第82話 手合わせ
、、、、、
「やっ!」
始めに動いたのはリア。形見の剣と俺の剣を使った連撃で俺はそれをギリギリの所で躱す。
「っ!」
その時、右からの殺気に思飛び上がるとそこには双斧を振り上げたセフィーが待ち構えていた。
「早いな、」
しかし今の形成は最高だ。なんせ俺の下に二人がいる布陣だから。
「この影受け止められるか?」
リアに闇は効かない。けれど、闇を変化させた影ならリアにも効く!
「な、なにこれ!?」
「エド、権能を使うのは反則じゃないのか?」
「そうか?なら、魔法レベルに抑えるか、」
俺は一瞬影を消すと、上空から光と闇を合わせた矢を落とす。
「エド、これくらいじゃ効かないよ!」
流石竜人。変化を解いていなくても強靭な鱗に覆われた本来の姿に負けず劣らずの固さだ。
「はあっ!」
右から振り下ろされた斧を闇で作った剣で受け止めたが、その力に掻き消されてしまう。
「もらった!」
力を溜めた左手で斧を振るうが、それは意図も簡単に受け止められる。
「!」
「忘れていたようだが、光は最上位の速さを誇るんだぞ!」
常人でも光で付与を掛ければ鳥並みのスピードは出る。それが俺のような出量と耐久性なら尚更だ。
「はっ!」
俺はセフィーの右手を掴むと、背負い投げの要領で投げ飛ばす。そしてそこに光弾を連射する。
「あー、、やり過ぎた、」
ダメージはさほど無いだろうが、勢いはありだいぶと飛ばされてしまった。
「んー、、、」
俺がどうしたものか、と考えていると下から無茶苦茶速い光弾が俺を完璧に狙って飛んでくる。
「光が速いって言ったのはエドさんですよ。」
それを羽切に光弾の量は増し、的確に俺を狙い始めた。これも闇を張ればいいだけなんだが、権能は使えないもんな、、
「はあっ!」
そうこうしていると、復活したセフィーが勢いをつけて双斧を振るってくる。
「おっと、」
咄嗟に作った武器だったから純度が足りずすぐに破壊されてしまう。
「はあっ!」
「やあっ!」
「やっ!」
双斧の連撃は続き、そろそろかと思いきや、勢いは収まるところを知らずドンドンと早くなっていく。
「はあっ!」
不覚をとった。一本の剣だけで受けていた俺は動かしていない左手に意識を向けていなかった。左手は肘の所で両断されると、落ちていった。
「はあ、はあ、はあ、、やっと当たった、、」
「不覚だったな、、」
俺は取り敢えず回復能力を左手に回し完全に回復させる。これで数十分は一切の回復能力が無くなったな。
「これで、回復能力は使えないね。」
「まあな、、けど、ここからは少し本気を出すぞ」
俺は魔力を体中に巡らせと、身体能力を高める。
「うわぁ、、、勝てる気が一気に無くなったよ」
「まあ、、やってみればいいさ、」
そんなことを言いつつも、双斧を震い始める。しかし体中に魔力を巡らせている今、腕力を含め身体能力は通常の数倍になっており、武器の反動を完全に受け止めていた。
「じゃあ、次は俺から行くぞ」
大太刀を構えると、今度は俺から畳み掛ける。セフィーは大太刀を双斧両方を使って受け止めるが、その反動は相当なものだったらしく両手が痺れているようだ。
「やれるか?」
「ああ、やってみせるさ!」
その状態で双斧を震い始めるが、当然勝てる訳がなく押し負けてしまう。その時、
「んっ!」
咄嗟に躱したが、威力は相当なもので俺でも当たればタダでは済まなかった、、
「ボクがいるの忘れてませんか?」
後ろを振り向くと、風魔法でフワリと浮かんでいるリアが形見の剣を向けていた。
「この剣は、光魔法を極端に強くするらしいんです。それに、これを通せば回復魔法だって使えるんですよ、」
「マジかよ、、、」
これは予想以上に強力な代物だったらしい。幸せ者だな、、
「セフィーさん、、これで大丈夫ですか?」
「うん、これで全開だよ」
「リアも強くなったな、」
「はい!もう守られるだけじゃ無いんですよ!」
「そうか、、〔ブレス・風流〕」
「!」
「!」
風属性なだけに威力は低いが風の圧で二人とも動くのが困難な状況になった。
「二人共、龍人化の真髄を見せてやろう」