第88話 武器作成
他よりも長くなりました。
すいません。
「で、結局は何するの?」
「まずは、、」
俺は神力で今日見てきた斧を形作ると並べていく。
「ベースはこの数種類だ。中でもセフィーのような力に制限が無いのなら刃が大きめのこんな物でもいいだろう。」
俺はこの中で一番刃の大きな斧を持ち上げると軽く振り回す。それだけで威力はあり、当たると骨が砕けるレベルだ。
「うわぁ、、フォンセじゃあ使えないよ。」
「そうか?」
「うん。主様ったらフォンセにはまだ龍人化教えてくくれて無いじゃない!」
「そうだったな、、、なら、この武器を作り終わったら教えてやろう」
「え、いいの?」
「あぁ、、だいぶ引き伸ばしにしてたしな。」
「やった!じゃあ、早速作り始めようよ!」
「そうだな、、」
俺は結局、刃が一番大きい斧を手に取るとそれの型を作る。
「型?」
「あぁ、、今回は金属も使おうと思ってな」
今回使用するのはアダマンタイト。これは高温で溶けてすぐに固まる。それも、一度魔力を流せば永遠に溶けることはなくなってしまう。その性質を利用する為、こないだ買ってきた魔法具を取り出すと、高温の炎に当て始めた。
「ちょ、溶けちゃうよ!?」
「大丈夫だ。型に流せばすぐに固まるし、この溶液に神力を流せば新しい金属が出来上がる。」
「主様って、とんでもない考え方をするよね?」
「まあな、、これぞ力業ってやつだよ。」
「強引?」
俺はあえて無視すると、溶けた溶液に神力を流す。そして自分の制御下におくと、さっき選んだ斧の刃の部分に取り付けていく。
「主様、、これって外れたりは?」
「しないな。これは違う物質でありながら同じ物質だからな。」
「同じ?」
「あぁ、、同じ物質に違う成分を混ぜ混んだだけだからな。それも、重ね合わせた形だしな。」
「じゃあ、今のこれは、、、」
「いわば一つの結晶で出来た戦斧。だから綻びることはないよな。」
「そういうこと、、、てっ、、以外と強固?」
「そうだな、、これに、、」
柄の部分を少し吹き飛ばすと、そこへ魔法発動体を嵌め込む。
「これで完成だ。ちなみに、大きいからこんな機能もつけてみたんだ。」
俺がそう言いながら指を鳴らすと、斧は手のひらに収まるくらいの結晶に変わる。
「凄い!けど、双斧だしあともう一つ作らなきゃ!」
「そうだな、けど、一つ作れば簡単なんだ。」
量、形、成分、魔力。この戦斧を形作る物は俺が全て覚えていて、それの材料さえあればこピーすることなんて容易いことだ。
「はい、完成。」
「どういう原理かさっぱりだよ。」
「まあ、神力の特権だな。」
俺はこれも結晶にすると、机において器具を片付け始める。そして身体中の武器類を外すと、フォンセへと向き直る。
「フォンセ、準備はいいか?」
「バッチリだよ!」
「よし!」
パチンッ!
俺が指を鳴らした瞬間、闇の世界への入り口が開き、それが自動的に俺達を包み込むと闇の世界へと移り変わった。
「さあ、ここなら全力を出せるな。」
「うん。けど、龍人化の習得って何をすれば?」
「そうだなあ、、、まずは原理から話そう。龍になる時、内側から何か溢れ出るものは感じられるか?」
「うん。変化を解く時に何か溢れだしてきて、それを受け入れると龍になれるよね。」
「そう。じゃあその何かとはなんだ?その答えは龍の力。変化を解いたことで溢れる龍の力なんだ。ここまでは分かるか?」
「うん。じゃあ、その龍の力をどうにかするんだね?」
「そう。龍の力は全身に染み渡りやがて元の龍へと変化することができる。けれど、そこで龍の力を使いこなせばわざわざ変化を解く必要も無くなるし、龍になることで失う小回りもきくようになる。」
「主様、滅茶苦茶簡単に言ってるけど、恐らく滅茶苦茶難しいよ。」
「いや、そこまで難しいものじゃあない。自分の血液の循環は感じることが出来るか?」
「うん。このドクッドクッってやつだよね?」
「そう。ここからは単純な話だ。この血液の流れる血管は身体中に張り巡らされているだろ。と言うことは、これに龍の力も一緒に循環させることで龍の力は溢れずに体の中で収まるってことだ。一度、やってみればいい。」
「うん、、試してみるね。」
そう言うと、フォンセは目をつぶり全身の感覚を研ぎ澄ます。そして、体から一瞬龍の魔波が漏れたが、それ以降は順調に全身を巡り始めやがて軌道に乗り始めた。
「順調だな、」
全身を龍の力が巡ることで、眼の色はより黒くなり、体からは暗龍らしい黒い魔波を見える程の濃度で溢れだしていた。
「ふう、、、一回やってみたけど、以外と簡単。」
「だろ?けど、難しいのは、、、」
「これを維持することだね?」
「そう。始めはそこで苦労する。けれど、慣れれば自然に巡るようになるし、俺なんて龍になる方が意識しなきゃならないかもな。」
「そうなんだ。じゃあ、これは順調ってこと?」
「そうだな。この調子でけば差ほど時間はかからないだろう。」
「よし!なら頑張るよ。」
「その意気だ!」
俺は闇裂・改を取り出しながらそう話した。