第84話 武器作成 準備
「そういえば、頼んだものは買ってきてなくれたか?」
「うん!」
そう言うと、隣に置いていた紙袋を俺に差し出す。中身は頼んだ通りの金属と各属性の魔法発動体だ。
「ありがとな、」
「別にいいけど、、またなんで魔法発動体なんて?」
「セフィーの分だよ、、四人中一人だけ持ってないなんて可哀想だからな、」
「あー、、そういうこと。やっぱり優しいよね」
「俺はそれにどう反応すればいいんだ?」
「反応なんて適当でいいよ♪」
「っ、」
俺はとりあえず気持ちを切り替えると神力を高める。
「何してるの?」
「武器の生成だよ、、俺が作るのは神力による武器だからな、」
俺は前つくった時と同じように結晶を固めながらそう返す。
「じゃあ、この金属達は?」
「神力だけじゃあ限りがあるんだよな、、重量とか鋭さとかな、」
俺の作れるのは神力と魔力で作る結晶ニ種類だけ。それだと重量など、鋭さ、粘度等に限界があった。
「あー、、」
「神力で作ったら、魔力の流れがいいだけになってしまう。それは勿体無いなって、、」
「そういうことね、、フォンセも手伝っていいかな?」
「まあいいけど、面白くもなんともないぞ?」
「いいよ!やってみたいもん!」
「そうか、、なら、こっちにくればいいさ、」
俺は肩にもたれ掛かっているセフィーを少し広げた椅子に寝かせると毛布を着せる。そして、手招きしてフォンセを横に招く。
「ありがと!」
「ん。で、何から始めるか?なんせセフィーの戦闘をまだ一回しか見てないからなぁ、」
「んー、、、。そうだ!魔法発動体は魔力増幅でいいと思うよ、」
「ん?」
「セフィーさんって魔法は使ってなかったでしょ?」
「あっ!そう言えばそうだったな、」
「でも、斧の形状って、、、」
「二人で出かけるか!?」
「っ、、リアさん達は!?」
「二人共疲れてるだろうし、しばらくは寝てるだろう。それに、人も増えて食材も買い足さないとな!」
「わかった。じゃあフォンセは準備してくるね!」
「ん、、」
俺はフォンセを見送ると自分の準備を始めた。そう言っても籠手と軽装、闇裂・改を装備するだけだが、、、、折角だし各金属も少しずつ持っていくか!
「準備できたよ!」
「んっ、早かったな、」
俺がセフィーのことについて考えていると、そう言って扉が開いた。
「そう?まあ、いつもよりは早いかな、、それより早く行こうよ!」
「分かったから、そんなに急かすな。」
俺は引っ張るフォンセをなだめながら街へ向かった。当然、フォンセも腰には護身用に二本の短剣を携帯している。
「ふう、、、やっぱり街中は違うね」
「そうだな、、ダンジョンとは違う解放感だな」
「結局今日は何をするの?」
「まずは鍛冶屋で斧系統の観察だな。他には食料、それも野菜類の調達だな」
「分かった、、少しよりたい所があるんだけどいい?」
「ん、いいけど、何処に行くんだ?」
「少しね、」
「分かった。それと、久し振りにグレッグの所とギルドに顔を出しておこう」
「レジーヌさんに会いたいの?」
「俺にはリアがいるさ、」
「冗談のつもりなのに、」
フォンセはそう言って不貞腐れる。
「当たり前だろ、、俺には二人がいるんだ。他に目なんて向けないよ」
「二人って?」
「当然リアとフォンセだ。今、俺の最優先は二人だからな。セフィーもそうだが、やはり正直なところまだ壁はある。それは日によってしか埋めることは出来ない。」
「、、ありがと、」
「ん?」
「なんでもないよ。それより鍛冶屋さんを回るんでしょ。早く行こう」
「あ、ああ、」
俺の方を向いてくれないフォンセを不思議に思いながら、袖を引っ張られるままに進んでいく。