第83話 手合わせ②
龍人化の真髄、それは龍の本来の姿。神に成ること。しかしそれは格を突破するということ、、それには体に多大な負担をかけてしまう。
「名付けて龍神化だな、」
「うわ、、、もう勝てないよ、、」
「滅茶苦茶もここまで来ると圧巻ですね」
「まあいいさ、、本気で来るといい。」
二人共、やはりこんなことを言っていても戦意は失っておらず、その攻撃は凄まじい。
「はあっ!」
「、」
俺は斧を手で掴むと、斧を一本蹴り飛ばす。そして、後ろから放たれた光線をブレスで相殺する。
「っ!」
残った斧に魔力を流し硬度と大きさを高める。そして、それを片手で振るうのは凄いよな、、
「やあっ!」
斧を出来るだけ振り上げるとそれを垂直に振り下ろす。それも、魔力を纏わせた右手で受け止めると鳩尾へ衝撃を叩き込む。当然、加減している。
「ぐはっ!」
「はい、、頑張りましたね」
俺はセフィーを抱えると、闇に乗せ既に帰ってきていたフォンセへと渡す。フォンセはしっかりと受け止めるとセフィーさんを床へ寝かす。
「リア、、一対一だな、」
「そうですね。この溢れる魔力、使いこなして見せますよ!」
「やってみるといい。完璧にうけとめてくれる!」
「風を舞う雷鳴よ、汝の光、敵を討つ矛となれ!」
「おっと、」
俺の鱗は強い耐魔能力を持つが、こんなにも強力な魔力をぶつけられると流石に危ない。俺は闇魔法でそれを相殺しようとしたが、相殺しきれず雷は闇を突破する。
「はっ!」
魔力を放出して雷を掻き消すことが出来たが、これは魔法の使えない俺には不利だな。けど、手数と威力を使えば負けることもない。
「魔法勝負といこう、」
改めて魔力を高めると、闇魔法と光魔法を合わせた消滅属性の弾を乱射する。
「はっ!」
「っ!」
「魔法勝負だけとは言ってないぞ!」
俺は闇の太刀を両手に持ち斬りかかる。全属性のリアはそれを風魔法と光魔法で反応するが、単純な力では負けない筈。
「やあっ!」
リアは雷魔法で強制的に身体能力をあげている。けれど、これは他の属性に比べ負担が大きく長時間はもたない。しかしリアの持っているのは聖剣ライフ。身体能力強化の反動を回復魔法で相殺していた。
「はっ!」
太刀の攻撃と共に蹴りを加えると、リアを吹き飛ばす。そこに属性無しの名付けて衝弾を連発する。リアは吹き飛ばされて床へぶつかる。
「やっちゃった、、大丈夫か?」
「は、はい。初めて龍の魔力を使ったんで疲れただけです。」
「そうか、、少し休んでいればいいさ、」
「はい、」
俺はリアを抱き抱えると、フォンセ達の所まで歩いていく。
「エド!リアは大丈夫なのか?」
「ああ、、初めて龍の力を使ったから疲れたらしい。まあ、龍の魔力は強大だ。意識を失わなかっただけ上出来だ。」
「セフィーさん、すいません。心配させちゃって、、」
「なに言ってるの。そんなことないよ」
「ありがとうございます」
「二人共、一度戻るか。ここは落ち着かないからな、」
俺は光の世界へ戻るとリアを部屋に寝かす。戻った頃には眠そうで意識も曖昧だったからな、、、
「セフィー、大丈夫か?」
「うん。それにしても、エドは強いね」
「そうだな、、まあ、仲間である以上全開は危なくて見せられないがもっと強力な技もあるぞ」
「っ!」
「ま、、それを見せるのはまだ先かな、」
「そうなんだ、、、少し甘えていい?」
「ん、別にいいが、」
「ありがと」
セフィーは俺に頭を預けると、眠りはじめてしまった。
「セフィーさん、寝ちゃったね。」
「だな、、セフィーはこう見えて寂しがり屋なのかもしれないな、」
「えっ?」
「会ってそこまで経っていないが、そんな気がするんだよ」
「そうなんだ、、、そういえば、主様に改めて聞くけど、セフィーさん、、どうする?」
「そうだな、、、本人に任せるさ」
「そう、、、」