリスの仕業だと思う。
「ピ、ピ、ピピ、」
「ん、帰ってきたか。」
俺は闇の鳥を吸収すると、見てきたもの、聞いてきたものを見るが、、、
「くそっ!もう気付いているのか、、、」
リリスは既に俺が狙っているのに気付いており、、、、喜んでいるようだ。
「フォンセなら俺の気持ち、分かってくれたろうな。」
俺はネックレスにかかる片割れの鉱石を握り締めると目から何かが零れてるのを感じた。
「フォンセ、、、」
俺がもう少し、、、、
「あっ、エドさん。どうでしたか?」
「見つかった。このダンジョンの最下層に。」
「!」
「そんなに近かったの?」
「あぁ、、龍人の里の次の階層だ。俺が封印した所が階段だったらしいな。」
「じゃあもしかして!?」
「そう。ここ最近のダンジョンの異常はそこに巣食う神が原因のようだ。」
「これほどまでの能力を有する神。エドさん、、、危険ですか?」
「あぁ、、、それについてなんだが、」
「エドさん!!それ以上は言わないでください。どうせボク達には残ってくれとでも言うんでしょ?」
「、、、、」
「もう守られるだけのボクじゃありませんよ。ボクだって、強くなったんですから。」
リアも怖いはずだ。なんせ相手は格別した力の持つ神だ。その証拠に、体は震えているし、少し涙目になっている。リアをこんな気持ちにさせる訳にはいかないな。
「ごめんな。リア、、、俺は、弱気になってたらしい。」
俺はリアを抱き締めるとそう呟いて、一言だけ、、、
「ありがとな。」
俺はそう言うと密かに流れていた涙を拭い、二人に向かって喋り始める。
「相手は神の中でも古株である性の神リリス。二人も知ってるかもしれないが、その権能ゆえに万全の準備を頼む。お願いだから、、、死なないでくれ!」
「エドさん、また弱気になってますよ!もっと強気でいかなきゃ、勝てるものも勝てませんよ!?」
「そうだよエド。強敵だからこそ、勝つつもりでいどまなきゃ!」
「、、、そうだな。二人共、ありがとう。」
俺はそう答えると、一度深呼吸して、、、
「二人共、フォンセを、生き返らせてやろうな。」
「はい!」
「うん!」