第80話 秘密
「ちょ、冗談ですよね?竜人なんて、ボク竜になんてなったことありませんよ、、、?」
「なれないさ。理由はな、そのネックレスだ。」
「えっ!?」
リアは自分のネックレスを手に取り、眺めようと外す。その時、少しリアの体は何か強力な波動を発する。
「リアのおばあさんに会いに行ったって言ってただろ。その時にそのネックレスのことも教えてくれた。そのネックレスは竜の力を極端に抑える物だ。」
「っ!で、でも、なんでそんな物を?」
「リアの力は強すぎた。だから、それを抑える為にそのネックレスがある」
「じゃあ、、これがあったから分からなかったんですか?」
正確には違う。まだリアが自分の力で龍の力を使いこなしていないから、、
「そうだな、、その他にもそのネックレスについても教えてくれた。」
「、、、」
「そのネックレスは、竜の力を極端に封じる魔法具だ。けれど、そんな強力な物を創るのに、なんの代償も無しに創れると思うか?」
「いえ、、、」
「リアは両親に会ったことはあるか?」
「、、、、あり、ません。」
「分かったようだな。そのネックレスは両親が命を注ぎ込んで創った魔法具らしい。昔、リアがまだ赤ん坊の頃に町を半壊させたらしい。」
「!」
分かっていたような、驚いたようか顔をしてから顔を伏せる。やはりショックが大きいのだろう。
「それをきっかけに、両親はそれを完成させるのを決意したらしい。当然、おばあさんは反対したらしいが、両親の意思は固かったようだ」
「、、、」
「そして、それを完成させるのに、命が必要だと分かった。リアの両親は優秀な魔法具の研究者だったようだが命の代わりを見付けることはついに出来なかった。そしてその頃には既にリアは一人で歩けるようになっていたようだ。親の事をリアが認識するようになれば、心に傷を負う。両親は急がなければと二人共の命を注ぎ込んでネックレスを完成させたようだ。これを残して、」
俺はアイテムポーチから白く光を反射する澄んだ色をした一振りの剣を取り出した。鞘でもその輝きだ、、中は、、
「これは聖剣ライフ。リアの両親がそのネックレスと一緒に創った魔法具だ。」
「これが、、、」
俺の差し出した剣を両手で受け取ると、刃を少し見ながら少しの間その剣を眺めていた。
「伝わった気がします。」
「そうか、、」
リアは涙を流しながら刃をしまう。そして剣を腰に掛ける。
「その剣は外さなくていいのか?」
「はい!これも、エドさんが創ってくれたボクの大切な宝物です。お母さん達の形見の剣とはいえ、取り替えることは出来ません!」
「リア、、、」
そう言って微笑んだリアに思わず涙ぐんでしまう。俺は涙を隠す為、後ろを向いて涙を拭く。嬉しいこと言ってくれるな!
「どうしたんですか?」
「いや、、何でもない。」
俺は隠しているつもりなのだな、セフィーもフォンセも気付いているようで微笑んでいた。
「そういえば、ボクが竜ってことはボクの両親はどちらかが竜なんですか?」
「そうだな、、、リアの母親は龍人だったようだ。因みに、リアは何か勘違いしてないか?」
「?」
「リアの龍ってのは、俺達と同じだぞ。」
「?」
「だ、か、ら、俺達と同じ龍だ」
「、、、、、えっ!」
「、、」
「な、なんでエドさんと同じ?それってボクのお母さんもエドさん達と同じなんですか?」
「違う、、リアの母親はれっきとした人だ。当然、おばあさんもな、」
「じゃ、じゃあ何故龍なんですか?」
「んー、、、それはな、セフィーにも関係があるんだ、」
「!?」
「私も?」
「ああ、、少し長くなるんだ。聞いてくれるか?」
「はい!」
「うん!私にも関係のあることなんでしょ?」
「ああ、、」